デビュー作『君の膵臓をたべたい』で一躍、新時代のベストセラー作家となった、住野よる。第五作となる『青くて痛くて脆い』は、初めて大学生を主人公に据えた青春小説だ。自ら「現時点での最高傑作」と言い切る本作の刊行を機に、会って話したい人として乙一の名前が挙がった。ミステリーの面白さを教えてもらい、作風に影響を受けたのみならず、乙一のある言葉が、デビュー前の何者でもなかった自分を支えていたと言う。
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——住野さんの緊張が、隣にいてもびりびり伝わってきます(笑)。

住野:小説家になりたいって漠然と思い始めた、中高生の頃に拝読していたのが乙一さんの作品なんです。取材で「影響を受けた作家さんは?」と聞かれた時、いつも乙一さんの名前を挙げていました。だから今、ハンパじゃなく緊張しています。

乙一:僕が住野先生のお名前を知ったきっかけは、『君の膵臓をたべたい』でした。このタイトルだけどすごく感動する青春小説で、しかもネット発の作品だという噂を聞いていて。本を読みましたが、こんなに清々しい作品を書かれる方は、乙一の名前とか知らないだろうと思っていました。

住野:人生で初めて、本に心を傷付けられたのが乙一さんの作品なんですよ。自分でも書きたいと思う雰囲気で、心の中に残り続けているものは「失はれる物語」とか『きみにしか聞こえない』とかなんですね。でも、トラウマになった作品は『ZOO』に収録されている「SEVEN ROOMS」とか、『GOTH』とか。僕は自分の小説を読んだ人に毒を感じてもらいたいんですけど、それは乙一さんの作品を読んでいなかったら持っていなかった感覚じゃないかなと思うんです。

書籍

『青くて痛くて脆い』

住野 よる

定価 1512円(本体1400円+税)

発売日:2018年03月02日

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    書籍

    「本の旅人」2018年3月号

    角川書店編集部

    定価 100円(本体93円+税)

    発売日:2018年02月27日

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      書籍

      『私の頭が正常であったなら』

      山白 朝子

      定価 1620円(本体1500円+税)

      発売日:2018年02月10日

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