「そうそう、うちもそうだよ! 分かるよ、兜!」
「あっ、だめだ兜! カモフラージュされてるけどそこは地雷だ! あーーーっ!!」
とりあえず妻に聞こえないように、思わずつぶやいてしまう。
こんなにも主人公に共感してしまう作品は初めてかもしれない。
愛する妻、一人息子の克己と暮らす文房具メーカーの営業員、兜のもう一つの顔は凄腕の殺し屋。
だが、最強の殺し屋の表の顔は、恐妻家だった。
大変失礼な話だが、私は伊坂氏の「殺し屋シリーズ」を読んだことがない。
この『AX アックス』がはじめてだ。
だから額面通り一流の殺し屋が活躍するハードなストーリーを勝手にイメージしていた。
しかし、読み始めてみると……、どうも様子がおかしい。
いや、確かに主人公の兜は殺し屋には違いないのだが……。

書籍

『AX アックス』

伊坂 幸太郎

定価 1620円(本体1500円+税)

発売日:2017年07月28日

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