2024年3月19日(火)、角川文庫の新シリーズ「100分間で楽しむ名作小説」がついに発売日を迎えました!
活字を従来の本文組より大きくし、行間をゆったりとって読みやすくした本シリーズ。
第一期ラインアップとして刊行されるのは、一度は読みたい古典名作から、自信をもっておすすめしたい現代の名作小説まで、バラエティ豊かな10作品です。
カドブンでは本シリーズの創刊を記念して、10日連続で作品紹介記事を配信します。
100分後、本を閉じたあなたにおすすめしたい「次の1冊」もあわせてご紹介。
様々な読み味の作品の中から、あなたにぴったりの「100分間」を見つけてみてくださいね。
「100分間で楽しむ名作小説」シリーズ作品紹介①
良心のありかを考える100分間――芥川龍之介『蜘蛛の糸』
よいことをした報には、できるなら、この男を地獄から救い出してやろう
お釈迦さまが散歩の途中、極楽の蓮池の下をのぞき込むと、カンダタという男が血の池でもがいているのが見えた。人を殺したり放火をしたり、さまざまな悪事を働いた末に地獄に落ちたカンダタを見てお釈迦さまは、彼が生前、蜘蛛を踏みつぶそうとして思いとどまったことを思い出した。そこでお釈迦さまは、彼をめがけ蜘蛛の糸を地獄の底へたらしたが――。
【収録作品】蜘蛛の糸/地獄変/羅生門/鼻
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322312000260/
本を閉じたあなたにおすすめしたい「次の1冊」
同じ作家の作品をもっと読んでみたいと感じたあなたには……
『トロッコ・一塊の土』がおすすめ!
中学校の教科書にも採用された中期の名作「トロッコ」ほか21編を収録!
今年八つになる良平は、鉄道の敷設工事で行き来するトロッコが面白くて仕方がない。ある日、見知らぬ若い男達とともにトロッコを押す機会を得た良平だったが……「トロッコ」。倅を亡くしたお住は、毎日畑へ出て男まさりに稼ぐ嫁、お民に敬意を感じている。しかし、いつしか「稼ぎ病」に取り憑かれたお民の存在がお住を苦しめるようになり……「一塊の土」。表題作の二篇をはじめ、芥川の転機となる中期の21篇を収録。
【収録作品】トロッコ/報恩記/仙人/庭/一夕話/六の宮の姫君/魚河岸/お富の貞操/おぎん/百合/三つの宝/雛/猿蟹合戦/二人小町/おしの/保吉の手帳から/白/子供の病気/お時儀/あばばばば/一塊の土
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321807000485/
てぬぐい店「かまわぬ」とのコラボカバー作品一覧:https://kadobun.jp/kadokawa-bunko/cover-k.html
文字の大きさが読みやすいと感じたあなたには……
「100分間で楽しむ名作小説」シリーズ内の他作品がおすすめ!
- 江戸川乱歩『100分間で楽しむ名作小説 人間椅子』
- 太宰治『100分間で楽しむ名作小説 走れメロス』
- 谷崎潤一郎『100分間で楽しむ名作小説 神童』
- 恒川光太郎『100分間で楽しむ名作小説 夜市』
- 夏目漱石『100分間で楽しむ名作小説 文鳥』
- 宮沢賢治『100分間で楽しむ名作小説 銀河鉄道の夜』
- 宮部みゆき『100分間で楽しむ名作小説 曼殊沙華』
- 森絵都『100分間で楽しむ名作小説 宇宙のみなしご』
- 横溝正史『100分間で楽しむ名作小説 黒猫亭事件』
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著者プロフィール
芥川 龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ)
1892年東京生まれ。母の実家・芥川家で養育され、一高を経て東京帝大英文科を卒業。在学中に「新思潮」創刊に参加、また「羅生門」を発表して注目を集め、「鼻」は夏目漱石の絶賛を受ける。多彩な題材をもとに小説の技術的洗練と形式的完成を追求したが、1927年睡眠薬自殺。