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河﨑秋子を初めて読むならこの5冊! 【祝・第170回直木三十五賞受賞!】

単行本『ともぐい』(新潮社刊)が第170回直木三十五賞を受賞し、大注目の作家・河﨑秋子さん。
北海道別海町で酪農従業員をしながら小説を書き、2014年に『ふうの王』で三浦綾子文学賞を受賞。
その翌年、「羊飼い兼作家」という異色の肩書きでデビューしました。
この機会に「作品を読んでみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カドブン編集部が「初めて読む河﨑秋子作品」としておすすめのタイトルを厳選しご紹介!
気になる1冊を見つけてみてくださいね。

河﨑秋子を初めて読むならこの5冊!

三浦綾子文学賞を受賞したデビュー作
ふうの王』(角川文庫刊)



明治期、東北。許されぬ仲の妊婦ミネと吉治。吉治は殺されミネは逃げる途中、牡馬アオと雪洞に閉じ込められる。正気を失ったミネは、アオを食べ命をつなぎ、春、臨月のミネは奇跡的に救出された。
 生まれた捨造は出生の秘密を知らぬまま、座敷牢で常軌を逸しているミネを見舞い暮らす。アオの孫にあたる馬と北海道に渡ることを決心した捨造は、一瞬正気になった母から一切の経緯が書かれた手紙を渡され、今生の別れをする。
 昭和、戦後。根室で半農半漁で暮らす捨造家族。捨造は孫の和子に、アオの血を引く馬ワカの飼育をまかす。ある台風の日、無人島に昆布漁に駆り出されたワカとほかの馬たちは島に取り残される。捨造と和子はなすすべもない。
 平成。和子の孫ひかりは、和子に島の馬の話を聞かされていた。ひかりは病床の和子のために島にいる馬を解放することを思い立ち、大学の馬研究会の力を借りて、野生馬として生き残った最後の一頭と対峙するが……。

発売日:2018年8月24日(2015年8月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321804000168/
文庫巻末解説:https://kadobun.jp/reviews/bunko/485.html
レビュー:https://kadobun.jp/reviews/review/434.html

圧倒的なスケールで人間と動物の生と死を描く、第21回大藪春彦賞受賞作
『肉弾』(角川文庫刊)



大学を休学中の貴美也は、父・龍一郎に反発しながらもその庇護下から抜け出せずにいた。北海道での鹿狩りに連れ出され、山深く分け入ったその時、2人は突如熊の襲撃を受ける。貴美也の眼前でなすすべなく腹を裂かれ、食われていく龍一郎。どこからか現れた野犬の群れに紛れ1人逃げのびた貴美也は、絶望の中、生きるために戦うことを決意する。

発売日:2020年6月12日(2017年10月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322003000372/
文庫巻末解説:https://kadobun.jp/reviews/bunko/au8tmw5m1hs8.html

自然への畏怖と根源的な命の姿を描く、第39回新田次郎文学賞受賞作
『土に贖う』(集英社文庫刊)



明治30年代札幌。蚕種所の娘ヒトエは、使用人たちと桑の葉を摘む日々。だが、養蚕農家が増え過ぎて……「蛹の家」。江別のレンガ工場の頭目・佐川。過酷な労働環境で年老いた部下が斃れ……「土に贖う」。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋など、可能性だけに賭けて消えていった男たち。道内に興り衰退した産業を悼みながら、生きる意味を冷徹に問う表題作他6編。圧巻の第39回新田次郎文学賞受賞作。

(集英社オフィシャルHPより)
発売日:2022年11月18日(2019年9月刊行の単行本を文庫化)

著者にとって初の直木賞候補作
『絞め殺しの樹』(小学館刊)



北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、ボロ雑巾のようにこき使われた。しかし、吉岡家出入りの薬売りに見込まれて、札幌の薬問屋で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、そして長女の幼すぎる死。数々の苦難に遭いながら、ひっそりと生を全うしたミサエは幸せだったのか。養子に出された息子の雄介は、ミサエの人生の道のりを辿ろうとする。数々の文学賞に輝いた俊英が圧倒的筆力で贈る、北の女の一代記。

(小学館オフィシャルHPより)
発売日:2021年12月1日

第170回直木三十五賞受賞作
『ともぐい』(新潮社刊)



明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!

(新潮社オフィシャルHPより)
発売日:2023年11月20日

プロフィール

河﨑 秋子(かわさき・あきこ)
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。2014年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、同作で2015年度JRA賞馬事文化賞、2019年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、2020年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞、2024年『ともぐい』で第170回直木三十五賞を受賞。他書に『鳩護』『絞め殺しの樹』『鯨の岬』『清浄島』などがある。現在、「小説 野性時代」(電子雑誌)にて『銀色のステイヤー』を連載中。


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