なにかと生きづらいことの多い現代日本。違う世界で暮らしてみたい、と考えたことのある人も少なくないのでは。でも所変われば別の悩みが出てくるのが人間というものです。
日本ファンタジーノベル大賞でデビューした沢村凜さんの描くSFやファンタジー世界は、わくわくするけれど、けっして優しくありません。記憶喪失状態で旅に出ることになったり、終わったはずの人生を籠城戦中の砦からやり直すことになったり、異星人たちが乗り合わせた宇宙船が遭難したり……だからこそ、困難に立ち向かっていく登場人物たちに大きな勇気をもらえるのです。
編集部がおすすめする沢村凜さんの壮大な想像力が発揮された異世界SF・ファンタジー小説5選、どうぞご堪能ください!
現実を忘れてのめり込む、沢村凜のおすすめSF・ファンタジー小説5選
沢村凜『旅する通り雨』(角川文庫刊)
ここではないどこかに行きたいあなたへ。二度読み必至!人生の選択の物語
「雨がくると、覚悟をしなけりゃいけない。家族がひとり、へることを」。
大人たちの不吉な噂話を聞いたハランの家に、ひとりの男が訪ねてきた。雨をつれて――。
しばらく泊めることになった旅人をハランは警戒し、
噂を知らないはずの兄や姉の態度もどこかおかしい。
祖父と両親は一見いつも通りにふるまっているけれど……。
男の目的が明らかになったとき、家族は何を選び取るのか。
※『通り雨は〈世界〉をまたいで旅をする』改題。
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322204000315/
沢村凜『記憶の果ての旅』(角川文庫刊)
「ソナンと空人」シリーズ著者が贈る、希望のファンタジー。
みんなで遊んで眠るだけの平穏な毎日をくり返していた「ぼく」。
見知らぬ男に道案内を頼まれたことで、いまの生活のおかしさに加え、あることに気づく。
「自分がだれだかわからない」。
町を出た「ぼく」は旅の仲間たちと出会う。
忘れていたことばと気持ちを思い出すにつれ、世界への疑問は深まるばかり。
旅のおしまいで待ち受けていたものは――。
いまを生きる勇気をもらえるファンタジー。
※『ぼくは〈眠りの町〉から旅に出た』改題。
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322204000316/
沢村凜『王都の落伍者―ソナンと空人1―』(新潮文庫刊)
命の果てに、運命の王が待つ。全4巻の英雄物語、開幕。令和のファンタジーは沢村凜が牽引する!
名将軍のひとり息子として生を享けながら、退廃した生活に甘んじる青年・ソナン。自らの悪事が発端で死に瀕するが、朱く長い髪をもつ神・空鬼(そらんき)のたった一度の気まぐれで、名も知らぬ異国へと落とされる。しかし、その地・弓貴(ゆんたか)では古来からの統治者が反逆者に追いつめられ、全員で討ち死にしようとしていた――。終わったはずの人生から物語が動き出す。執筆4年、1800枚の傑作ファンタジー。
沢村凜『リフレイン』(角川文庫刊)
『黄金の王 白銀の王』で話題の著者の原点にして、圧巻の人間ドラマ!
せめぎあう二つの正義。争いは人間の本能なのか? 一隻の船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。属す星も、国家も、人種も異なる人々をまとめあげたリーダーに、救援後、母星が断じた「罪」とは!?
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/201203000140/
沢村凜『黄金の王 白銀の王』(角川文庫刊)
一国をめぐる男二人の相克!! 日本ファンタジーの最高峰、遂に文庫化!!
二人は仇同士だった。二人は義兄弟だった。そして、二人は囚われの王と統べる王だった――。百数十年にわたり、国の支配をかけて戦い続けてきた二つの氏族。二人が選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/201012000063/
こちらの記事もおすすめ!
いまを生きる勇気をもらえるファンタジー。――『記憶の果ての旅』文庫巻末解説【解説:大矢博子】
https://kadobun.jp/reviews/bunko/entry-47700.html
名作は名作を生む! 「"そして誰もいなくなった"的な小説5選」
https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-42268.html