海外のおすすめミステリ小説10選
最後は、海外作家によるおすすめのミステリ小説をご紹介。国内のミステリ小説とは異なる筆致や世界観も味わうのも、楽しみ方の一つ。世界的名著から各国で話題となっている作品を厳選しました。
1、エラリー・クイーン『Xの悲劇』(KADOKAWAほか刊)
コナン・ドイル、アガサ・クリスティと並ぶ世界的ミステリ作家、エラリー・クイーンによる「ドルリー・レーン」シリーズの1作目です。1932年の発表以来、日本でも数々の翻訳本が出版されている作品です。
「作中にちりばめられたヒントだけで、論理的に犯人を導き出すことのできる、読者にとって極めてフェアなミステリであると言えるでしょう。われこそは推理力に自信あり、という方は、ぜひとも挑戦してはいかがでしょうか?」(カドブン編集者I)
ドルリー・レーン氏初登場! ミステリの古典が新訳で生まれ変わる。
結婚披露を終えたばかりの株式仲買人が満員電車の中で死亡。ポケットにはニコチンの塗られた無数の針が刺さったコルク玉が入っていた。元シェイクスピア俳優の名探偵レーンが事件に挑む。決定版新訳!
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/200807000313/
2、アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』(東京創元社刊)
イギリスの小説家、アンソニー・ホロヴィッツによる推理小説。このミステリーがすごい!、週刊文春ミステリーベスト10、本格ミステリ・ベスト10、ミステリが読みたい!の4冠を達成したほか、本屋大賞の翻訳小説部門でも1位を獲得しています。
「『名探偵ポワロ』シリーズのドラマ脚本を手掛けていた作者の、見事な構成が光ります。アガサ・クリスティへのリスペクトで満ちあふれたオマージュがそこかしこに見られ、アガサファンも思わずこれにはにっこり」(カドブン編集者F)
アガサ・クリスティへのリスペクトに満ちた、国内4冠達成のミステリ
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけて転落したのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。燃やされた肖像画、屋敷への空巣、謎の訪問者、そして第二の無惨な死。病を得て、余命幾許もない名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
3、ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(KADOKAWA刊)
日本国内で驚きの1000万部を突破した、アメリカ発のベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』は、ハーヴァード大学教授のロバート・ラングドンを主人公とした大人気シリーズの2作目です。2006年に映画化・ゲーム化を果たし、今もなお熱狂的な人気を博しています。
「読むだけでミステリだけでなく、格調高い欧米の宗教や美術に触れられるところも、この作品の魅力です。入り組んだ謎! あふれる知識! 美女とのラブロマンス! 全てがてんこもりの、息をつかせぬ作品をお楽しみください」(カドブン編集者I)
全世界を揺るがせた歴史ミステリの大ベストセラー!
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/200509000008/
4、ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』(早川書房刊)
世界で1000万部以上を売り上げたといわれるベストセラー。販売当初の2019年と2020年にはアメリカで最も売れた本といわれています。日本の翻訳版は、本屋大賞の翻訳小説部門で1位に選ばれました。
「作者のオーエンズさんは動物学者としてこれまでに数々のノンフィクションを執筆。彼女にとって初の小説である同作にも、その経験が存分に活かされ、作中に登場する自然描写は息をのむほどに美しいものとなっています。ミステリだけではなく社会問題にも切り込んだ、重厚な作品です」(カドブン編集者D)
世界で1000万部以上を売り上げたといわれる大ヒットミステリ
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
5、コナン・ドイル『緋色の研究』(KADOKAWAほか刊)
伝説はここから始まった――。世界で聖書の次に多く読まれたとされる「シャーロック・ホームズ」シリーズの1作目。同作では、風変りな名探偵、シャーロック・ホームズと、落ち着いた常識人のワトスンとの出会いが描かれています。
「世界的名作にして探偵小説の記念碑的作品は、ミステリを語る上では欠かすことはできません。誰もが知るあの名コンビの始まりはどんなだったのか。二人の出会いにご注目ください!」(カドブン編集者T)
ホームズとワトスンの出会いを描く、傑作長編!
ロンドンで起こった殺人事件。それは時と場所を超えた悲劇の幕引きだった。クールでニヒルな若き日のホームズとワトスンの出会い、そしてコンビ誕生の秘話を描く記念碑的作品、決定版新訳!
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/200911000537/
6、エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』(KADOKAWAほか刊)
『アッシャー家の崩壊』で有名なアラン・ポーは、史上初の推理小説『モルグ街の殺人』を書きあげたという功績が高く評価されています。天才的な探偵と平凡な語り手といった、推理小説のいくつかの原型を創り出しました。
「同作には、シャーロック・ホームズのモデルだといわれる名探偵のデュパンも登場します。短いページ数の中にミステリの魅力がこれでもかと詰め込まれた、世界のミステリの原点と呼べる作品。ミステリ好きなら一度は触れておきたい伝統的名作です」(カドブン編集者T)
ミステリーの原点!世紀の天才のメジャー作から知られざる名作まで全11編
※『ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人』より
ミステリーの原点がここに。――ポー新訳2冊連続刊行!
世界初の推理小説「モルグ街の殺人」、史上初の暗号解読小説「黄金虫」など全11編! 解説「ポーの死の謎に迫る」
彼がいなければ、ホームズもポワロも金田一も生まれなかった――世界初の推理小説「モルグ街の殺人」。パリで起きた母娘惨殺事件の謎を名探偵デュパンが華麗に解き明かす。同じく初の暗号解読小説「黄金虫」や、最高傑作と名高い「盗まれた手紙」、死の直前に書かれた詩「アナベル・リー」など傑作を全11編収録。ポーの死の謎に迫る解説や用語集も。世紀の天才の推理と分析に圧倒される、新訳第2弾!
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000044/
7、ピエール・ルメートル『その女アレックス』(文藝春秋刊)
海外ミステリ史上初の6冠を達成した同作は、日本の翻訳版においても4つのミステリランキングを制覇。本屋大賞の翻訳小説部門で1位も獲得しています。数々の評論家、書評家の度肝を抜いた、驚きの展開に注目の大逆転サスペンスです。
「アレックスという女性がいきなり拉致拷問されるという衝撃的な始まり方。二転三転の怒涛のストーリー展開で、読者に息をつく暇も与えません。同作は『悲しみのイレーヌ』(文藝春秋刊)の次作であり、ネタバレも含まれるため、シリーズ全体を読みたいという方は先に1作目を読むことをおすすめします」(カドブン編集者I)
海外ミステリ史上初の6冠を達成した衝撃の大逆転サスペンス
英国推理作家協会賞を受賞した大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる!
おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
8、アーナルデュル・インドリダソン『湿地』(東京創元社刊)
その年にイギリスで出版された推理小説の中で最も優れた長編作品に与えられる「ゴールドダガー賞」など、ミステリ界の名だたる賞を受賞した北欧発の本格警察小説です。著者のアーナルデュル・インドリダソンはこの作品と、続く『緑衣の女』(東京創元社刊)で2年連続して、北欧5カ国の最も優れた推理小説に贈られる「ガラスの鍵賞」を受賞しました。
「ミステリが中心にありながらも、主人公であるエーレンデュルを取り巻く人間ドラマが極めて魅力的。ジャーナリストとして活躍してきた作者の、無駄を排した簡潔な文章で、謎解きを通じてアイスランドの抱える社会問題をもリアルに描き出していきます」(カドブン編集者D)
北欧で高い評価を受ける本格警察小説
雨交じりの風が吹く10月のレイキャヴィク。湿地にある建物の地階で、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなく、被害者に招き入れられた何者かが突発的に殺害し、逃走したものと思われた。金品が盗まれた形跡はない。ずさんで不器用、典型的アイスランドの殺人か? だが、現場に残された3つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。しだいに明らかになる被害者の隠された過去。そして臓腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の前人未踏の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
9、フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(東京創元社刊)
弁護士である作者が、自分の取り扱った事件をモデルに書き上げた11の短編を収録。本国ドイツで最も権威がある文学賞の一つ「クライスト賞」を受賞したほか、日本での翻訳版は本屋大賞の翻訳小説部門で1位となり、週刊文春ミステリーベスト10やこのミステリーがすごい!に選出されるなど注目を集めました。
「著者自身が実際に関わった事件とあって、謎解きや犯人捜しなどの要素はないものの、淡々とした客観的な描写の行間に、抑えきれない人間の情感がにじみます」(カドブン編集者D)
現役弁護士の体験をモデルとした短編ミステリ
一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。――魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件専門の弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。クライスト賞ほか文学賞三冠、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作。単行本より改訂増補された最新決定版!/解説=松山巖
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
10、トーヴェ・アルステルタール『忘れたとは言わせない』(KADOKAWA刊)
著者はスウェーデンで最も有名といわれるサスペンス作家の一人で、同作ではスウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞、スカンジナヴィア推理作家協会賞W受賞。米TVシリーズ化も決定しています。23年前、当時14歳ながら殺人事件の犯人として保護施設で育ったウーロフ。彼が釈放された日、ウーロフの父親が殺される事件が起こり、彼に疑いの目が向けられる中、幼なじみの女性刑事が捜査にあたる―。
「二つの絡み合う殺人事件をストーリーの軸に、性犯罪や閉ざされたコミュニティーにおける人間の残忍さが描かれます。これを読んだ読者は、普遍的な問題に対して疑問を投げかけられているような気持になります」(カドブン編集者G)
スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞、ガラスの鍵賞W受賞作。
スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞、スカンジナヴィア推理作家協会ガラスの鍵賞W受賞作。米TVシリーズ化決定!
23年前、凶悪事件を自白し、保護施設で育ったウーロフ。事件当時14歳だった男が釈放され、帰郷した時、事件は起きた。ウーロフの父が死体で発見されたのだ。犯人と疑われ、世間の誹りを受けるウーロフ。事件の捜査に当たる、ウーロフと同郷の警察官補エイラ。彼女の前に、次第に過去に起きた別の事件が浮かび上がってくる――。
あなたは覚えている。忘れたとは言わせない。
--本書(『忘れたとは言わせない』)によって、アルステルダールは第一級の帰郷小説を書いたことになる。オンゲルマン地方の田園風景や小さな集落、そこに住む人々を鋭敏な感覚で捉え、たったひとつの動きでもひとりの人物のイメージを的確に描き出せることを見せてくれた。悲劇的で、人を虜にし、いまいましいほど良くできた作品だ。(ガラスの鍵賞受賞理由より)
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322204001031/
長い歴史の中で、世界中で数々の名作が生まれてきたミステリ小説。トリックやテーマが多様化した現代ミステリを読むのも、時代が変わっても色あせない古典ミステリを読むのも、どちらもそれぞれに違った楽しみ方があります。ぜひ、この機会にお気に入りのミステリを見つけてみてください。
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