難しいけど面白い!と話題のクイズ番組『東大王』(TBS系、水曜夜7時放送中。※一部地域を除く)。
そんな『東大王』の公式本第2弾発売を記念して、話題沸騰中の東大王チーム4名に直撃インタビュー。最終回は、驚異的な正答率で東大王チームを引っ張る大黒柱的存在・伊沢拓司さんの登場です。出演者でありながら、スタッフ目線、出版プロデューサー目線(!?)の鋭い話が次々飛び出します!
── : 『東大王』公式本第2弾が完成しました。伊沢さんは真っ先にTwitterやYouTubeチャンネルでも触れてくださって、ありがとうございます。
伊沢: いえいえ恐縮です、こちらこそありがとうございます!
── : まずは、夏に行われた巻頭グラビアの撮影の思い出からお聞かせください。
伊沢: けっこう蒸し暑い日だったんですけど、スタッフさんに汗を押さえていただいたり、メークまでしていただいて、本当にキレイに撮っていただいたなと。たくさんのプロの方のお力添えがあるとこんなに素敵な仕上がりになるんだなと感動しましたし、自分がやったことがないような撮影の経験がいろいろできたので、楽しかったです。勉強になりました。ファンの方にも喜んでいただけるようなものができたかなと……いや、僕が作ったわけじゃないんですけど(笑)。 こうやって残していただけると、僕自身が年を重ねていったとしても「あー、このころこんな感じだったよな」って思ったりすると思うので、こうやって素敵な形で残り続けるのは本当にうれしいですね。
── : では、お気に入りの写真を1枚選んでいただけますか?
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伊沢: お気に入りの写真、けっこういっぱいあるんですよ。まずはこの、見開きで使われている、1枚絵はすごくいいですよね(P8-9。本記事のメイン画像にも使用)。すごく4人の性格とかキャラクターが出てる写真だと思います。何て言えばいいかな……、この収まりの良さがすごくいいんですよね。4人の集合写真として、最初にこの写真がバーンと来るわけですけど、性格をとらえているというところも好きだし、あと、僕たち、番組上はあくまで“ブロック役”じゃないですか。
── : “知力の壁”として芸能人チームに立ちふさがる役割ですもんね。
伊沢: そうなんです。その“ブロック役”という感じがすごく出ていて、全員の表情の中に、不安や焦りの要素がない。すごく自信に満ちあふれた1枚になっていていいですね。写真を撮っていただいてるときは他の人の様子までは分からないんですけど、こんなにスッと、この空気感が出るものなんだなぁと感動しまして。すごくお気に入りの1枚です。
── : 「4人の性格が出ている」というのは、具体的には?
伊沢: 何だろう、目の表情かな。僕は常に笑っているので(笑)、ニヤニヤしてて。水上(颯)は挑みかかるような目をしてますし、(鈴木)光ちゃんは泰然とした、ニュートラルな表情で。鶴崎(修功)くんもけっこう……。彼、実は中身は挑戦的なので、その挑戦的な感じが滲み出ていていいなと思いました。しかも眼鏡も全然光ってないし! これ、こんなに光らないものなんですか? 修正とかしてるんですか?
── : さすが質問が鋭い!(笑) 眼鏡の反射などは、一応自然な範囲で修正しています。ただ、表紙の写真は鶴崎さんの眼鏡が光ってる!と水上さんにTwitterでいじられちゃいまして……。
伊沢: そうでしたね(笑)。まぁでも水上はそうやってすぐ適当にツッコんでくるので気にしないでください(笑)。あとはやっぱり、楽屋の写真はどれもいいですね! 自撮りとか、不慣れな感じが出ていていいですね。うーん、でもやっぱりさっきお話しした写真が一番好きかなぁ。我々はあくまで“東大王”ですから、そこがブレずに真っすぐ出てるということで、これが一番好きです。
── : 全体をご覧になっての感想はいかがですか?
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伊沢: いろんな企画が増えてますし、座談会なども含めて、より奥まで入り込んだ内容ですよね。より戦略面まで踏み込んだ話をしてますし、僕らがお互いについて言及している部分も増えてますし。今回相当細かい部分にまでフォーカスしていただいているので、その面白さはすごく感じました。僕、自分がしゃべってる座談会なのに、面白くて何度も読み返してしまったくらいです。
── : 良かったです。座談会は第1弾のときもすごく盛り上がったので、よりパワーアップさせるというのは第2弾の大きな課題でもあったんですが。
伊沢: そうですよね、別の何かを引き出さないといけないし。こうやって番組を振り返りながら深く突っ込んだ話をできたのは面白かったです。「難問オセロ」に関しては、座談会で相当細かく語ってる上に、巻頭の方に我々のメモなんかも載ってますし。どういうことをメモしてるの?っていうのはよく聞かれるので、それも含めて非常にマニアックだし、よくできてるなと思いました。 『東大王』マニアの方にはぜひ、この本を全部読んだ上で、それを踏まえて『東大王』を見ていただきたいですよね。録画してくださってる方はぜひ、この本片手に過去の放送を見返してみてほしいです!
── : 放送日が水曜に移動してからも、毎回神がかり的に盛り上がって、素晴らしい戦いが続いてますね。
伊沢: 今は本当にギリギリの戦いになってきて、お互いの技術も高まってきて。僕らも芸能人チームも、苦手な部分の対策をしっかりやり始めているので、そこがすごく競る要因なのかなと思ってます。
── : 最近は番組側の突っ込み方もマニアックになってきて、「早書きクイズ」の4人の正答率が数字で出たり、「難問オセロ」の司令塔は鶴崎さんだと実況されたりもしてますけど、きっとそういう戦力的傾向は、番組で取り上げられる前から伊沢さんはご自身で気づかれていたんじゃないですか?
伊沢: いやぁ、でも客観的なデータとして出てくると面白いなと思いました。データの蓄積ができてきたことで、それによるキャラクター付けもされてきてますし。そしてああやって番組でアナウンスされることで、相手側もそれを認識し始めるので、そこからまた戦いがより高い次元になるんですよね。 自分の中の分析、認識はもちろんあるんですけど、番組側に示されることによって裏付けもできるので、それがまたうれしいです。
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── : 伊沢さんは、毎回放送後に問題や対戦データを整理されているんですよね。
伊沢: はい、データは取っておりまして。それはやっぱり、番組を攻略するという面もあるんですけど、一番はやっぱり思い出作りなんですよね(笑)。「こういう問題にこう答えた」っていうのがあると、自分がこれからずっとクイズをしていく上で糧になりますし、このころこういう問題が得意だったんだなっていうのもわかるので。そういうことを理路整然とわかっていたいなと思うときに、ああいうデータがあるといいんですよ。
── : なるほど、思い出を数字のデータとして可視化するというか。対策であり、楽しみでもあるという。
伊沢: まさしくそんな感じです。自分がどういう変遷をたどってきたのかが面白いところなので。あのデータを付けているのはもう趣味ですけど、いい趣味だなって思います(笑)。自分のいろんなところに役に立ってるなとは思ってますね。僕は単純に、この番組を楽しんでやっているという部分が本当に大きいので。こういう番組があって、自分が出させていただけること自体、ありがたいなという気持ちです。
── : 少し話がさかのぼるのですが、この公式本は今年の2月に第1弾が出ていますが、そのときの周囲の反響はいかがでしたか?
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伊沢: やっぱり初めて出た本ということで、明かしていなかった内情もたくさんあったので、ファンの方にはすごく喜んでいただけました。特に『東大王』のファンの方って、自分と『東大王』という番組があったときに、第三者からの視点をすごく欲している気がするんですよ。
── : 確かに、いわゆる“家族で楽しく見る番組”というだけでなく、熱いファンの支持を感じます。
伊沢: 山里(亮太)さんも、最近実況で「こういう場面が『東大王』ファンに人気なんですよ」とかおっしゃるじゃないですか。そこにも表れているとおり、やっぱり『東大王』を客観的に見た誰かの言葉を、すごく皆さんが欲しがってるんだと思うんですね。 「自分が推しているものはどれだけ人気があるのか、どんなところが面白いのか」というのは、今本当にいろんなコンテンツがあっていろんなメディアがあるので、みんな不安になってるんだと思うんです。「自分はこれを選び取ったけど、他の人はどう思ってるの? 誰か解説して」とみんな思っている。 この本は“番組公式本”という立ち位置ではあるけど、第3者である出版社の人が見た『東大王』の魅力を詰め込んでくださってるわけですから、ファンの方からしたら、「これは本当に面白いコンテンツなんだ」「やっぱりそこが最高だよね」と、発見もあるし、確認もあると思うんです。 そういう意味でこの本の出版は、すごく喜んでいただけた実感がありました。番組ファンの皆さんが、自分の中の感覚を確認できた本なんじゃないかなって。
── : 今の若い世代は本を読まない、本を買わないとよく言われますが、この本は若者の世代の支持も大きいんですよ。
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伊沢: そうですよね。10代と40代の方の支持率が本当に高い本で。こういうタイプの本だと通常は主婦層の方が強いと思うんですけど、そこに10代の方の支持がびっくりするほど乗っていて、しかも男女両方ともにすごく支持していただいて……。
── : 伊沢さん、さすが何冊も著書を出されただけあって、出版事情に詳しすぎます!(笑)
伊沢: いえいえ、すみません(笑)。でも、それは僕としても驚きだったし、うれしかったんです。 この本が出版された後に僕が自分で本を作るときにも、この本がアピールポイントになって、「こういう方たちに支持していただけると思う」って、僕としてもプレゼンできたし。この本があったからこそ今の僕の活動がある、という部分もありますね。
── : ありがとうございます。何だか伊沢さんだけ視点が玄人すぎて、出演者インタビューというよりスタッフインタビューみたいになってきましたが……(笑)。では最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
伊沢: 僕としては本当に、『東大王』を見ながら皆さんに一緒にクイズを解いてほしいなと思ってますし、そのためにも、僕自身が“知力の壁”としてよりレベルアップしたいなという思いが強くあります。それに加えて、楽しんでいただける解説もしていきたいですし、問題に挑み続ける姿勢みたいなものも見せ続けていきたいですね。 テレビの前で見てくださってる皆さんも僕にとっては対戦相手だと思ってますので、挑戦お待ちしてます!
▼東大王インタビュー バックナンバーはこちら
>>第1回 水上 颯さん
>>第2回 鈴木 光さん
>>第3回 鶴崎 修功さん