ブックコンシェルジュ
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きみから生まれる物語! 「赤ちゃん文芸5選」
生まれたばかりのころの記憶はありますか?
あるよ、という人はきっと少数派で、そんな幼いころのことは覚えていない、という人がほとんどだと思います。だからこそ、赤ちゃんを目にすると、「自分にもこんなに小さなころがあったのか」と感動してしまったり、赤ちゃんを守り育てるお母さんやお父さんの姿に、「こんなふうに自分も育てられたのかもしれない」と思いだせないあのころを想像してみたりするのかもしれません。
映画や小説では、赤ちゃんが登場すると、その存在が周囲の人々や世界を変えていくことがあります。
人生の最後に見知らぬ赤ちゃんを助けようとする4人組、妊娠と出産を経て赤ちゃんの成長と向き合う作家、生後3か月の息子を連れて謎を解く育休中の巡査部長、乳児院で赤ちゃんを育てる保育士、突如赤ちゃんに生まれ変わってしまったベテラン刑事……。
今回は、赤ちゃんをめぐる笑いあり涙あり謎ありの小説やエッセイを5つご紹介します。
その存在が、ストーリーを動かす。おすすめの「赤ちゃん文芸5選」
川瀬七緒『四日間家族』(KADOKAWA刊)
誘拐犯に仕立て上げられた自殺志願者たちの運命は。ノンストップ犯罪小説!
自殺を決意した夏美は、ネットで繋がった同じ望みを持つ三人と車で山へ向かう。夜更け、車中で練炭に着火しようとした時、森の奥から赤ん坊の泣き声が。「最後の人助け」として一時的に赤ん坊を保護した四人。しかし赤ん坊の母親を名乗る女性がSNSに投稿した動画によって、連れ去り犯の汚名を着せられ、炎上騒動に発展、追われることに――。暴走する正義から逃れ、四人が辿り着く真相とは。
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322210001445/
川上未映子『きみは赤ちゃん』(文春文庫刊)
ベストセラー異色エッセイ、待望の文庫化
35歳で初めての出産。それは試練の連続だった!
本書は、妊娠が判明したときから、出産を経て、1歳の誕生日まで、出産・育児という大事業で誰もが直面することを、芥川賞作家の鋭い観察眼で赤裸々かつユーモラスに描き、多くの共感と感動を呼んだ異色エッセイです。
つわり、マタニティブルー、分娩の苦しみ、産後クライシス、仕事と育児の両立……
妊娠&出産という個人的かつデリケートな出来事を、己の身体と精神の状況を赤裸々に描くことによって、単行本刊行時に圧倒的な読者の支持を得たベストセラーエッセイです。
本書への反響を通して、「読者のみなさんの人生に一瞬でも触れるような感覚をいただけたこと」は、書いてよかったと思うことの第一だと、川上さんは「文庫本のためのあとがき」で述べています。あの感動を、改めて文庫版で!
似鳥鶏『育休刑事』(角川文庫刊)
事件現場に赤ちゃん出動!? 育児も謎解きも全力の新感覚本格ミステリ!
捜査一課の巡査部長、事件に遭遇しましたが育休中であります! 男性刑事として初めての1年間の育児休暇中、生後3ヶ月の息子を連れているのに、トラブル体質の姉のせいで今日も事件に巻き込まれ―!?
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322103000564/
山田宗樹『きっと誰かが祈ってる』(幻冬舎文庫刊)
乳児院とそこで奮闘する保育士を描く、溢れる愛の物語。
様々な理由で実親と暮らせない赤ちゃんが生活する乳児院・双葉ハウス。ここでは子供に専属の担当養育者「マザー」を決め擬似的な親子関係を築き、子供が物心つく前にその関係を終了させる。担当児に深い愛情を注いできた保育士の温子は、最初に担当し我が子同然だった多喜の不幸を感じ……。
藤崎翔『こんにちは刑事ちゃん』【電子版】(中公文庫刊)
笑って泣ける衝撃のユーモア・ミステリー、誕生!
ベテラン刑事・羽田隆信は後輩の鈴木慎平と殺人事件の捜査中、犯人に撃たれ殉職した――はずだった。目がさめると、なんと鈴木家の赤ちゃんに生まれ変わっていた!? 最高にカワイイ赤ちゃんの身体と、切れ味鋭いおっさんの推理力で、彼は周囲で巻き起こる難事件に挑む!
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