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特集

【ブックガイド】深い沼につながる6つの泉 あなたの佐藤正午はどこから?

魔法使いに会ったことはありますか?
唐突な質問でごめんなさい。もちろん、わたしも会ったことはありません。
でも、魔法使いの書いた、魔法のかかった小説というものはあるので、そうした小説が存在する以上、書き手も存在するはずで、ゆえに、きっと、この世に魔法使いはいるのです。証明終わり(えっ?)。
今からご紹介する6冊はすべて、魔法のかかった小説です。
主人公は概ねあなたやわたしのように平凡な誰か。平凡な人生さえ送れていないこともある。彼ら自身のせいである場合もあるし、ピンボールみたいに不運に弾かれて、そんな人生にたどりついてしまうこともある。
そんな彼らが、生きて、考えて、考えてもダメで、でも生きて、生きて、時々考えて、また考えて、生きる――もどかしいほど地を這うような、あなたやわたしの人生のような成り行きを、こんなにもとりつかれたような勢いで読んでしまうのはなぜなんだろう。
そしてある瞬間、予告なく、小説は走り出す。
走りだした小説は、止められない。小説が走るから主人公も走る。わたしたちも、走る。
気がつくと、思ってもみなかった場所へ連れてこられている。まぶしく、あたたかい光が降り注ぐ。
そこに起きているのは奇跡ではない。魔法です。小説だけが持つ、魔法。
ものぐるおしく不安な春、佐藤正午が贈る魔法の時間を味わってみませんか。

深い沼につながる6つの泉
あなたの佐藤正午はどこから?

『熟柿』(KADOKAWA)



取り返しのつかないあの夜の過ちが、あったはずの平凡な人生を奪い去った。

激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322310001098/

『Y』(角川文庫)



もしもの世界に思いを馳せる名作恋愛ミステリ。

秋間文夫のもとに不審な電話がかかってきた。北川健と名乗るその男は、かつて秋間の親友だったと言うが、秋間には心当たりがなかった。読んでほしいものがあると告げられた秋間は、原稿が記録されたフロッピーディスクと、500万の現金を渡される。北川が何度も時間を逆戻りしているという不思議な物語を読むうち、秋間は18年前に起きた井の頭線の事故のことを思い出す――。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322311000522/

『5』(角川文庫)



本当の愛を探し求める孤独な魂たちへ。新感覚の大人の恋愛小説。

結婚8年目の記念にバリ島を訪れた志郎と真智子。旅行中に起こったある出来事がきっかけで、志郎の中に埋もれていたかつての愛の記憶が蘇る。洗練された筆致で交錯した人間模様を描く、会心の恋愛小説。

(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/200907000481/

『鳩の撃退法 上』(小学館文庫)



こんな小説アリなのか!
小説表現の臨界点を超えた、まさに先が読めない展開――かつてない読書体験を約束します。

かつて直木賞も受賞した作家・津田伸一は、とある地方都市で送迎ドライバーをして糊口をしのいでいた。
以前から親しくしていた古書店の老人の訃報が届き、形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千枚を超える一万円札が詰め込まれていた。
ところが、行きつけの理髪店で使った最初の一枚が偽札であったことが判明。
勤務先の社長によれば、偽札の出所を追っているのは警察ばかりでなく、一年前の雪の夜に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きる騒ぎに必ず関わる裏社会の“あのひと”も目を光らせているというーー。

(小学館オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.shogakukan.co.jp/books/09406486

『ジャンプ 新装版』(光文社文庫)



彼女は失踪した。まずリンゴを疑ってみるとか?

一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある――。ある晩、泥酔した僕 を自宅マンションに残し、ガールフレンドの南雲みはるは朝食のリンゴを買いに出かけ失踪した。「五分で戻ってくるわ」と笑顔で言い残したまま。みはるを取り巻く人々から得られる 小さな手掛かりを集め続けた末に突き付けられた真実は――。

(光文社オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://books.kobunsha.com/book/b10125456.html

『永遠の1/2』(小学館文庫)



小説界のカリスマ、不朽不滅のデビュー作!

失業したとたんにツキがまわってきた。
婚約相手との関係も年末のたった二時間で清算できたし、年が明けると競輪は負け知らず、失業保険も手つかずのままで、懐の心配はこれっぽっちもなかった。
おまけに、色白で脚の長い女をモノにしたのだから、ツイてるとしか言いようがない。いってみれば笑いが止まらぬというところだった。

「西海市」にすむ主人公・田村宏は、27歳の年の暮れに退職届を出して以降、ツキを頼りに何もかもうまく行くかに思われた。
ところがその頃から、たびたび街で別人と間違われ、厄介な相手にからまれ、ついには不可解な事件に巻き込まれてしまう。どうやら自分と瓜二つの男がこの街にはいるらしい‥‥。

(小学館オフィシャルサイトより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.shogakukan.co.jp/books/09406329

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