「カドブン」を訪れて下さっている皆様、こんにちは。
池内万作です。
カドブン編集部から「伊坂幸太郎さんの最新刊が出ます。渾身の一作です!」と連絡を頂きました。
しかも七人のレビュアーが同じ本のレビューを書くんだそうです。
暑さで頭がおかしくなってしまったのでしょうか?!
そう思ったのは自分だけではないでしょう。
だけど楽しそうなので参加させて頂くことにしました。
なんといっても伊坂さんの最新作がいち早く読めるわけですからね!
ということで、今回ご紹介するのは(すでにご存じでしょうけど)、『グラスホッパー』『マリアビートル』に続く<殺し屋シリーズ>第三弾、伊坂幸太郎著『AX アックス』となります!
主人公は、依頼を受けて人を殺めるのを生業としている、「兜」。
プロの殺し屋か!? と思いきや、普段はまさかの文房具会社の営業マン。
しかも最近は年齢と共にベテランの域に達しているとか。
こういうオフビートさが伊坂作品のたまらないところですね〜。
殺し屋像としてはこれだけでかなり異色ですが、さらに主人公の「兜」は超のつく恐妻家なのです。
格闘戦を得意とし、屈強な男と渡り合い、最後は後ろから首を締め上げ「仕事」を片付けてしまう兜ですが、家での会話は全て奥さんに追随し、決して異を唱えず、不機嫌になったら慌ててフォローし、深夜に帰宅したら妻を起こさぬよう息をひそめ、作る時にも食べる時にも音が出ないという「ある食べもの」をはむはむと食べるという……
なんとも涙ぐましい殺し屋なのです。
そんな兜が、副業(本業?)の殺しの仕事をこなし、家族を守り、殺し家業から足を洗おうとする、そんな五つの物語からなる短編集が本書『AX アックス』となります。
この『AX アックス』という物語のまさに核となるのが兜という人物であり、また兜の生き様なんですが、一体どんな風に生まれ育ったら外で人を殺めながら、家では奥さんの顔色を窺うような人物になるのか、真剣に考えてしまいました。
いや。本書を読み進めていくと、いやでも兜の事を考えずにはいられないのです。

書籍

『AX アックス』

伊坂 幸太郎

定価 1620円(本体1500円+税)

発売日:2017年07月28日

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