クラスに馴染めない女子高生・うらら(芦田愛菜)と、書道教室を営みながら、孤独に暮らす老婦人・雪(宮本信子)。二人がBL漫画をきっかけに歳の差を超えて温かい関係を築く青春漫画『メタモルフォーゼの縁側』(KADOKAWA)。いま、実写映画となり、公開のタイミングで、河野英裕プロデューサーがキャストへの想いを語る。
▼『メタモルフォーゼの縁側』プロダクションノート〈1〉~プロデューサーが語る原作の魅力
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芦田愛菜に何冊もの本を手渡した河野プロデューサー
河野英裕プロデューサー(以下、河野P)たちスタッフ陣は、主⼈公の二人、うららと雪役に芦田愛菜、宮本信⼦という各世代を代表する⼥優を選んだ。
河野Pは、⼤の本好きでも知られる芦⽥に、撮影前に数冊の本を渡したと話す。「何冊も渡したので全部は忘れちゃいましたけど、はっきり覚えているのは⾕川俊太郎さんの『はだか』という詩集と⼥優の木内みどりさんの『私にも絵が描けた!コーチはTwitter』です。『はだか』は全部ひらがなで、⼦供が書いた詩の体裁で書かれていて、その視点、感覚がうららに近い部分があるなと思って。木内みどりさんの本は、絵が苦⼿な木内さんが1年間毎日1点の絵を描いて、それをTwitterにアップしていったものをまとめたものなんですが、その絵が素晴らしくて。まえがき、あとがきにも感銘を受けて。芦田さんが読んでくれたかどうかはわかりませんが、僕がこの映画をどう作っていくか迷った時はいつもこの本を読み返していました」と明かす。この2冊をなぜ、芦田に読んでほしかったのか、それは映画を観ればすぐにわかるはずだ。
宮本信子の役に近づきたいという想い
また、原作を芦田同様に、非常に気に入っていた宮本は、少しでも⽣⾝の雪に近付きたいと、髪型、服装など⾃らアイディアを出し続けた。「最初に提案した衣裳はもう少し綺麗めで若い感じだったのですが、宮本さんがもっとおばあちゃんっぽくしたい、原作の雪さんに近づきたいと仰って今の形に落ち着きました。リアリティを出したいからと、アクセサリーやバッグ、虫眼鏡など丁寧に使い込んだ亡くなったお⺟さまの私物を持ってきてくださいました」。さらには、宮本の⺟も雪と同じように、⻑い間書道をやっていたという偶然に、スタッフは驚かされたとか。
作品紹介
『メタモルフォーゼの縁側』
原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA)
監督:狩山俊輔
脚本:岡田惠和
出演:芦田愛菜 宮本信子 高橋恭平(なにわ男子) 古川琴音 生田智子 光石 研 汐谷友希 伊東妙子 菊池和澄 大岡周太朗
配給:日活
全国公開中
metamor-movie.jp
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
STORY
主人公の佐山うららは、周囲に馴染めず、ひとりこっそりとBL漫画を読むことを毎日の楽しみにしている17歳の女子高生。もうひとりの主人公・市野井雪は、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の老婦人。雪がキレイな表紙に惹かれて買った漫画がBLだったことをきっかけに、出会ったふたりが、一緒に漫画を読み、一緒に笑い、一緒に泣いて、時には激論を交わす。BLで繋がったふたりが育む、年の差58歳の友情と挑戦の物語。
(原作情報サイト)
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