辻村深月さんによる青春小説『この夏の星を見る』が映画化され、劇場公開日は2025年7月4日(金)に決定いたしました。
茨城県立砂浦第三高校の2年生・溪本亜紗を演じるのは、ヒロインとして出演した映画『交換ウソ日記』(23)をはじめ、「silent」(22)や「相続探偵」(25)といった数多くのテレビドラマにも出演する桜田ひよりさん。
監督は山元環さん、脚本は森野マッシュさんと、これからの時代を牽引していく若きクリエイターが集まりました。また、大ヒット映画『ルックバック』の音楽を担当した業界最注目の音楽家・haruka nakamuraさんが音楽を担当します。
6月11日には角川つばさ文庫から、6月17日には角川文庫からも刊行が決定した『この夏の星を見る』が、この夏の夜空を彩ります!
辻村深月『この夏の星を見る』映画化決定!
原作 辻村深月さんコメント
物語の舞台は2020年、コロナ禍の一年目です。天文部を描いたきっかけは、誰にとっても非日常だったあの日々の中で野外の部活動ならばできるのではないかという単純な思いからでした。けれど、宇宙に目を向けたから見えたこと、著者の私が主人公たちを通じて見せてもらった景色がたくさんあります。志を同じくし、彼らに共感してくださったスタッフ・キャストの皆さんが映画の中で広げてくださった世界もまさにそのひとつです。
皆さんにも、彼らが「この夏」に見た星の輝きを一緒に見届けていただけたら、とても光栄に思います。
主演 桜田ひよりさんコメント
原作者の辻村さんの作品は以前から読ませていただいていたので、出演が決まった時に、まさか自分が辻村さんの世界観に入れるなんて…という嬉しさが込み上がりました。学生時代のなんでもないことで笑い合えたり、一緒に熱くなれる瞬間を同世代の俳優の方々と大切に演じていこうと思いました。
撮影は実際に原作に登場する高校を使わせていただいたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
山元監督は歳がものすごく離れているわけではなかったので、感性や笑いのポイントなどが近いなと感じられる部分も多く、共感し合いながら撮影を進めることができました。共演者のみなさんも本当に素敵な演技をされる方ばかりだったので、たくさん刺激をいただきました。
映画がどのような仕上がりになっているか私自身とても楽しみです。
監督 山元環さんコメント
▼コロナ禍を演出する上での挑戦
表現においても色々な挑戦をしましたが、特に“マスクで表情が隠れてしまう制限を恐れないで描く”ことが挑戦でした。マスクは表情の 60%以上を隠し、どうしても人の情報量を減らしてしまいます。マスクを外さないということを徹底した結果、マスクは透明になり、更にマスクを外すことでシーンの鮮度はまた変わります。
この映画は、感情がマスクを飛び越えて、普通では味わえない楽しみがある映画に仕上がっています。
▼初の劇場長編映画を手掛けてみて
登場人物の数/コロナ禍/マスク/星/望遠鏡など、脚本段階から制作まで一筋縄ではいかない題材の映画でしたが、とにかく想像して、模索して、原作同様に真っ直ぐ熱く届くように作りました。商業映画初監督ですが、映画の力を信じて作れたことに喜びを感じています。『この夏の星を見る』の映画の温度が、少しでも観た人の心の栄養になれば嬉しいです。
▼辻村先生とのエピソード
この物語は若者に向けられた辻村先生からのエールです。この物語を監督するにあたり、若手である僕の起用を「若い人達にこそ作ってほしい」と言ってくださり、自分を信じて映画を作ろうと思えました。この映画を作った僕自身が、エールをもらい、勇気をもらえたような気がします。
▼主演桜田さんや若いネクストブレイクキャストさんの印象
主演の桜田ひよりさんは、マスクなんて悠々と飛び越え、逆に表情が印象的で際立っていて、声もとても良かった。ひよりさんの声で表現される言葉に体重を感じて、モニター前で嬉しくなったのを覚えています。
他にも鮮度のある実力派の若手から個性のある俳優の方々まで、観ていただけたら分かる魅力のあるキャラクター達に仕上がっています。コロナ禍で切望した繋がりのある世界を存分に躍動していただきました。
脚本 森野マッシュさんコメント
原作小説の中で繊細かつリアルに語られる、マスクをつけた学生たちの心の内を映像的に表現するという挑戦はとても難しいものでした。それでも、コロナ禍であっても自分にできることを見つけて眩しく輝いている登場人物たちへの憧れが原動力となり、初の映画脚本を書き切ることができました。若手である私たちの代表作になるようにと、常に脚本に寄り添い、やわらかく見守ってくださった辻村先生に、心から感謝をお伝えしたいです。楽しんでいただけますように!
映画情報
映画『この夏の星を見る』
2025年7月4日(金)全国公開
〈ストーリー〉
コロナ禍に覆われた 2020 年。部活動を制限された中高生たちが挑んだのは、 リモート会議を駆使して同時に天体観測をする競技「スターキャッチコンテスト」。茨城、東京、長崎五島の中高生が始めたこの活動がやがて全国に広がり、ある奇跡をもたらしていく――。
〈クレジット〉
原作:辻村深月『この夏の星を見る』(KADOKAWA)
出演:桜田ひより
監督:山元 環
脚本:森野マッシュ
音楽:haruka nakamura
配給:東映
©2025「この夏の星を見る」製作委員会
書誌情報
書 名:『この夏の星を見る』
著 者:辻村深月
発売日:2023年06月30日
この物語は、あなたの宝物になる。
亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322208000289/
作品特設サイト:https://kadobun.jp/special/tsujimura-mizuki/kono-hoshi/