とっておきのグルメ小説を集めた「角川ごちそう文庫」。その第1弾として、2023年9月に4冊の新刊を刊行しました。
▼第1弾のラインナップはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
https://kadobun.jp/feature/readings/entry-75978.html
本を読んでくださった書店員さんたちから、素敵な感想をいただきましたので、4冊分まとめてご紹介させていただきます。
どの本も味わいが違い、心もおなかもたっぷり満たされる4冊です!
気になった方はぜひ店頭をチェックしてみてください。
角川ごちそう文庫第1弾
書店員さんの感想をご紹介!
森崎緩『株式会社シェフ工房 企画開発室』
希望に満ちた新入社員一年目。憧れの企業に就職し、みんなに歓迎されのびのびと働き始める彼女が可愛らしくて。天真爛漫な彼女のもやもやした部分を書きつつ、働くことの楽しさを全身で伝えてくれる。
美味しいお料理の調理法もちらほらあって、真似したくなる箇所も魅力的。北海道にも行きたくなりました。
とにかく可愛くて元気が出る一冊でした。
水嶋書房くずは駅店 永嶋裕子さん
七雪の直向きで一生懸命な姿に、時には涙腺を緩ませながら心の中でエールを送る。
読んで楽しく自分でも作ってみたくなる美味しいレシピも満載。
シェフ工房のキッチン用品を使えば、あなたも気分は一流シェフだ。
余談だけど『情報交換部』のこれからも滅茶苦茶気になるよ。
高坂書店 井上哲也さん
ほっこりお仕事小説でとても癒されました。
さらに美味しそうな北海道ならではの食事! 最高です!
そして何より新津ちゃんのシェフ工房への愛がすごい! これだけ自社製品を知り尽くしている社員さんはなかなかいないのでは? わたしもシェフ工房のアイテムを使いたい!どれも便利で可愛いのがいいな。
宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
七雪ちゃんのパワーが凄い!
元気もらえました。
宮脇書店境港店 林 雅子さん
伽古屋圭市『猫目荘のまかないごはん』
すぐにでもテレビドラマになっちゃいそうな物語である。
そして何よりも各話に出て来る料理の数々がどれも美味しそうで、美味しそうで……。
読者を「読書の秋」から「食欲の秋」に誘うお話でもあるのであった。
ちなみに今夜の私の晩酌のつまみは『温奴のなめ茸乗せおろし生姜を添えて』である。
いやはやお酒が進むすすむ。
高坂書店 井上哲也さん
猫目荘の物語は、多様性(他人の人生)と向き合うことで、自分の人生を見つけ出していくまでの希望の物語だ。それは、知識としての多様性ではなく、生きる知恵としての多様性だ。
色々な生き方を実践する人々と、飽きずに交流する中で、自分の生き方、歩いていく方向を見つけることが出来るのだと思う。
その時々でマイノリティであったり、マジョリティであったりもする。そのことに気づかされながら生きていく。人はそういった意味でもひとりでは生きられないのだ。
心が優しくなれる素敵な物語でした。
STORY STORY YOKOHAMA 名智 理さん
良い! こんなまかない付き、住んでみたい。
住人同士の付かず離れずな距離感も、程よいのが素敵です。
パートナーというセリフにそっちかぁ〜と。
ラストに明かされてやられた感がありました。
宮脇書店境港店 林 雅子さん
崖っぷちの状態から立ち上がって這い上がる感じ。でも暗く感じさせないのは降矢さんの持ち味なのか。読んでて苦しくなりそうと思わせないエネルギーに溢れててとても良かった。それもこれもまかないごはんがあったからこそ!
仕事も決まり、出来ないと決めた料理とも向き合い、実家にも顔を出して、本当に頑張ったなと嬉しかった。中村さんが戻ってからの猫目荘も読んでみたい!
『新しいコミュニティのかたち』すごく素敵だなぁと思ったし、この先こういう場所があると助かるなとも思いました。
宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
長月天音『キッチン常夜灯』
5つの幸せな温かいエピソードに包まれた本作は、読者の心に溜まっていた澱もきっと洗い流してくれるだろう。
『医食同源』ならぬ『医読同源』である。
二冊目のおかわりをお願いします!
高坂書店 井上哲也さん
そう、美味しいものを食べることは、希望そのものなのだ。湯気の向こうに幸せがある。
ただ、この物語にも困った点がある。
登場する料理がどれも美味しそうで、読んでいると問答無用にお腹が減るのだ。
「キッチン常夜灯」って本当にないの? 出てくる料理、全部食べてみたい!!
……と思わせるくらい、美味しい物語でした。ご馳走様でした。
STOR STORY YOKOHAMA 名智 理さん
読み終わった時に自然と笑顔になれる、そんな優しい小説です。
みんなそれぞれつらいこと頑張っていることがあって、心がホッと一息つける場所を求めている。それが「キッチン常夜灯」。素敵なお店で、それはシェフと堤さんが理想を求めて作っているから。この二人の仕事ぶりを見て自分を省みるみもざちゃんも素敵だ。
あたたかい真っ暗な夜にポッと光っているまさに常夜灯のような作品でした。まだまだ読みたい! キッチン常夜灯で繰り広げられる物語はまだまだありそうなので、シリーズ化希望します!
宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
強張っていた肩の力をふっと抜いてくれるような作品でした。冬の冷たく強い風やつらい現状に寄り添ってくれる場所があることに希望を抱くことができました。キッチン常夜灯の暗い夜をふわっと照らしてくれる光のような雰囲気が、暗くて冷たい冬の夜と相まって、より素敵な空間に感じます。藍色とオレンジ色をイメージしながら読んでいました。
魅力的な人たちと料理のあたたかさかと匂いが伝わってくる、素敵な作品だと思いました。
喜久屋書店国府店さん
こんなお店あったら絶対、通ってしまう!
お腹も心もホッと温まる! いいなぁと思いながら読ませて頂きました。
作中のお料理もどれも美味しそうで、じゃがいもグラタンくらいなら、自分でも作れるかなと思ってしまいました。
宮脇書店境港店 林 雅子さん
読んでいるだけで身も心もあたたかくなるお料理と、名前も知らない者同士だからこその安心感。一緒に怒ったり一緒に耐えたり一緒に泣いたり。お店の一角に自分も座っているような気持ちになって、とても満たされた気持ちになった。
水嶋書房くずは駅店 永嶋裕子さん
喜多嶋隆『潮風テーブル』
40代になった僕がこの本を読むと、どうしても健気な海果や愛たちの姿に情を動かされてしまう。それはたぶん「親心」のようなものだ。
でも、船出したばかりの若い人たちがこの物語を読んだときに、そういった感情移入ではなく、どんなに孤独に思える困難な状況でも、必ず見守ってくれる誰かがいて、助けてくれる手があり、温かい居場所がある、という「希望」を感じてもらいたい。
STORY STORY YOKOHAMA 名智 理さん
台風やら競合店やら、新たな危機が次々と二人に襲いかかるが……。
不器用で実直な海果、回転は早いがちょっぴりドジな愛。
この愛すべき二人が周囲を巻き込みながら奮闘し、多くの人に助けられ、やがて物語は感動の結末に。
これから訪れる秋の夜長の読書に最適な一冊。
高坂書店社 井上哲也さん
海果ののんびりしたところにホッとしました。
『たまたま恵まれない暮らしをしている子供たち』がとても的確で印象的な表現でグッときました。海果たちの日常がとても愛しくてもっともっと読みたい! と思いました。
宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん