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特集

「恐ろしい小説」「緊張感がえげつない」「息つく間もなく一気読み」全国の書店員から感想続々! 月村了衛『白日』

先日発売された月村了衛さん新刊『白日』。出版社で課長を務める主人公・秋吉が、ある少年の突然の死をきっかけに、組織の論理と人としての倫理に引き裂かれる展開に激しく巻き込まれる、心理サスペンス溢れるサラリーマン・エンタメです。

本作を読んでくださった書店員の方々から、続々と感想が届いています。
そのなかの一部をご紹介します。

===

『白日』いや、恐ろしい小説だ。
会社の中で、ごく普通の会社員として生きていくだけでもこんなに困難なものなのか。
陰謀や謎が渦巻く社内政治に少年の死が絡んだ時、ドラマは思いもよらない激しい展開を見せる。
熱き男の思いは貫き通せるのか! 権力に屈するしかないのか!
働く人たち必読の企業サスペンス!
(広島 蔦屋書店 江藤宏樹さん)
真相を探る中で、自分が会社の歯車であることを改めて実感し疲弊していく姿は、とてもとてもとてもとても共感しました。
また家族を思い理想と現実のギャップに悩み苦しみながらも折り合いをつけていくのは、どの業種、どの家庭でも同じなのだろうと思います。
現状を踏みしめて立ち上がる、リアルで挑戦的なお仕事小説ともいえよう。
(明林堂書店 南宮崎店 河野邦広さん)
最初からずっとハラハラしました。緊張感がえげつないです。
会社では、部下と上司の板挟み。そんな中、特大プロジェクトが存続の危機に直面し、秋吉は想像以上にストレスを抱えていたと思います。それでも、娘の前では良き父であろうとする。
彼がとても普通の大人だから、とにかく共感する部分が多くて、先へ先へとページをめくる手が止まりませんでした。まるで秋吉と同じ景色を見ているようでした。
この物語の好きなところは、秋吉自身も…(※編集部注 ネタバレのため中略)…あの姿がとてもかっこよかったのです。自分も頑張ろうと勇気付けられました。
本当に、とても面白かったです。読後はとってもスッキリとしていました。
(椿書房 渡部哩菜さん)
真実を全て公にするという事が絶対正しいことなのか、本当に大切な事とは何なのか…!? 作品を通して終始考えさせていただきました。
続きが気になりすぎて、息つく間もなく最後まで一気読みでした…!!!
ラストの一文を読み終えた後、心に熱い気持ちがこみあげてきました…!!
社会の闇を切り開く希望の光が見える作品だと感じました!!! 感動しました!!!
(紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん)
白か、黒か。
それだけでは裁けない社会の片隅で誰もが生きている。会社という組織のなかでもがき苦しみ、それでも真摯に生きようとする登場人物の在り方に、強く心が揺さぶられた。
「人として、どうあるべきか」を突きつけられる渾身の物語。
(丸善 丸広百貨店 東松山店 本郷綾子さん)
完全な白でもない。完全な黒でもない。
私たちは白と黒が混ざり合った世界の中で今を生きている。
真っすぐな子どもたちに向き合うには、今できることを精一杯やるしかない。
誰もが一人の人間なのだと、もがき苦しみながらも一歩一歩進んでいこうと改めて思えた作品でした。先が気になってページをめくる手が止められなかったです。
(柳正堂書店 甲府昭和イトーヨーカドー店 山本机久美さん)
弱肉強食、社内政治、出世争い。大人の疲労困憊の世界、それでも私は一筋の光を見つけ信じたいと思う。この小説は、主人公は、まぎれもないこの社会にいる私たちである。
だから、苦しくて、続きが気になり、目が離せず、決着をどうしても知りたいのだ。
(ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん)
理想と綺麗事と欺瞞が、並びせめぎ合う様子に、一瞬たりとも目を離せなかった。
真実を守る良心と、人を仕方なく騙そうとする残酷さに、深く考えさせられる作品だと思う。
(大盛堂書店 山本亮さん)
所謂中間管理職の責任と苦悩があまりにもリアルで、最後までハラハラしながら夢中で読みました。
モヤモヤしたままではいられない、でも白黒付けるのが正確ではない時もある、複雑な気持ちをひとつひとつ消化しながら自分に出来る事をしていく…
向き合う力を持つ事の大切さを感じました。
(明林堂書店 大分本店 多田由美子さん)
奈落の底とも思えた社会に蔓延る見えざる大人たちの悪意を、タイトルの通り白日の下に曝けだしてくれたのは、当事者である子どもたちでした。
学ぶということ、生きていくこと。親と家族。学校と自分。
『欺す衆生』『暗鬼夜行』など数々の著作で人間の内なる悪意と向き合い続けてきた月村了衛だからこそ描くことのできたラストは、明日の社会に向けての希望の祈りに溢れたものであると思います。
(有隣堂 藤沢店)
順風満帆に見える人生が突然終わってしまう。
美しい人の内面にどんな暗黒が広がっていたのか知る由もない。
だが、考えてしまう。なぜ? どうして?
全てを白日のもとに晒す事で何が崩れ、何が守られるのか?
組織の中の人間としての葛藤と、ひとりの親として、いや人間としての葛藤。
時間にすれば、たった数日間の攻防。
しかしその熱量に息を呑んで読み入ってしまった。

(平和書店 TSUTAYAアルプラザ城陽店 奥田真弓さん)
私は仕事にどう向き合っているのだろうか、ということを考えながら読みました。
誰も信用できる人がいないという疑心暗鬼にかられ、部下、上司との板挟みに追い詰められ、もう何を信じたらいいのかわからない恐怖。自分さえ信じられない中、秋吉の必死にもがき続ける生き様に胸を打たれた。
深く考えさせられながらも、真実を知りたくて一気に読んでしまったほど楽しめる一冊。本当に面白かった。
私は、自分に恥じない生き方ができるだろうか。

(興文堂 iCITY店 名和真理子さん)
理想と建前と偏見と。
教育という現場で見事に描き切った作品。
人間は弱い。そして脆い。他人の事ならよくて、いざ自分の身内の事になると許せない。
会社組織の一員とひとりの父親と。
同じ人間でも立場の違いで主義主張が変わる事を責める事は出来るのか?!
人はどこまで強くなれるのだろうか。
(文真堂書店 ビバモール本庄店 山本智子さん)
会社でのいじめは、学校でのいじめの比ではない。
事件は起きた。プロジェクトの中心の男は一時中止に動揺する。怪しいなにもかも怪しい。派閥争いが絡んでいるのか。部下も含め社内の誰も信じられない。男は動く。そして自問する。自分は一体なんの仕事をやっていたのだろうか。娘のため、未来ある子どもたちのため。人間である証明のため。
気持ちがわかりどんどん入り込んでいきました。月村さんの小説やっぱりいいわ!!
(明林堂書店 別府本店 冨田昭三さん)
私自身、いろいろ痛いところを突かれた気がした小説でした。
月村先生が描く学校現場や教育界は、今回もリアル。会社でのゴタゴタ、派閥争いなども臨場感あふれるものでした。学校教育、学歴というものに対する〈偏見の残滓〉は、私の中にもある気がして、ゾッとしました。でも、今、居場所がなくて困っている子どもたちにとって、居場所となる学校が出来ることも私の本当の願いであり、秋吉と同様、親として切実な気持ちがよく分かりました。
「白日」。いろいろな組織の陰謀はもちろん、それぞれの心の底を明らかにさらし出す、という意味なんですね…。
(精文館書店 豊明店 近藤綾子さん)
会社の利益や建前、社内の対立に巻き込まれ、「少年の死」という痛ましい出来事に正しく目を向けられない主人公やその周囲の大人達の姿に、今の世の「事なかれ」「自己の保身」を常とする状況がうつし出されていて、うんざりとした気持ちになりました。しかし次の瞬間には、我が身をふり返って、やはり同じなのではないかと反省したのです。
この話はビジネス小説の枠を超えて、教育格差、学歴問題等にまで大きく切り込んでいると思いました。父達のかかげる理想の学校に期待を寄せる娘や、友の死と真摯に向き合い真実を追求してまっすぐな視線をおくる少年のような、若者達の姿に、恥じない大人でありたいと襟を正すラストでした。
(明文堂書店 TSUTAYA戸田 坂本まさみさん)
企業人として生きるか父親として生きるか家庭を持つ身としては選択に迷う話だ。
人とは、性別、場所に関係なく縄張り争いをしてる生き物だな…と思ってしまう。
何だか馬鹿馬鹿しいと思うが、生きるため家族のためと思うと抜け出せない。
究極の選択をした男の物語。その選択はなにを導くのか、真実は白日の元に晒されるのか。
(宮脇書店 ゆめモール下関店 吉井めぐみさん)
今の時代に大きな問いを投げかける作品だと思います。
親として、会社で生きる組織人としての苦しい問答は読んでいる私にも刺さりました。
私は女ではありますが、心から共感できて、主人公になり替わったような臨場感がありました。
男女問わず沢山の人に“教育の現場”や“人としての幸せ”を考えるきっかけになれば良いと思います。
(ブックランドフレンズ 西村友紀さん)
月村さんの現代社会をえぐるような最近の作風が好みです。今回も堪能しました。
ものすごく大きな事件でもないけれど、現実社会で起こりそうな物語と、クライマックスの展開にグッときました。
主人公の苦悩が伝わってきました。
月村作品の中でもリーダビリティが高く、多くの人に月村了衛という作家を知っていただくきっかけになればと思います。
(啓文社 西条店 三島政幸さん)
熱い涙がとめどもなく流れる、というのは、こういうことを言うのだろうか。
物心ついた頃より、すでに「学校」というその空間に存在する私たちは、そこで起こりうるあらゆる荒波を、試練を、ときに厳しい現実を乗り越えていかねばならない。
純粋な心を持ちうる子どもたちに襲いかかるのは、すでに汚れてしまった大人たちの大いなるエゴなのかもしれない。
誰もが遭いうる、何がきっかけで始まるか全くわからない暗く厳しい深淵に、大人が、子どもたちがどう対処すべきか、改めて考えさせられる問題提起の物語なのかもしれません。
(芳林堂書店 高田馬場店 江連聡美さん)
組織の中にいると、「正義=正解」とならないことが数多くあるが、その苦悩の中で秋吉の取る行動のひとつひとつから目が離せなくなり、自然と応援せずにはいられなくなる。
(くまざわ書店 錦糸町店 阿久津武信さん)
人間の持つ7つの顔。
その時に応じて使い分けるのだけれど、最後の最後に、自分が一番大切にしているものは何かという決断に迫られた時に見せる顔が、生き様なのだと思った。
(うさぎや 作新学院前店 丸山由美子さん)
信念を貫く
愛を貫く
企業小説であり、家族を想うヒューマンドラマ
胸を熱くする感動作品!
(うさぎや 矢板店 山田恵理子さん)
一大プロジェクトを立ち上げる時に起こった局長の息子の転落死…
その死を巡って上司と部下と会社内の派閥に巻き込まれて誰も信用できない状況がドラマのようで、ハラハラしました。
真相が解明されていく後半は父としての葛藤、会社組織の中で働く者の苦悩が伝わりました。
会社組織の話は男性向きかと思いましたが、全然そんなこともなく楽しめました。
自分のお父さんなら…と当てはめたくなります(笑)。
(コメリ書房 鈴鹿店 森田洋子さん)
娘が進学を望む理想の学園を実現しようと奔走する秋吉。
まさかの真相と、秋吉を待ち受けていたもの。
愛する家族のため、ひとりの人間としてまっすぐ生きていく。秋吉の覚悟に胸が熱くなりました。
(丸善 名古屋本店 竹腰香里さん)

書影

月村了衛『白日』(KADOKAWA)


『白日』試し読みはこちら
https://kadobun.jp/trial/hkjt/eeat6hrfa6o8.html

杉江松恋さんによる『白日』書評はこちら
https://kadobun.jp/reviews/ay3gqcx5480k.html

月村了衛『白日』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322005000382/

著者プロフィール

月村了衛(つきむら・りょうえ)
1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『追想の探偵』『機龍警察 狼眼殺手』『悪の五輪』『東京輪舞』『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』など。


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