ブックコンシェルジュ
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色も形も、ふたり次第。「友だち」の意味を問う「友情小説5選」
あの子は「友だち」。あいつは「親友」。あの人は、「友だち」?
「友だち以上」? そもそも「友だち」って、なんだっけ?
そんなふうに悩んだことはありませんか。「友だち」の定義は多種多様で、ときにはふたりの関係に名前をつけることさえ難しいもの。声が聞きたいだれか。手を繋ぎたいだれか。戦うときは背中を任せたい、目が合うと笑ってしまう、泣いていると一緒に泣く、会いに行くときは足が軽くなる、しばらく会っていなくてもたまに顔が見たくなる、そんなだれか。それぞれに違うふたりの関係に、「友だち」という名前がついたりつかなかったり、あるいは別の名前をつけてみたり。
今日は、「友だちとは何か」の答えを一緒に探してくれるおすすめ小説を5作、ご紹介します。
ふたりにつける名前はなんですか。読むとあの人を思い出す「友情小説5選」
武田綾乃『噓つきなふたり』(KADOKAWA刊)
『私が先生を殺したの』 “正解を選ぶだけの人生”からの逃避行がはじまる
誰か教えてほしい
恋愛や親友の定義を、人生の模範解答を――
親元から離れ寮で生活する19歳・朝日光は、小学校の同級生だった長谷川琴葉と偶然再会する。当時の担任が川に転落したニュースが飛び込んできて動揺していると、琴葉が「私が先生を殺したの」と告白、そのうえ一緒に逃げてほしいと言う。しかし光は先生を殺した犯人は琴葉ではないと確信していた。なぜなら――。互いに秘密を抱えながら、ふたりは小学校の修学旅行先だった京都に向かう。
『愛されなくても別に』の著者が描く、愛と友情と嘘だらけの衝撃作!
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322207000239/
重松清『きみの友だち』(新潮文庫刊)
「いちばん大切なもの」、見つかった!
わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる――。足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。
三浦しをん『ののはな通信』(角川文庫刊)
最高に甘美で残酷な女子大河小説の最高峰
ののとはな。横浜の高校に通う2人の少女は、性格が正反対の親友同士。しかし、ののははなに友達以上の気持ちを抱いていた。幼い恋から始まる物語は、やがて大人となった2人の人生へと繋がって……。
(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322010000452/
鯨井あめ『晴れ、時々くらげを呼ぶ』(講談社文庫刊)
彼女と出会った。僕の日常は変わった。
純度100%! 小説現代長編新人賞受賞作。
売れない作家だった父が病死してから、越前亨は日々をぼんやり生きてきた。亨は、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。図書委員になった彼は、後輩の小崎優子と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見ていた亨だったが、いつしか自分が彼女に興味を抱いていることに気づく。
自分の力ではどうにもできないことで溢れている世界への反抗。本への愛。父への本当の想いと、仲間たちへの友情。青春のきらきらがすべて詰まった一作。
千早茜 『男ともだち』(文春文庫刊)
誰よりも理解しながら決して愛しあわない二人
冷めた恋人、身勝手な愛人、誰よりも理解している男ともだち……
29歳の女性のリアルな姿と彼女をとりまく男たちを描く直木賞候補作。
29歳のイラストレーター神名葵は、関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、大学の先輩だったハセオから電話がかかる。七年ぶりの彼との再会で、停滞していた神名の生活に変化が訪れる――。
解説・村山由佳
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