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この夏に読みたい! 今夏刊行のおすすめホラー小説5選

最近猛暑が続いていますね。往来を歩いていても、日傘を差している人が目立ちます。暑いのは嫌いだ、という方もいるかもしれません。けれど、エアコンがなかなか効かない寝苦しい夜、手元のホラー小説を読んで暑さを凌ぐのも乙なものです。単に怖い話を読むだけならスマホで手軽に検索できますが、ホラー小説の魅力はなんと言っても、恐怖の中に練り込まれた繊細な抒情です。
単に恐ろしいだけでない。恐ろしさの中に、美しさであったり、悲しさであったり、ドラマであったりが潜んでいて、読み終わった後の私たちに不思議な余韻を残してくれる。
今回は、KADOKAWAの最新刊から、そんなホラー小説のおすすめを5つ、ご紹介させていただきます。

ゾッとするけど美しい! 夏の怪談はこれで決まり「ホラー小説5選」

宮部みゆき『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』(KADOKAWA刊)



老人が語る、村を襲う「ひとでなし」の恐怖とは――三島屋シリーズ第八弾!

江戸は神田三島町にある袋物屋の三島屋は、風変わりな百物語をしていることで知られている。
語り手一人に聞き手も一人、話はけっして外には漏らさず、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」これが三島屋の変わり百物語の趣向である。従姉妹のおちかから聞き手を受け継いだ三島屋の「小旦那」こと富次郎は、おちかの出産を控える中で障りがあってはならないと、しばらく百物語をお休みすることに決める。休止前の最後の語り手は、商人風の老人と目の見えない彼の妻だった。老人はかつて暮らした村でおきた「ひとでなし」にまつわる顛末を語りだす――。

(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000584/

新名 智『あさとほ』(KADOKAWA刊)



横溝賞受賞第一作。「人を消す物語」の正体は。長編ホラーミステリの神髄!

「わたしの周りでは、よく人がいなくなるらしい」幼い頃、夏日なつひの目の前で双子の妹・青葉あおばは「消失した」。両親を含めた誰もが青葉のことを忘れ、彼女を覚えているのは、夏日と、消失の瞬間を一緒に目撃した幼馴染の明人あきとだけだった。青葉を忘れられないまま大学生になった夏日は、研究室の教授が失踪したとの報せを受ける。先生は、平安時代に存在したがその後失われてしまった「あさとほ」という物語を調べていたらしい。先生の行方と未詳の物語「あさとほ」を追う夏日は、十数年ぶりに明人と再会し、共に調査を始めるが――。二人が「行方不明の物語」の正体に辿り着くとき、現実は大きくその姿を変える。

(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322202000846/

岩井志麻子『煉獄蝶々』(KADOKAWA刊)



忌まわしき蝶が乱れ舞う、灼熱無惨浪漫紀行。

明治三十八年、岡山。名家・大鹿家に拾われた一人の赤子。保和と名付けられた彼は、大鹿の養子として乳母の春に育てられることに。春の語る残酷な怪異譚を聞きながら、愛憎渦巻く名家で青年となった彼は、この世ならざるものを感じることができた。昭和三年、失踪していた文学の師で放蕩者の作家・金光から保和に帳面が届く。そこには、自ら殺し、そして蘇らせた妻とのおぞましくも妖しい旅行記がつづられていた。金光の記録に魅せられ、読みこんでいくうちに精神を浸食される保和。日常さえも次第に歪められていく中、彼はことの真相を確かめるべく、金光夫妻が逗留しているという新嘉坡へ向かう。

(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322204000319/

小池真理子『アナベル・リイ』(KADOKAWA刊)



彼女の愛が、 私の人生を狂わせた――。幻想怪奇小説の到達点。

怯え続けることが私の人生だった。私は今も、彼女の亡霊から逃れることができないのだ。
1978年、悦子はアルバイト先のバーで、舞台女優の夢を持つ若い女・千佳代と出会った。特別な友人となった悦子に、彼女は強く心を寄せてくる。しかし、千佳代は恋人のライター・飯沼と入籍して間もなく、予兆もなく病に倒れ、そのまま他界してしまった。千佳代亡きあと、悦子が飯沼への恋心を解き放つと、彼女の亡霊が現れるようになり――。

(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322103000629/

近藤史恵『幽霊絵師火狂 筆のみが知る』(KADOKAWA刊)


近藤史恵『幽霊絵師火狂 筆のみが知る』(KADOKAWA刊) カバー画像

その男の絵は、怖くて、美しくて、すべてを暴く。

大きな料理屋「しの田」のひとり娘である真阿。十二のときに胸を病んでいると言われ、それからは部屋にこもり、絵草紙や赤本を読む毎日だ。あるとき「しの田」の二階に、有名な絵師の火狂が居候をすることになる。「怖がらせるのが仕事」と言う彼は、怖い絵を描くだけではなく、普通の人には見えないものが見えているようだ。絵の犬に取り憑かれた男、“帰りたい”という女の声に悩む旅人、誰にも言えない本心を絵に込めて死んだ姫君……。幽霊たちとの出会いが、生きる実感のなかった真阿を変えていく。

(あらすじ:KADOKAWAオフィシャルHPより引用)
詳細はこちら ⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322104000676/

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