⑤「インスタ映え(Instagenic)」を売る

 
 現在、日本の書店の店内ではトラブルを防止するためにほとんどが撮影禁止になっています。けれども、そもそも店内自体を写真で撮りたくなるような書店が少ないのが現状です。

 店を本格的に改装するのはお金がかかりますが、③のような方法で「世界観」を作ることができたら撮りたくなるはずです。そんな場合はじゃんじゃん写真を撮ってもらって、拡散してもらいましょう。

 書店員がインスタで発信していくという方法もあります。昨年、フランス・ボルドーにある書店「モラ」(La librairie Mollat)のインスタグラムが話題になりました。本の表紙と書店員を組み合わせて一体化した不思議な写真です(https://www.instagram.com/librairie_mollat/)。

 そんな風に、何か本を使ったインスタ映えするような写真を発信していきましょう。ピンクの表紙だけの本を集める、本のタイトルでしりとりする、装幀家で集める、いろんなテーマが考えられます。

 インスタ映えをキーワードにぜひ新たなアイデアを考えてみてください。

⑥「ここにしかない(Only one)」を売る

 
 その店でしか買えないものは、やはり心揺さぶられます。

 その書店ならではのオリジナルグッズを売ってみてはどうでしょう? 美術館の出口にあるようなミュージアムショップみたいなイメージのスペースをつくるのです。そして本をテーマにした、Tシャツ、小物、雑貨、時計などを売ってみる。昔、新潮文庫がキャンペーンで、夏目漱石や太宰治などのオリジナル時計をつくっていましたが、そのようなイメージです。版権が切れている作家であれば使えるはずですし、お金もそこまではかからないでしょう。

 本をテーマにしたオリジナルのドリップコーヒーやマグカップなどをつくるのもいいですね。モチーフは作家でもいいし、思想家や哲学者などでもいい。私も欲しいです。
 
 もちろん、その書店の名前などをモチーフにしたおしゃれなグッズをつくることもできます。 本と関係ない雑貨を売っているよりは、よっぽど心を揺さぶられます。

 グッズ以外にも「ここにしかない」を作ることはできます。本はどこで買っても同じと思われがちですが、たとえばちょっとしたオマケをつけることで違う商品にすることも可能です。たとえば、その店の書店員のオリジナル解説文つきみたいにすればどうでしょう。本と一緒にシュリンクして買わないと中身が見られないという仕組みです。
 
 他にも「同じ本を他店と違う商品にする」という視点でぜひアイデアを考えてみてください。

⑦「懐かしい( Nostalgia)」を売る

 
「懐かしい」という感情も、人の心を揺さぶります。

 これを生かした棚づくりを考えてみましょう。たとえば10年前のベストセラーランキングに基づいた棚をつくるのはどうでしょう? テレビでよくやる19××年のヒット曲みたいなイメージです。

 また 今の40~60代が青春時代にハマったような作家(たとえば星新一、筒井康隆、山田詠美、村上龍など)に、思いっきりスポットをあててコーナーをつくることなどもいいかもしれません。

 80年、90年、00年代といった時代でわけてヒットした作品を紹介し、それぞれの時代の懐かしいグッズやお菓子なども併売することもできそうです。


 以上。「エモ本7」でした。
 今回は店舗レベルで実行でき、できるだけお金を使わない方法に限定してアイデアを出しました。アイデアは基本自由に使っていただいてかまいませんが、もし川上まで報告してくれたり、一緒に何かやれればさらにうれしいです。
 
 さらに経営者レベルでお金も多少出していただけるなら、それに合わせた、もっと面白いアイデアもたくさんあります。一緒に出版・書店業界を盛り上げたい方、ぜひ川上までご連絡ください。

 あ、そして忘れちゃいけない。『物を売るバカ2』をぜひいっぱい売ってください!

****著者紹介*******
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川上 徹也
コピーライター。『物を売るバカ』(角川新書)など著書多数。日本全国モテる書店化プロジェクト発起人。

書籍

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川上 徹也

定価 864円(本体800円+税)

発売日:2018年10月06日

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    『物を売るバカ 売れない時代の新しい商品の売り方』

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    発売日:2014年05月08日

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