『魔女の宅急便』をはじめ多くの児童文学の名作を生み出してきた角野栄子さん。2021年8月8日(日)、江戸川区の子どもたちに角野さんのもう一つの人気シリーズである「おばけのアッチ」の中の一冊を読み聞かせるイベントが篠崎子ども図書館にて開催されました。
撮影:松本順子 取材・文 高関聖子(アンチェイン)
「角野栄子さんのオンラインおはなし会」が江戸川区立篠崎子ども図書館で開催!
角野栄子さんは、幼少期から20代前半までを北小岩で過ごした児童文学作家。この多感な時期に得た体験を活かして、『魔女の宅急便』や『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ』(ポプラ社)など多くの作品を生み出しました。その角野さんにとってゆかりのある江戸川区に、児童文学の素晴らしさを発信する拠点「江戸川区角野栄子児童文学館(仮称)」が2023年に開設されることになり、その縁から、この日、限定20組の親子を招いて角野さんとのオンラインおはなし会が開かれました。
会場に入った子どもたちは、一目散にモニターの前に向かい、イベントが待ち遠しくて仕方のない様子。おはなし会の前に、まずは斉藤猛江戸川区長からの挨拶がありました。
「角野先生、お忙しい中ありがとうございます。現在、南葛西のなぎさ公園に角野先生の児童文学館を建設中です。オープン予定は今から2年後です。とても楽しい場所になりますので、完成しましたらぜひ皆さん来てください。本日は一緒に楽しい時間を過ごしましょう」
子どもたちは笑顔と拍手で角野さんを迎え、モニター越しで対面。「コロナじゃなかったら、私はほうきに乗って皆さんのところに行くつもりでした」と茶目っ気たっぷりに話す角野さんは、ご自身が大好きだというイチゴ色のワンピースと赤い縁のメガネ姿で登場しました。そして、「今日は一日楽しく、皆さんが本と仲良しになっていただきたいなと思っています」と加えて、さっそく読み聞かせが始まりました。角野さんの胸元にいたのは、おばけのアッチのマスコット。「実はお洋服もアッチの模様なの。かわいいでしょ」と微笑み、作中でアッチが登場する『スパゲッティがたべたいよう』を朗読。セリフをユーモアたっぷりに演じながら朗読する角野さん。それを聴く子どもたちの顔は真剣そのものでした。
朗読が終わると、ドンドンと後方のドアを叩く大きな音が。子どもたちが振り返ると大きなアッチがひょっこり顔を出し、皆が大喜び! そしてアッチとともに、なぞなぞコーナーへ。
角野さんの著書『なぞなぞあそびうた』シリーズ(のら書店)から出題されたたくさんの問題は、子ども向けとはいえ、なかには少し難しいものも。
「あたしのものなのに いつもうしろにかくれて ばかり ふりむいても ふりむいても みえない」
「あさは さかを よいしょよいしょ のぼり ひるは 一ぽんみちを とことこ あるき ゆうがた さかを すたすた おりて まいにち まいにち おなじこと はたらいてるのよ つかれるわ あめのひだけは おやすみで こっそり どこかで あそんでくるの」
「さて私は誰でしょう?(なぞなぞの答えはぜひ皆さんも考えてみてください)」角野さんとアッチがヒントを出しながら、子どもたちは元気に挙手をして回答。正解者にはオリジナルバッチが配られました。
最後は角野さんから子どもたちへ、メッセージが贈られました。
「再来年、とても楽しい文学館ができますので遊びに来てくださいね。本ってね、開くと面白い世界がいっぱい入っているんです。遊べるし、いろんなことを考えられるし、言葉も覚えられる。私はいつも〝本を開けば楽しい世界〟と言っているの。本を読むときは、お母さんに聞かせてあげるように声を出して読むと、お話がよくわかるようになるのでおすすめです。江戸川区には図書館がたくさんありますから、皆さん本をたくさん読んでくださいね。それではまた会いましょう」
子どもたちは大きく手を振ってモニター越しの角野さんとお別れし、イベントは無事に終了しました。