単行本『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版刊)が第170回直木三十五賞にノミネートされ、大注目の作家・宮内悠介さん。
2012年、デビュー作『盤上の夜』で第33回日本SF大賞を受賞し、第147回直木賞にもノミネート。
その後もSF、ミステリー、純文学など、ジャンルの垣根を超えて話題作を発表し続け、多くの読者の心を掴んできました。
宮内さんが直木賞にノミネートされるのは今回で4度目。
この機会に「作品を読んでみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カドブン編集部が「初めて読む宮内悠介作品」としておすすめのタイトルを厳選しご紹介!
気になる1冊を見つけてみてくださいね。
宮内悠介を初めて読むならこの5冊!
日本SF大賞受賞作&直木賞候補作として注目を集めたデビュー作
『盤上の夜』(創元SF文庫刊)
彼女は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった──。若き女流棋士の栄光をつづり、第1回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作にはじまり、同じジャーナリストを語り手にして紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯をめぐる6つの奇蹟。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋……対局の果てに人知を超えたものが現出する。デビュー作品集ながら直木賞候補となり、日本SF大賞を受賞した、2010年代を牽引する新しい波。解説=冲方丁
(東京創元社オフィシャルHPより)
発売日:2014年4月11日(2012年3月刊行の単行本を文庫化)
『盤上の夜』に続く直木賞候補作にして、日本SF大賞特別賞に輝く第2短篇集
『ヨハネスブルグの天使たち』(ハヤカワ文庫JA刊)
戦災孤児のスティーブとシェリルは、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製ホビーロボット・DX9の捕獲に挑むが──泥沼の内戦が続くアフリカの果てで懸命に生きる少年少女を描いた表題作、9・11テロの悪夢が甦る「ロワーサイドの幽霊たち」など、日本製の玩具人形を媒介に人間の業と本質に迫る連作5篇。
(早川書房オフィシャルHPより)
発売日:2015年8月21日(2013年5月刊行の単行本を文庫化)
宮内悠介、初の長編作品
『エクソダス症候群』(創元SF文庫刊)
亡き父がかつて勤めた精神病院に赴任した医師カズキ。彼の帰郷とともに隠された歯車が動き始めた。舞台は火星、テーマは精神医療史。いま注目の気鋭による初長編。
(東京創元社オフィシャルHPより)
発売日:2017年7月21日(2015年6月刊行の単行本を文庫化)
第157回直木賞候補作にして、第49回星雲賞受賞作! 宮内悠介が挑む超王道冒険エンタメ
『あとは野となれ大和撫子』(角川文庫刊)
沙漠の小国家、アラルスタン。日本人少女ナツキは紛争で両親を失い、国の教育機関“後宮”に引き取られることに。
同じ境遇の仲間と気楽な日々を過ごしていたが、大統領が暗殺され情勢は一変。
国の中枢のほとんどが逃亡、反政府軍が襲来する絶体絶命の危機に陥ってしまった!
ナツキは仲間の立ち上げた臨時政府に参加し、自分たちの居場所を守るために奮闘するが……。
どんな困難も笑い飛ばして明日に進む、乙女たちの青春冒険ストーリー!
発売日:2020年11月21日(2017年4月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322004000192/
文庫巻末解説:https://kadobun.jp/reviews/bunko/edy2bv7pyb4s.html
単行本レビュー:https://kadobun.jp/reviews/review/22.html
第170回直木三十五賞候補作!
『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版刊)
1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけがえのない物語。
(朝日新聞出版オフィシャルHPより)
発売日:2023年8月21日
プロフィール
宮内 悠介(みやうち・ゆうすけ)
1979年東京生まれ。早稲田大学第一文学部英文科卒業。2010年「盤上の夜」で第一回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞してデビュー。12年、同名の作品集で第33回日本SF大賞を受賞。17年『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、『カブールの園』で三島由紀夫賞、18年『あとは野となれ大和撫子』で星雲賞、20年『遠い他国でひょんと死ぬるや』で芸術選奨新人賞を受賞。