ブックコンシェルジュ
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“母”という存在が描き出す、一生忘れられない物語。「母小説5選」
毒親、義理の親子、誘拐、恋愛…。
“母”の姿が鮮明に描かれたおすすめの本をご紹介!
「母小説」と聞いて、あなたはどんな物語を想像しますか。
支え合う親子の絆に胸が温かくなる家族小説や青春小説でしょうか。
逃れられない親子関係に胸が苦しくなるサスペンスやミステリでしょうか。
家族の在り方には、ひとつとして同じものはありません。
幸福な家庭もあれば歪な家族もいるし、満ち足りた息子もいれば苦しんでいる娘もいると思います。
ときとして、友人より、恋人より、夫婦よりも結びつきが強くなるのが“母”という存在なのではないでしょうか。
様々な物語の中で、“母”にスポットライトが当てられてきました。
そんな“母”と題材とした作品の中から、5つの名作小説をご紹介します。
感動の家族小説から迫真のサスペンスまで。「母小説5選」
早見和真さん『八月の母』(KADOKAWA刊)
著者究極の代表作、誕生。 連綿と続く、女たちの“鎖”の物語。
彼女たちは、蟻地獄の中で、必死にもがいていた。
愛媛県伊予市。越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。しかしその機会が訪れようとするたび、スナックを経営する母・美智子が目の前に立ち塞がった。そして、自らも予期せず最愛の娘を授かるが──。
うだるような暑さだった八月。あの日、あの団地の一室で何が起きたのか。執着、嫉妬、怒り、焦り……。人間の内に秘められた負の感情が一気にむき出しになっていく。強烈な愛と憎しみで結ばれた母と娘の長く狂おしい物語。ここにあるのは、かつて見たことのない絶望か、希望か──。
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322008000196/
辻村深月さん『朝が来る』(文春文庫刊)
第147回直木賞、第15回本屋大賞の受賞作家が到達した新境地!
長く辛い不妊治療の末、栗原清和・佐都子夫婦は、民間団体の仲介で男の子を授かる。朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、夫妻のもとに電話が。それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった――。
自分たちの子供を産めずに、特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母。それぞれの葛藤、人生を丹念に描いた、胸に迫る長編。
窪美澄さん『ははのれんあい』(KADOKAWA刊)
僕の家には、僕の家族には、恥ずかしいことなんて何ひとつない。直木賞候補作『じっと手を見る』の著者が描く、心温まる感動の家族小説。
長男の智晴(ちはる)を産んだ由紀子は、優しい夫と義理の両親に囲まれ幸せな家庭を築くはずだった。しかし、双子の次男・三男が産まれた辺りから、次第にひずみが生じていく。死別、喧嘩、離婚。壊れかけた家族を救ったのは、幼い頃から母の奮闘と苦労を見守ってきた智晴だった。智晴は一家の大黒柱として、母と弟たちを支えながら懸命に生きていく。
(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/321612000240/
角田光代さん『八日目の蝉』(中公文庫刊)
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直木賞作家・角田光代が全力を注いで書き上げた、心ゆさぶる傑作長編。第2回中央公論文芸賞受賞作。
不倫相手の赤ん坊を誘拐し、東京から名古屋、小豆島へ、女たちにかくまわれながら逃亡生活を送る希和子と、その娘として育てられた薫。偽りの母子の逃亡生活に光はさすのか、そして、薫のその後は――!? 極限の母性を描く、ノンストップ・サスペンス。
浅田次郎『母の待つ里』(新潮社刊)
雪のように降り積もる感動、全く新しい家族小説にして永遠の名作誕生!
上京して四十年、一度も帰ろうとしなかった郷里で私を温かく迎えてくれたのは、名前も知らない〈母〉でした――。家庭も故郷も持たない人々の元にカード会社から舞い込んだ〈理想のふるさと〉への招待。半信半疑で向かった先には奇跡の出会いが待っていた。
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