今年の12月31日で、寺田寅彦は没後85年。
角川ソフィア文庫では、『銀座アルプス』『科学歳時記』『科学と文学』『ピタゴラスと豆』『読書と人生』の5冊を復刊しました。
文系・理系の垣根を越えて読まれるべき名随筆が勢揃い。お気に入りの一冊を見つけてください。
◆復刊◆
『読書と人生』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000014/
近代市民精神の発見であると共に、寅彦随筆の転換ともなった「丸善と三越」をはじめ、「読書論」「人生論」「科学者とあたま」「科学に志す人へ」「わが中学時代の勉強法」「『徒然草』の鑑賞」等29篇収録。解説・角川源義、若松英輔。
若松英輔さんの解説全文はこちら▶「読書」はその人の「人生」を表す。寺田寅彦は何を読み、どのように読んだのか。「科学者とあたま」ほか名随筆29篇。『読書と人生』
『ピタゴラスと豆』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000013/
「結局自分に入用なものは、品物でも知識でも、自分で骨折って掘出すよりほかに途はない」(「錯覚数題」)。科学と文学をあざやかに融合させた寺田寅彦。随筆の名手が、晩年の昭和8年から10年までに発表した科学の新知識を提供する作品を収録する。表題作をはじめ、「錯覚数題」「夢判断」「三斜晶系」「震災日記より」「猫の穴掘り」「鷹を貰い損なった話」「鳶と油揚」等23篇。解説・角川源義、鎌田浩毅
鎌田浩毅さんの解説全文はこちら▶文学と科学をあざやかに融合させた寺田寅彦。芸術感覚にあふれた名随筆家が、科学の新知識を提供した23篇を復刊!『ピタゴラスと豆』
『科学と文学』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000012/
「科学の世界は国境の向うから文学の世界に話しかける」(「文学と科学の国境」)。日本の伝統文化への強い愛情を表した寺田寅彦。芭蕉連句を映画のモンタージュ構成や音楽の楽章に喩えるなど、ジャンルを越えて芸術の本質に迫る眼差しをもっていた。科学者としての生活の中に文学の世界を見出した「映画芸術」「連句雑俎」「科学と文学1」「科学と文学2」の4部構成。解説・角川源義、川添愛
川添愛さんの解説全文はこちら▶俳句など、日本の伝統文化に強い愛情を表した寺田寅彦。科学者としての生活のなかに文学の世界を見出した名随筆、待望の復刊︕ 『科学と文学』
『科学歳時記』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000011/
「このごろはしばらく「世界の夕凪」である。いまにどんな風が吹き出すか、神様以外には誰にも分りそうもない」(「夕凪と夕風」)。初期から晩年まで、季節を主題にした随筆作品を歳時記風に掲載。生きる世界を俳諧に見出し、科学と融合させた独自の短文集。文学的随筆の代表作として著名な「団栗」「竜舌蘭」をはじめ、夏目家の文章会以前の「祭」「車」「窮理日記」「凩」等、全39篇を収録する。解説・角川源義、竹内薫
竹内薫さんの解説全文はこちら▶寺田寅彦の名随筆待望の復刊︕ 日常生活の不思議に着目。科学者の視点から、観察することの大切さを教えてくれる39篇を収録『科学歳時記』
『銀座アルプス』
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000010/
「宗教は往々人を酩酊させ官能と理性を麻痺させる点で酒に似ている。そうして、珈琲の効果は官能を鋭敏にし洞察と認識を透明にする点でいくらか哲学に似ている」(「珈琲哲学序説」)。近代文学史に輝く科学随筆の名手による短文の傑作選。写生文を始めた頃から昭和8年まで、寅彦の鳥瞰図ともいうべき作品を収録する。表題作および「電車と風呂」「鼠と猫」「石油ランプ」「流言蜚語」「病院風景」等30篇。
解説・角川源義、有馬朗人
有馬朗人さんの解説全文はこちら▶一度読んだら忘れられない、寺田寅彦の名随筆︕ 時代を超えて楽しめる、近代文学史に輝く科学随筆30篇が復刊!『銀座アルプス』
◆好評既刊◆
『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(寺田 寅彦 著 / 山折 哲雄 編)
https://www.kadokawa.co.jp/product/201104000498/
地震列島日本に暮らす我々は、どのように自然と向き合うべきか――。災害に対する備えの大切さ、科学と政治の役割、日本人の自然観など、今なお多くの示唆を与える、寺田寅彦の名随筆を編んだ傑作選。