こんなグルメ時代小説を待っていた!
『お江戸やすらぎ飯』鷹井 伶
おいしくて体にいい料理と、医学館を取り巻く人間模様――吉原の遊郭で育てられた、不幸な生い立ちに負けない佐保が、人々を料理で幸せにする!
小説内に登場する、目からウロコの薬膳料理レシピを、特別にweb上で公開します。
あらすじ
江戸の大火で両親とはぐれ、吉原の遊郭で育てられた佐保。花魁になるための修業を重ねていた彼女には特殊な力があった。水穀の精微――食物から得られる滋養、養生の極意を、生まれつき備えているというのだ。幕府のお抱え医師の名家・多紀家の五男・元堅は、病に効く食材を言い当てる佐保の力を目の当たりにする。やがて、佐保は医学館に預けられ、病人を救う料理人を目指していく……。おいしくて体にいいグルメ時代小説!
小説に登場する薬膳料理レシピを特別にweb公開!
第1回 黒豆の薬膳ぜんざい
効能 シミ・しわ・白髪・むくみ・腰痛……
材料(4人分)
- 乾燥黒豆 …… 150g
- 黒豆の漬け汁 …… 450ml
- 生姜の絞り汁 …… 小さじ1
- クコの実 …… 20粒ほど
- てんさい糖(黒糖orきび砂糖も可)…… 140g
- 塩 …… 適宜
作り方
- 黒豆を大きめのボウルに入れ、500mlほどの水でひと晩浸しておきます。
- 圧力鍋に、ひと晩おいた黒豆とその漬け汁を入れ、強火にかけます。クコの実は小さめのボウルに入れ、水(分量外)に浸しておきます。
- 蒸気が出てきたら、弱火にして10分加熱します(加熱時間はお使いの圧力鍋で加減してください)。
- 蓋を開け、クコの実、生姜の絞り汁とてんさい糖を入れ、てんさい糖が溶けたら、味見して、お好みで塩を加えてください。
解説
【黒豆の薬膳成分】
五色:黒 五季:すべて 五味:甘 五性:平 五臓:脾肝腎
効能:活血 利水 解毒 健脾 益腎 滋陰 補血
【特にオススメの方】
むくみ/腰痛/消化力が低下している/体力が落ちている/シミ・しわ・白髪が増えている
【五彩薬膳ポイント】
黒豆、黒ごま、黒米、黒酢……薬膳では黒い食材をよく使います。
黒豆は古くから使われている薬膳食材で、成長を司る「腎」の働きをよくするとされています。実は、黒豆の「黒」は「アントシアニン」という色素成分であり、ポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用を持っているため、老化の原因となる活性酸素の発生を抑え、シミやしわ、白髪などの老化を抑える効果も期待できそうです。
現代的な化学成分の分析ができなくても、日々の食経験から、黒豆のアンチエイジングの力を見抜いていた昔の人たちはすごいですね!
黒豆と同様に「滋補肝腎」の力を持つクコの実と、さらに体を温めるために、温性の生姜も合わせました。心までホッとするような優しい味の薬膳スイーツです。
【レシピ】阿部らら(本書の薬膳監修)薬膳料理研究家・国際中医薬膳師・「五彩薬膳」代表(http://gosaiyakuzen.com)