佐藤亜紀さんが紡ぐ歴史小説を読んで驚嘆するのは、どこが舞台であっても、いつの時代であっても、常に「現在」を生きる自分に引き寄せて読むことができることです。今こそ読んでいただきたい、という思いをこめてご紹介するのは、戦争に翻弄された人々の姿を、驚きに満ちた視点で描きだした3冊です。強大な権力と容赦のない暴力に蹂躙されながらも、自分の価値観を信じ、大切なものを守り抜こうと闘う登場人物たち。権力は牙を剥き、役人たちは利益に群がり、保身に奔走する。国民は“駒”でしかない――そんな中、一人の人間としてどう生きるのか……? 決して過ぎ去った歴史を描いた物語ではありません。閉塞感を感じる現実を突き抜け、生きるために。現代の私たちにとって、必読の書です。
1:第一次世界大戦の最中、特殊な能力を持ち、熾烈なスパイ戦に駆り出された青年。
『天使・雲雀』
名もなき青年が、たった一人で“国家”に立ち向かう!
第一次世界大戦前夜のヨーロッパ。生まれつき特殊な力を持つジェルジュは、ウィーンの権力者に見出された。不穏な政治情勢の中、間諜となった彼を待ち受ける壮絶な闘いが圧巻の『天使』と、その後を描く『雲雀』を合本した完全版。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000256/
2:金もあるし、暇もある。無敵の悪ガキどもが夢中になったのは、適性音楽のジャズだった!
『スウィングしなけりゃ意味がない』
ジャズが彼らのすべてだった――戦時下のドイツを舞台に描く音楽青春小説!
1939年ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。15歳のエディが熱狂しているのは頽廃音楽と呼ばれる”スウィング”だ。だが音楽と恋に彩られた彼らの青春にも、徐々に戦争が色濃く影を落としはじめる――。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321808000330/
皆川博子氏、驚嘆&絶賛!
「国境を超えて人の心を掴む音楽と同様に、国境を超える普遍性を持った優れた文学作品だ」
本書への応援メッセージがぞくぞく!
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3:Twitter文学賞国内編、第一位に輝いた圧巻の歴史エンターテインメント!
『黄金列車』
戦場を駆ける黄金列車の行方は?大人達の戦いを描く佐藤亜紀の新たな傑作。
ハンガリー王国大蔵省の職員・バログは、現場の担当としてユダヤ人の資産を保護・退避させるべく「黄金列車」に乗り込む。財宝を狙って近づいてくる悪党たちを相手に、文官の論理と交渉術で渡り合っていくが――。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321905000410/