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特集

【「かつくら」presents】〈少年陰陽師〉シリーズ15周年記念 結城光流メールインタビュー

取材・文:「かつくら」編集部 

2002年に第1作『少年陰陽師 異邦の影を探しだせ』が角川ビーンズ文庫より発売されて以来、多くの読者の心を捉え、少年小説界屈指の人気を誇るシリーズになっている<少年陰陽師>。シリーズ15周年を迎えたのを記念して、スペシャル企画が目白押しなのです。結城光流氏の特別メールインタビューをお届けします!
<本インタビューは小説ファンブック「かつくら 2017秋号」(発行:桜雲社)に掲載されたインタビューの冒頭を転載したものです>

Q1 〈少年陰陽師〉シリーズ十五周年おめでとうございます! アニバーサリーイヤーを迎えた心境を教えてください。
A1 ありがとうございます。かつくらさんは昔から節目節目でこうやって取り上げてくださるので、本当にお世話になっていますし、長いお付き合いをさせて頂けてとても嬉しいです(笑)。気がつけば十五年、でした。いつもいつも目の前の原稿に全力で向き合っていてあまりほかのことを考えていないので、時々こうやって来た道を振り返る機会を頂けるのはありがたい。言われてみればそんなに経つのか、そうかぁ〈少年陰陽師〉は元服を迎えたんだなぁ、と思ったりしました(笑)。

Q2 シリーズ第一作を刊行時に「ここが正念場」と担当編集者から言われたそうですが、当時はどのようなお気持ちだったのでしょうか。
A2 必死でした(笑)。文字通りの背水の陣です。起死回生となりました。ありがとうじい様。

Q3 第一作『異邦の影を探しだせ』を書き終えたとき、ご自身なりに手応えのようなものは感じていましたか?
A3 まったくなかったです。が、この話の続きを書きたい、なんとしてでも書きたい、という気持ちはこの上もなく強かったです。一巻を書き上げた時点で既に三巻の御簾越しのシーンが頭にありましたので、とにかく続けたかった。

Q4 〈少年陰陽師〉は累計五十冊を突破し、少女小説でも類を見ない長寿シリーズとなっています。いつ頃から長い物語になると予感されましたか?
A4 具体的な巻数は考えていませんでしたが、最後までの全体の構想ができたのは〈珂神編〉だったと思います。ただ、改めて振り返ると、風音のことや黄泉のあれこれのことは〈風音編〉の頃に既に頭にあったので、それを考えると〈風音編〉の頃にぼんやりで〈珂神編〉の頃にしっかり構築された、のかもしれません。

Q5 十周年を迎えたときと十五周年を迎えた今回では、何か心境に違いがありますか?
A5 あまりないですね。物語が降りてくるのを待ちながらあれこれ考えて、担当にせっつかれて書いて、の繰り返しなので。とか言いつつ、以前のインタビューでまったく違うことを話していたらすみません。
 心境の変化はあまりないですが、生活は変わりました。白い柴犬を飼いました。犬中心の生活になったおかげでほぼ毎日外に出るようになりました。

Q6 十五周年の記念の読者アンケート企画として、〈私の好きな○○編はこれだ!〉が実施されましたが、発表された結果をご覧になった感想はいかがでしょうか?
A6 予想通りだったなというところもあれば驚いたなというところもありました。投票と一緒にコメントも頂けるようになっていたんですけれども、ほぼすべての方がコメントを書いてくださって、しかも規定の文字数が短すぎるという声が多かったと担当から聞きました。上限が二百字だったと思うんですが、二百で足りないの!?と、アンケート結果よりそっちのほうに驚愕したのを覚えています(笑)。

Q7 順位が意外だったパートはありますか?
A7 意外だったのは〈玉依編〉と〈尸櫻編〉です。〈玉依編〉は「心の傷」というテーマがテーマだっただけに展開が重くて暗くて(苦笑)。読者の皆さんからはつらくて読めないという声をかなりの数頂いていたので、最下位に近いんじゃないかと思っていたら五位だった。〈尸櫻編〉は結構最近の章なので、もう少し下かと。

Q8 〈キャラが勝手に動きすぎて大変だった○○編〉〈筆がノリまくった○○編〉など、特に印象深いパートがありましたら、その思い出とともに教えてください。
A8 どれもキャラが勝手に動いて大変なのですが(笑)とりわけ印象深いのは〈尸櫻編〉です。尸櫻の界で何が起こっているのか、櫻に惑わされる登場人物たちが何を取り違えているのか、読者に気づかれないように、けれども違和感があるように、書いている私も時々混乱しそうになりました。

Q9 二〇一七年八月に発表された『訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2017年版)』に、京都府京都市を聖地とする作品として〈少年陰陽師〉が認定されました。一報を知ったときはどんなお気持ちでしたか?
A9 これがねぇ。本当に申し訳ないんですけど、〆切間際で原稿のこと以外を考える余裕がまったくなくて(苦笑)。「はぁ……それはすごい……」と果てしなく他人事でした。
 なんだかものすごく凄いことになっているらしい、という実感がようやく湧いたのは、発表後に読者の方からコメントをたくさん頂いたときで。
 〆切を乗り切ってひととしてまともにものを考えられるようになってから、とても嬉しくありがたく思いました。

Q10 最近〈少年陰陽師〉の聖地に足を運ばれましたか?
A10 インタビューのたびに答えている気がしますが、毎月一度行っています。自分の中で大きなことがあったときは月一といわず二度でも三度でも。

Q11 第十章〈厳霊編〉第三弾となる『少年陰陽師 けがれの汀で恋い慕え』が十月に発売されます。前回の『かつくら』インタビューでは「風呂敷はすべて広げ切ったので、畳む作業を続けていく」とお話しされていました。畳み具合としてはいまのところ順調でしょうか?
A11 作者が「広げ切った」と考えていても、真実広げ切れているかというと、そんなことはなかった、とういうのが今現在の紛うかたなき本音です……。
 最新巻執筆中の〆切間際、色々と行き詰まって頭を抱え、〈こんなあちこちで色々起こりまくって複雑怪奇になってるめんどくさい話を考えたのは誰だ! 私だ! 私のバカ……〉と明け方に担当にメールしたのもいまとなってはきっと良い思い出……たぶん……。

 
このロングインタビューの続きは「かつくら2017年秋号」でお楽しみ下さい。
「かつくら」の最新情報は「かつくら」twitter @katsu_kura)でcheck!


結城 光流

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