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特集

ゴールデンウイークに! 神永学がおすすめするホラー小説&映画5選

取材・文 タカザワケンジ

『心霊探偵八雲』完結!

 人気シリーズ「心霊探偵八雲」の完結編『心霊探偵八雲12 魂の深淵』の文庫版が5月24日に刊行されます。幽霊が見える探偵というユニークな設定は、ミステリにホラーを加えたハイブリッド作品の先駆けです。ホラー映画と小説に多大な影響を受けてきたという神永さんに、おすすめホラー作品を5つ選んでいただきました。



不思議な世界に迷い込む:ジョン・カーペンター監督『マウス・オブ・マッドネス』



 映画学校に通っていたこともあり、1980~90年代のハリウッド映画を見まくっていました。とくにホラー映画は大好きで、それもバッドエンディングの作品を好んで見ていました。
 『マウス・オブ・マッドネス』は、『ハロウィン』や『ゼイリブ』で知られるジョン・カーペンター監督の作品。主人公はサム・ニール演じる保険調査員。行方不明になったホラー作家の居場所を探るため、「ボブの町」という田舎町に行くのですが、そこで奇妙なできごとに巻き込まれていきます。
 映画はオリジナルですが、クトゥルフ神話が下敷きになっています。主人公は冒頭で病院に強制入院させられていて、描かれているのが彼の妄想なのか、現実なのかがわからなくなる。これって一体どういうこと? と言いたくなるような不思議な世界観が魅力の映画です。

スーパーバッドエンドの衝撃:ダン・オバノン監督『バタリアン』



 1980年代は『エルム街の悪夢』『バタリアン』『悪魔のいけにえ2』などが流行っていた時代。当時は年齢制限もなかったので小学生でも堂々と映画館でホラー映画を見ることができました。僕が生まれて初めて映画館で見たのも『バタリアン』。シュワルツェネッガーの『コマンド-』と同時上映だったことを覚えています。
『バタリアン』はゾンビものなんですが、普通のゾンビものと違うのはスーパーバッドエンドなところ。子供にとっては物語といえばハッピーエンドだったので衝撃が大きかったですね。ホラーって子供が考える物語の常識をやぶるんですよ。
 いま思うと80年代から90年代にかけてアメリカのホラー映画は名作が多かったですね。『チャイルド・プレイ』とか『エルム街の悪夢』のように、いまもキャラが愛されていたり、続編やリメイクがつくられたりする作品が多い。いまのホラー映画のベースになったものの多くがこの時代の作品なんです。

ホラーの怖さは「」にあり:ジェームズ・ワン監督『死霊館』



 最近のホラー映画でよかったのがこれ。『ソウ』のジェームズ・ワン監督作品です。
 1960~70年代のアメリカで心霊問題を解決した夫妻が体験した実話だそうなんですが、タイトルの通り、心霊現象が起きる家が舞台になっています。
 『死霊館』が見事なのはの取り方。ホラーで怖いのは「間」なんですよね。暗闇のなかからすっと何かが出てくる。突然パンパンって音がする。タイミングが絶妙なんです。しかも妙な引っ張り方をしないので飽きさせない。テンポを保ちつつ、不意打ち的に怖い描写を突っ込んでくるので、ホラー映画を見慣れている人も満足できるはずです。

これぞ“最恐”のホラー:江戸川乱歩『人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)』(角川ホラー文庫)



 いちばん怖い小説は何か? と問われて真っ先に思い浮かぶのが江戸川乱歩の「人間椅子」。最恐のホラーだと思います。
 女性作家のもとに届いた一通の手紙。その手紙を読むうちに……という有名作品ですが、あの怖さは読まないと伝わらないでしょうね。じわじわと気持ち悪さを感じさせておいてから、ズドンと落とす。震え上がりました。まだ読んでいない方はぜひ読んでほしいです。
 江戸川乱歩のホラー作品はうすら気持ち悪い怖さがあるんですよね。うちに全集があって、時々手にとって虫食いみたいに少しずつ読んでいます。読むたびにぞわっとしています。

作中作が絶妙! ホラー・ミステリ:三津田信三『忌館 ホラー作家の棲む家』(講談社文庫)



 最近のホラー小説で好きなのが三津田信三先生の作品です。読む前からハマるのはわかっていたんですけど、八雲シリーズが完結するまであえて読まずにいました。引っぱられそうだったので。12巻を書き終えてようやく読んで、やっぱりハマりました(笑)。
 どれも好きですが、ここでは最初に読んだ『忌館 ホラー作家の棲む家』を挙げておきます。三津田先生のデビュー作ですね。作家シリーズにはほかに『作者不詳 ミステリ作家の読む本』『百蛇堂 怪談作家の語る話』があり、『百蛇堂』には『蛇棺葬』も関連作品としてつながっていますが、どれも面白い。
 物語の導入部がエッセイのような読みやすさで、するって入って来て、だんだんと怖くなってくる。それに作家が主人公だけあって、作中作が実に効果的です。
 ベースとなる物語と作中作がそれぞれ別のテイストを持っていてどちらも楽しめる。しかも、それが最後にフックとして効いてくる。まさに見事なホラー・ミステリです。

 以上5作品はどれも僕が感銘を受けたホラー作品。自分では意識していませんが、『心霊探偵八雲』の世界とどこか共通点があるかもしれません。ぜひ、その共通点を探してみてください。

「八雲」完結記念スペシャルグッズ企画中!!

文庫全13冊が入る豪華BOXや限定アクリルキーホルダー、SS小冊子など盛りだくさん!
5月下旬に受注開始予定。詳細は、Twitter(@KadokawaBunko)等で随時お知らせしてい
きます。お見逃しなく!

プロフィール

神永学 かみなが・まなぶ
1974年山梨県生まれ。2004年『心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている』でプロデビュー。同作から始まる「心霊探偵八雲」シリーズで人気を博す。他の作品に「怪盗探偵山猫」「確率捜査官 御子柴岳人」「浮雲心霊奇譚」「悪魔と呼ばれた男」などのシリーズ、『コンダクター』『ガラスの城壁』などがある。

神永学オフィシャルサイト(https://kaminagamanabu.com/
小説家 神永学Twitter(@kaminagamanabu

心霊探偵八雲 COMPLETE FILES』(角川文庫)5月24日発売

斉藤壮馬さんによる『心霊探偵八雲12 魂の深淵』朗読動画はこちら!

https://www.youtube.com/watch?v=7HclNGosdqI


『心霊探偵八雲12 魂の深淵』(角川文庫)5月24日発売



心霊探偵八雲12 魂の深淵
著者 神永 学
定価: 990円(本体900円+税)
発売日:2022年05月24日

累計700万部を超える怪物級シリーズ、「心霊探偵八雲」ついに完結!
16年にわたって紡がれた「心霊探偵八雲」シリーズ、遂に完結! 深淵の果てに、八雲が見たものとは――。

八雲の宿敵・七瀬美雪の手によって、昏睡状態に陥ってしまった晴香。
絶望感に苛まれる後藤、石井、真琴だったが、八雲は彼らを置いて姿を消してしまう。
晴香を守り切れず、無力感と後悔の念に襲われる八雲の前に、元凶の七瀬美雪が現れる。
「始まりの場所で待っている」そう告げる彼女を追いながら、八雲は重大な決断を迫られていて……。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000588/
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心霊探偵八雲 COMPLETE FILES』(角川文庫)5月24日発売

18年間続いた物語の終わり――神永 学『心霊探偵八雲』完結記念インタビュー



https://kadobun.jp/feature/interview/bj6egcmdg3wo.html

心霊探偵八雲」シリーズのあらすじ漫画



大人気スピリチュアル・ミステリ 神永学「心霊探偵八雲」シリーズのあらすじを泥川恵がコミカライズ!
https://kadobun.jp/feature/readings/7x39b3xl6zs4.html

完結巻!『心霊探偵八雲12 魂の深淵』試し読み



<『心霊探偵八雲11 魂の代償』文庫発売記念>12巻の文庫化が待ちきれないあなたへ!『心霊探偵八雲12 魂の深淵』試し読みスタート! #1
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