menu
menu

レビュー

【レビュアー:岸田繁】いわゆる“怪談本”のような生易しいものではない『怖い顔の話』

 子供の頃にお化けが怖かったのも、多分「怖い顔」を恐れていたからなのかなぁと思ったりする。幼年時代の私にとってはナマハゲや鬼なんかよりも、とにかく能面が怖かった。のっぺら坊なんていうのも怖かった。
 顔を見て、気持ちがわからない、ということはとても怖いことだ。気持ちがわかると、どんなに怖い顔も怖い顔ではなくなる。そんなことを思った。ただ、気持ちがわかったからといって安心してはいけない。それはなにも顔だけではなくて、身の回りを取り囲むさまざまな現象についても同じことだ。
 それにしても、人の人生は生まれて死にゆくまでの道のり。怖いことの連続である。何がって、わからないことは怖いことだから。著者は、その最果てで、不思議な体験を重ねに重ね、この本には多くのエピソードが記されているという。
 私は恐る恐るこの本を開いて読んだ。それはそれは、怖い話のオンパレードではあったのだが、著者は人肌の温度感と距離感で「怖い顔」たちと向き合う。大人になっても、怖いことだらけだと思った。そして、あとがきに少し救われた。

>>工藤美代子『怖い顔の話』


紹介した書籍

新着コンテンツ

もっとみる

NEWS

もっとみる

PICK UP

MAGAZINES

カドブンノベル

最新号
2020年6月号

5月10日 配信

怪と幽

最新号
Vol.004

4月28日 発売

小説 野性時代

第199号
2020年6月号

5月12日 発売

ランキング

書籍週間ランキング

1

暴虎の牙

著者 柚月裕子

2

「教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには

著者 出口 治明

3

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

著者 加藤 文元

4

濱地健三郎の幽【かくれ】たる事件簿

著者 有栖川 有栖

5

怪と幽 vol.004 2020年5月

著者 京極 夏彦 著者 小野 不由美 著者 有栖川 有栖 著者 恒川 光太郎 著者 近藤 史恵 著者 山白 朝子 著者 荒俣 宏 著者 小松 和彦 著者 諸星 大二郎 著者 高橋 葉介 著者 波津 彬子 著者 押切 蓮介 著者 東 雅夫

6

去年の雪

著者 江國 香織

5/18~ 5/24 紀伊國屋書店調べ

もっとみる

レビューランキング

TOP