困窮した名家のお嬢様・紅秀麗(こうしゅうれい)が高額報酬にひかれてはじめた仕事はダメ国王の教育係!? 雪乃紗衣さんのデビュー15周年を記念して、角川ビーンズ文庫の伝説的シリーズが新装版で角川文庫に登場です。新装版に対しての想いや刊行当時のエピソードなど、雪乃さんにうかがいました。
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――待望の第4巻の発売ですね。
雪乃:待望……と思ってもらえていたら、嬉しいですが。ちょうど私にとって節目の15年ということで、角川文庫での新装版の刊行となりました。10年以上たっていますから、むしろ新顔みたいな顔をして、他の本の中にコソッと混じって、「おや、こんな本が」と思ってもらえたら、いいな、と。……今、この通信で新顔でないのがばれましたけども(笑)。
――15 周年記念として既刊第1~3巻も新装版になりました。新しい絵の印象はいかがですか。
雪乃:新装版でいちばんの目玉です。新しい絵にすることが決まり、弥生しろさんにお願いしました。弥生先生なりの彩雲国の登場人物を描いてくださいと。既存の絵があり、難しいお願いだったにもかかわらず、弥生先生は見事に仕上げてくださいました。本当に感謝しています。由羅カイリ先生の絵も、弥生しろ先生の絵も、どちらも「ああ、彼らだ」と感じることと思います。新装版では、どうぞ色鮮やかな弥生先生の絵を堪能してください。ついでに「本の内容と関係なしにキャラクターのいちばんいい絵を描いてくだされ」とお願いしたのは私。なので文庫の内容と表紙が関係ない気がしたら、原因は作者です。
――ヒロインの紅秀麗は紫劉輝(しりゅうき)の貴妃として入内しますが、その後官吏として活躍していきます。この展開は当初から考えておられたのでしょうか。
雪乃:いえ、最初は恋愛ものを考えていました。けれど、どうにもしっくりこない。それに、秀麗は「後宮でずっとお姫様でいる」のは、「違う」と、当時の私は理由もわからず、それだけは感じていました。秀麗は「働いて、金を稼ぎ、まっとうに自立・自活する」が第一。それこそが秀麗、だったからでしょうね。なので、「王様(金持ち)だから」劉輝に惚れるわけもなかったナア……と、これも今だから思う……。1巻の最後「文に李紅あり」を書いた時の、不思議な、腑に落ちた気持ちは覚えています。秀麗ならきっとここへたどりつく、と。ただ、当時2巻を書くことは考えてなかったので、シリーズ化が決まった時は参ったなと思いました。「秀麗が朝廷の中で官吏として生きる様を、本当に書かないとならなくなった」と。彼女がどんな風に成長し、人と関わり、官吏として道を歩いていくのか、ラストまで手探りで考え続けました。作者の都合でなく、「物語のために」書くということを、初めて私に容赦なくつきつけてきた主役たちでした。
――第4巻の読みどころを教えてください。

書籍

『彩雲国物語 四、想いは遙かなる茶都へ』

雪乃 紗衣

定価 562円(本体520円+税)

発売日:2018年06月15日

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    書籍

    『彩雲国物語 一、はじまりの風は紅く』

    雪乃 紗衣

    定価 562円(本体520円+税)

    発売日:2011年10月25日

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