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今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』応援団 団員募集! 結果発表!

今村夏子さん『父と私の桜尾通り商店街』応援団、団員募集にたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました!
『父と私の桜尾通り商店街』の収録作品のうち、投票数が1番多かった作品を発表します!

応募要項:https://kadobun.jp/news/533/a4668007


団員数第1位は……

「父と私の桜尾通り商店街」!!

【あらすじ】
店を畳む決意をしたパン屋の父と「私」。しかし予想外のことで、店が評判を呼んでしまう。

表題作が見事1位を獲得!
素敵なコメントも多数いただきましたので、一部をご紹介します。

●収録作の「ルルちゃん」「せとのママの誕生日」「モグラハウスの扉」もそうなのだが、表題作も、とてもキュートなのになんだか不安な感じがある。不安定感というか。その不安定感は、主人公たちが、何となく我々が自らに離れがたくあるように感じているものを、ぱっと、鉢植えを植え替えるように移したりくっつけたり移動したりしてしまうような、そういう唐突さ・計り知れなさからくるような気がする。それを深刻な感じではなく、あっけらかんとやってしまうから特にそう感じる。どぎまぎしながら毎回読む。

●「あの人」の出現によって、活力を得て新しい扉を開いていきつつある主人公に比べて、お父さんが可哀想すぎて、せつないです。ラストシーン、まさかそのまま放置されちゃうの!? と心配です。なので、【「あの人」の店でアルバイトを始めたゆうこが 無事退院して津山でおばあちゃんとのんびり隠居生活を送るお父さんにパンを届ける】後日談を勝手に思い描いています。がんばれ、お父さん!

●パン屋の父と娘の私は店じまいの準備中だったがなんかワケありっぽい女性客が訪れて……。なんともやるせなくもユーモラスでせつなくも不気味で、そして、あああこの容赦の無さはいっそ清々しくもあるなあ。

なお、「父と私の桜尾通り商店街」の団員の方のうち、厳正な抽選のうえ、5名様に今村さんセレクトのお礼を差し上げます。

※当選者へのみ、応募時にご入力いただいたメールアドレスあてに、メールで通知します(2019年4月26日頃を予定)。

「白いセーター」

【あらすじ】
フィアンセの姉の子供たちを預かることになった「わたし」。 訪れた教会で起こったトラブルに、追い詰められたわたしは……。

●読み終えたときに、いや、読んでいるそのときどきから、主人公のあまりの無防備さにこころを激しく揺さぶられる短編。けれども、読み終えて、感情の波が収まっていくと、節々に配置された台詞や仕掛けが思い出されてきて、無防備であるがゆえに怖さのある主人公より、さりげない計算によって読者の感情のぶれを誘発する作者に恐れおののくことになる。

「ひょうたんの精」

【あらすじ】
「わたし」がマネージャーを務めるチアリーディングチームのなかで、誰よりも高く飛んだなるみ先輩。先輩にはある秘密があって……。

●なんでこんなヘンテコな話を感動的に仕上げることができるんだ……。チアリーディング部を舞台にした現代的な話かと思いきや、神社や七福神が出てくる想像もつかないストーリー展開。なるみ先輩や丸刈りピンクおばさんはヤバいを通り越して、もはや神々しい。読者の知覚をふわりと広げてくれる物語。多様性に富んだ社会とか言いながら共感ばかりを強要されがちなこの国に生きる上で、一服の清涼剤となりうる作品だと思います。

「せとのママの誕生日」

【あらすじ】
わたしたちは昔、「スナックせと」でママのお手伝いをしていた。ママの誕生日を祝って久しぶりに集まった三人だったが……。

●ママを葬ることで、自分たちの傷ついた過去を弔う「女の子」たち。食べもの一つ一つに込められたエピソードが、ユニーク且つ残酷で、とても痛くて、夢中になって読みました。読み終えたとき「女の子」たちの語りに癒されている自分がいました。強く応援したい印象深い物語です。

桜尾通り商店街の外れでパン屋を営む父と、娘の「私」。うまく立ち回ることができず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい……。(「父と私の桜尾通り商店街」)
全国大会を目指すチアリーディングチームのなかで、誰よりも高く飛んだなるみ先輩。かつてのトップで、いまは見る影もないなるみ先輩にはある秘密があった。(「ひょうたんの精」)
平凡な日常は二転三転して驚きの結末へ。『こちらあみ子』『あひる』『星の子』と、作品を発表するたびに読む者の心をざわめかせ続ける著者の、最新作品集!
https://www.kadokawa.co.jp/product/321708000200/

『父と私の桜尾通り商店街』
著者:今村夏子
価格:本体1,400円+税
判型:四六判上製 単行本


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