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【イベントレポート】映画『ないものねだりの君に光の花束を』完成披露試写!――原 菜乃華×作間龍斗が語る“普通”と“特別”とは

左から、安藤 尋(監督)、向井怜衣、眞島秀和、原 菜乃華、作間龍斗(ACEes)、吉沢 悠、汐見夏衛(原作者)


自分には何もないと思っている少女と、誰もが羨む特別な存在の少年。対照的な二人の出会いを通して、自分自身の価値や他者との向き合い方を描く映画『ないものねだりの君に光の花束を』。10月20日に完成披露試写会が行われ、主演の原菜乃華、作間龍斗(ACEes)をはじめとするキャスト陣と、原作者の汐見夏衛氏が登壇した。

文/宇佐美裕世

普通だと思っていた自分も、誰かにとっては特別な存在

本作の主人公は、自分には個性がないと思い込んでいる高校生・染矢影子(原菜乃華)。一方、同じクラスの鈴木真昼(作間龍斗)は、大人気アイドルグループのメンバーであり、勉強も性格も完璧な誰もが羨む存在だ。別世界の人間だと感じていた影子は、真昼と図書委員を担当することになり、彼が誰にも明かしてこなかった壮絶な過去を知ることになる。作家・汐見夏衛氏による同名小説(角川文庫)を原作とした本作は、二人の出会いを通して、自分らしさや他者との関係を描き出す物語だ。


自分を平凡だと日々思っている影子は、図書委員になり、真昼と出会う


アイドル活動と学生生活を忙しなく行き来する真昼


イベントでは、本作のテーマである“普通”と“特別”について、それぞれが感じたことを語った。影子を演じた原は、まず役柄について「影子は自分のことを普通だと思っていて、コンプレックスを抱いているキャラクターではあるんですけど、いざ人のためとなると、自分が思っている以上の優しさだったり行動力を発揮する」と、影子自身が気づいていない魅力に目を向けた。

さらに、「自分が当たり前にできていることって、当たり前だからこそ、その良さに気づかないと思うんです。自分のことを特別だと思えなくても、誰かにとっての特別な存在になることはできるんじゃないかと感じました」と、作品を通して得た思いを明かす。自分では価値がないと思っている部分も、誰かにとってはかけがえのない魅力になり得る。原の言葉からは、影子という人物が物語の中で見つけていくものが感じられた。


影子を演じる原の言葉から、役への真摯な向き合い方が伝わってきた


真昼を演じた作間は、自身がアイドルとして活動していることと役柄との共通点を挙げつつ、「僕も普通とか特別って何だろうと、撮影中やプロモーション期間に考えることが多くて」と振り返る。「自分次第で普通にもなれるし、特別にもなれる。特別である部分には感謝して、普通である部分は自分の感覚なので守ってみたり。自分の感覚を見直す機会にもなりました」と続けた。特別であることと普通であることは表裏一体であり、どちらか一方に当てはめるのではなく、両方を抱えながら生きていくという考え方は本作が投げかける問いにも重なる。


自身と重なるアイドル役だからこそ、「難しさを感じた」という作間


原作者の汐見氏は、影子と真昼の特別な関係性について触れ、「最初は恋愛小説のつもりで書いていた」と明かしつつ、影子も真昼も自分自身を確立していく時期にあり、悩みや考えるべきことが尽きない人物だったと説明。恋愛だけに向き合える状況ではない二人を描くうちに、物語の方向性も少しずつ変化していったという。登場人物たちの心の動きに寄り添うなかで、恋愛だけでは語りきれない思春期の葛藤や成長も描きだす作品へと広がっていったことが窺えた。


原作者の汐見氏。作品に込めた思いを語る


「ないものねだり」にちなんだトークで、それぞれの憧れが明らかに

イベント後半では、作品のタイトルにちなみ、自分に欲しい能力やステータスを発表する企画も行われた。真昼のマネージャー・長谷川幸次を演じる吉沢が挙げたのは、作間のダンススキル。「もう、カッコよくてね、ステップを踏んでいるところから指の先まできれい」と、劇中で華麗なダンスを披露する作間を絶賛した。

対する原が掲げたのは「運動神経」。「自他ともに認める運動音痴で……役で何かやらなきゃいけないとき、どうしようとヒヤヒヤしています」と打ち明ける。司会者から、真昼のようなダンスをする役も考えられるのではと振られると、原は「ダンスの能力と運動神経は別だと聞いたんですが、どうですか?」と作間に質問。これに対し作間は「僕も球技できないのでめっちゃわかります!」と共感し、会場の笑いを誘った。

一方、作間は「帰国子女」と回答。「1カ月、2カ月(の海外滞在では)では名乗れないと思う。でも、そういう肩書が欲しかったです。生まれながらの……みたいな」と明かし、登壇者の意外な一面も垣間見える、和やかなひとときとなった。

自分には何もないと感じている影子と、周囲から特別な存在として見られる真昼。二人が抱えているものは、外から見える姿だけではわからない。誰かを羨ましく思う気持ちも、自分自身を認められない苦しさも、相手と向き合うことで初めて気づける思いもある。


交流を深める中で、真昼が表舞台のきらびやかさとは裏腹に抱える壮絶な過去や陰の一面を知り、二人は心を通わせていく


「ないものねだりの君に光の花束を」は、正反対に見える二人が、互いの内面を知ることでどのように変わっていくのかが観どころになっている。誰かと比べて自分に足りないものを探すのではなく、自分の中にある魅力に目を向けること――本作は、その大切さを感じさせてくれる物語でもある。映画をきっかけに原作小説を手に取れば、二人が抱える葛藤や成長をさらに深く味わえるはずだ。自分にとっての“普通”や“特別”とは何か。物語を読み終えたとき、そんな問いを自身に投げかけたくなるかもしれない。


花束をバトンのように繋いで、共演者が感謝の言葉を贈り合う一幕も


書籍情報



書名:ないものねだりの君に光の花束を
著者:汐見夏衛
発売日:2023年11月24日

君だけが、本当の私を見てくれた――。心揺さぶる、青春純愛物語。
全てにおいて平凡で自分を〈永遠の脇役〉だと思っている高校生・影子。
同じクラスの真昼は普段は世間を賑わすアイドルで、勉強や性格も完璧な人気者だ。

そこにいるだけで目立つ彼はまさに〈永遠の主人公〉。

生きる世界の違う真昼に引け目を感じ距離をとりたい影子だったが、一緒に図書委員を務めることになったのをきっかけに、誰も知らない彼の陰の一面を知ることになる――。
心揺さぶる結末に涙が止まらない、青春純愛物語。
文庫版限定! アフターストーリー<掌編 尊い愛>を収録。

詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322303000873/

映画情報



映画『ないものねだりの君に光の花束を』
原作:汐見夏衛『ないものねだりの君に光の花束を』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:安藤 尋
出演:原 菜乃華 作間龍斗(ACEes) 向井怜衣 吉沢 悠 戸田菜穂 眞島秀和
配給:ショウゲート

11月20日より全国公開
https://naihanamovie.jp/
©汐見夏衛/KADOKAWA
©2026『ないものねだりの君に光の花束を』製作委員会

STORY
個性がなく《普通》である自分に嫌気が差している高校生・影子(原)。同じクラスの真昼(作間)は人気急上昇のアイドルで、勉強も性格も完璧な誰もが羨む《特別》な存在だった。生きる世界の違う真昼に引け目を感じていた影子だったが、一緒に図書委員を務めることになったのをきっかけに、彼の壮絶な過去を知る。足りないものを補い合うように出会った二人が、互いを受け入れ、絶望を希望に変えていく――それは《恋》よりももっとずっと尊い、二人の物語だった。


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