取材・文:見目容子
顎木あくみの人気原作の映画化が、いよいよ劇場公開!
2019年に小説とコミックが刊行されるやいなや、瞬く間にシリーズ累計発行部数が650万部を突破、今年7月にはテレビアニメ化されることでも話題の顎木あくみの『わたしの幸せな結婚』。明治・大正期を彷彿とさせる架空の世界を舞台に、心を閉ざしたエリート軍人と、家族に虐げられて育った少女の政略結婚から始まる異色のラブストーリーだ。
孤独な二人が少しずつ互いの大切な人になっていく姿が多くの共感を呼んだ本作が、実写映画化。先日ついに公開を迎えた。
公開初日となる3月17日(金)には、TOHOシネマズ日比谷で初日舞台挨拶が行われ、主演を務めたSnow Manの目黒蓮、ヒロイン役の今田美桜、共演するなにわ男子の大西流星、前田旺志郎、髙石あかり、塚原あゆ子監督が登壇した。
目黒蓮は「人一倍、“ありがとう”を周りに伝える方」
初日成績などからの推定興行収入が30億円を目指せるロケットスタートを切った本作。満員の会場で、大きな拍手に包まれ登場した目黒は「こうして直に反応が見ることができる機会は少ないので、拍手をいただけて本当にうれしいです」と感無量。「昨日まではソワソワしていたのですが、キャストとスタッフが長い時間をかけて完成した作品をやっと届けることができて、晴れやかな気持ちです」と喜びを噛み締めた。
目黒にとっては、本作が初の単独主演映画。圧倒的な美貌の持ち主だが、婚約者が幾人も逃げ出すほど冷酷無慈悲と噂される、心を閉ざした名家の当主・久堂清霞を演じている。
公開までのプロモーション期間に目黒は、33のテレビ番組にゲスト出演、35の雑誌で表紙を飾った。この数字に会場がどよめくと、目黒本人も驚き、「こんなに多くのメディアで宣伝させていただいたなんて、本当にありがたいです。今後の人生で、こんなにテレビに出ることってあるのかな」と謙遜。会場の笑いを誘った。
目黒とともに多くのプロモーションに参加した今田は、「目黒さんは、撮影現場でも宣伝でも、どんな瞬間でも、とにかくまっすぐな方でした。そんな姿に私も助けられ、いつも引っ張っていただきました」と座長の仕事ぶりに感謝。「人一倍、“ありがとう”を周りに伝える方で感激していました」と撮影を振り返った。
今田が演じたのは、名家に生まれながらも、家族に虐げられてきたヒロイン・斎森美世。影を抱えたキャラクターゆえに「お話をいただいたときは、私に演じきれるのかな、と不安がありました」と悩んだそうだが、「作品に入ってからは皆さんに助けていただき、斎森美世が完成しました」と万感の思いで語った。
目黒と大西の相思相愛なやりとりにほっこり
清霞が仕える帝室の皇子・堯人役で、目黒にとっては事務所の後輩にあたる大西は、「撮影のときもそうでしたが、いろんな番組や雑誌をチェックさせていただいて、作品を広めてくださる姿が誇らしくて頼もしかった。さすがです」と尊敬の眼差しで見つめ、目黒は「大西くんは笑顔が可愛いですね」と終始目を細めていた。
目黒が「一緒にテレビ番組に出ていても、ついうれしくなって手を振ってしまう」と明かすと大西は、「なにわ男子には、めめ(目黒)ファンが多いので、この映画を楽しみにしているメンバーも多いんです。手を振ってもらうと、他のメンバーにマウントがとれます(笑)」とニヤリ。劇中で幼馴染を演じた二人の相思相愛なやりとりに、会場のファンも沸いていた。
清霞と美世の諦めない心を届けたい
本作の演出を務めた塚原監督は、目黒について「清霞という孤独な人間が、美世という他者を意識していくことで、影響し合って変わっていくさまを丁寧に描きたいと思っていました。目黒さんはそれを咀嚼したうえで、本人が持っている個性もちゃんと出していて、素敵でした」と絶賛した。
その塚原監督に様々なことを教えられたという目黒は、本作を「自分が、どういう方向を見て頑張っていくべきかが分かった大きな作品です」と位置付けた。「清霞と美世には、現代ではぶつからないような壁がたくさんあります。それを乗り越えようとする姿や、諦めない心が、皆さんに届けばいいなと思っています。ぜひ、劇場でご覧ください!」と、作品への溢れる情熱をアピールし、舞台挨拶は幕を閉じた。
映画公開情報
『わたしの幸せな結婚』
監督:塚原あゆ子
脚本:菅野友恵
原作:顎木あくみ「わたしの幸せな結婚」(富士見L文庫/KADOKAWA)
出演:目黒 蓮(Snow Man) 今田美桜
渡邊圭祐 大西流星(なにわ男子) 前田旺志郎 髙石あかり
火野正平 石橋蓮司
配給:東宝
全国東宝系にて公開中
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ⓒ2023 映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会
原作情報
『わたしの幸せな結婚』
著者:顎木あくみ
定価:682円(本体620円+税)
既刊6巻
誰からも見向きもされず、孤独だった主人公・美世が幸せになっていく、政略結婚から始まる和風シンデレラストーリー。奥手な二人の恋が進展していく模様や、心を閉ざしていた美世が清霞たちとの関わりによって自分を取り戻していく様には胸が熱くなること間違いなし。原作小説で、清霞と美世が辿り着く場所を見届けて欲しい。
原作特設サイト
https://lbunko.kadokawa.co.jp/special/watashino/