第15回 小説 野性時代 新人賞の新しい選考委員として、道尾秀介氏が参加されます。第14回までの選考委員の冲方 丁氏、辻村深月氏、森見登美彦氏(五十音順)に道尾氏を加えて、合計4名での選考体制となります。
新選考委員の道尾秀介氏より、これから応募しようとしている方々に向けてコメントをいただきました。
道尾秀介氏 コメント
かつて剣術の達人が「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と書きましたが、小説新人賞において「負け」の理由となるものには、大きく二つあるように思います。一つは、客観的な視点の欠如(小説は他人が読むためのものです)。もう一つは、題材や展開が小説向きでないこと(もし自分が無限のお金と、あらゆるツテを持っていたとしても、その物語を小説で表現していたかどうかを考えてください)。その二点を押さえるだけで、作品の質はぐっと上がります。
道尾秀介氏 プロフィール
1975年、東京都出身。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、作家としてデビュー。2007年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、2009年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。2010年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞する。2011年『月と蟹』で直木賞を受賞。主な著書に『貘の檻』『満月の泥枕』『風神の手』『スケルトン・キー』『いけない』『カエルの小指』『雷神』『N』などの作品がある。
小説 野性時代 新人賞について
これまでにない新ジャンルを築きあげるエンターテインメント作品を広く募集する〈小説 野性時代 新人賞〉。第11回募集時に〈野性時代フロンティア文学賞〉から改称し、新たなスタートを切りました。本誌は1974年に創刊された伝統を踏まえ、文芸誌としての役割を果たすべく、才能の掘に努めて参ります。読む者の心を揺さぶる、将来性豊かな、希代のストーリーテラーの登場を期待しています!
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