下町育ちのまっしぐら検事・凜々子が恋に仕事に奮闘する、元気がもらえるお仕事小説『正義のセ』が、吉高由里子さん主演のドラマとなって4月からスタートします。『聞く力』の応用編とも言える本作がどのように誕生したのか、単行本刊行時のインタビューを特別掲載!
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──なんと全三分冊! これまでにない大長編作が生まれましたね。

阿川:ここまでの分量になっていたとは、「野性時代」での連載が終わるまで、自分でもよくわかっていなかったんです(笑)。さぁ、単行本化、という段になり、〝一冊にすると、こぉんな凄まじい厚さになりますよ〟と言われ、もう仰天! 新たな登場人物が生まれると、つい面白い人間にしたがるという私のクセのせいもあるんでしょうけど、検事が主人公だったので、取材したことや、状況説明の要素も多く、いつのまにか膨らんじゃったんですよね。

──主人公の凜々子は新米検事。検事という設定にしたのは?

阿川:これまでの自分の小説とは違うものを書いてみたかったんです。とは言うものの、〝お前は書きたいものがあるか? 得意なものがあるか?〟と問われても、なーんにもなくて。時代物や評伝が書けるわけでもないし、ドロドロの恋愛ものと言ったって、そんな経験もない。だからこれまでは自分や身の周りの経験に基づいた女性モラトリアム系の物語を、設定を変えつつ書いてきたのですが、たまたまゴルフで仲良くなった女性検事がおりまして。これがほんとに検事なのかっていうくらい、ファッショナブルで、美人で社交的で。さらにお酒は強いし、気も強い。〝今、抱えている事件、周りアホばっかりで頭に来る!〟とか平気で言っちゃうわけ。そもそも司法試験に受かって検事になるってことだけで頭がいいと思うじゃない? でもね、『聞く力』を送ったら、〝面白かった〜! ところで、この〝うでしろ〟少年って誰なの?〟って。

──〝腕白〟少年のことですね。

阿川:頭がいいのか、悪いのか(笑)。この漢字の〝読めなさ〟に象徴される、実際の公判中に起きた彼女のエピソードは2巻で書いちゃいましたけどね。で、検事の仕事について、よくよく話を聞いていくうちに、責任感のあり方とか、取り調べの時にペアを組む事務官との信頼関係をどうやってつくるかとか、知られざる人間ドラマがいっぱいある。面白いなあと思って。で、新米からだんだんと成長していく検事のドラマを書いてみたいなと思ったんです。

──物語の入り口は、凜々子の小学生時代に遡り、実家である豆腐屋の朝の仕込みの風景から始まります。

書籍

『正義のセ ユウズウキカンチンで何が悪い!』

阿川 佐和子

定価 648円(本体600円+税)

発売日:2016年08月25日

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    書籍

    『正義のセ 2 史上最低の三十歳!』

    阿川 佐和子

    定価 648円(本体600円+税)

    発売日:2017年01月25日

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      書籍

      『正義のセ 3 名誉挽回の大勝負!』

      阿川 佐和子

      定価 691円(本体640円+税)

      発売日:2017年04月25日

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        書籍

        『正義のセ 4 負けっぱなしで終わるもんか!』

        阿川 佐和子

        定価 821円(本体760円+税)

        発売日:2017年09月23日

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          書籍

          「本の旅人」2013年3月号

          角川書店編集部

          定価 100円(本体93円+税)

          発売日:2013年02月27日

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