WEB小説は、いまや書籍化・映像化されるヒット作を次々と生み出す一大ジャンルへと進化しています。
そんな中でも、Web小説サイト「カクヨム」では、ライトノベルやファンタジーの枠を超え、本好きの心を揺さぶる“読み応えのある名作”が数多く生まれています。
今回はカクヨム編集部が、「WEB小説はここまで来た」と思わず驚く物語の完成度・テーマの深み・筆致の巧みさを兼ね備えた5作品を厳選し、ご紹介します。
カクヨム
「カクヨム」は物語を愛する全ての人たちへ、誰でも自由なスタイルで物語を書ける、読める、お気に入りの物語を他の人に伝えられる、Web小説サイトです。大賞受賞者が書籍化の権利を手にできる「カクヨムコンテスト」をはじめとした数々のコンテストの実施や、KADOKAWA内外の人気作品について二次創作の投稿を認めるなど、様々な形での創作活動を支援しています。
カクヨムが紹介する本好きを唸らせる5選
1、Re:Re:Re:Re:ホラー小説のプロット案
「読むと呪われ、取り憑かれる」というコピーが決して大げさではない、八方鈴斗さん執筆の本格ホラー小説です。
ホラージャンルが注目を集めている今、この作品は“WEB小説のホラー”がどこまで進化したかを示す象徴的な一作。
カクヨムで実施した「第9回カクヨムWeb小説コンテスト」のホラー部門大賞受賞作であり、2024年に刊行されました。“カクヨム発ホラー”の本気が詰まった作品です。
読むと呪われ取り憑かれる。だってこれは「本物の怪異」なのです――。
次回作を出せず苦戦している小説家の「私」は、ネタ探しのためにSNSや過去のニュース記事を探るうちに、ある奇妙な共通点に気づく。それは、何かしらの不幸に陥った人々が、示し合わせたわけでもないのに、顔に関連する不可解な言動をしている……「顔の怪異」に遭遇していることだった。このアイデアならば凄まじい作品を生み出せる。そんな衝動に駆られた「私」は担当編集者に連絡するも、それが出版社に伝わる「禁忌題目」というタブーに触れていると断られてしまう。どうしても諦めきれない「私」だったが、やがて大きな恐怖に巻き込まれていく……。
▼カクヨムで読む
https://kakuyomu.jp/works/16817330661255935630
▼書籍版の詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルサイト)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322407001127/
2、横浜駅SF
「改築工事を繰り返す<横浜駅>が自己増殖して日本を覆い尽くした未来」という斬新な発想で注目を集めた本作(著:柞刈湯葉)は、記念すべき「第1回カクヨムWeb小説コンテスト」SF部門の大賞を受賞。発表当時からSNS上やニュースサイトで頻繁に取り上げられるなど、カクヨム内に留まらずインターネット上で多くの注目を浴びていました。
また、2016年に書籍が発売されると、続々と重版となったほか、『このライトノベルがすごい!2018』では、「単行本・ノベルズ部門」新作ランキング第1位を獲得。“カクヨム発SF”の代名詞ともいえる作品となりました。
“駅”という身近な存在を壮大なスケールで描ききった柞刈湯葉さんの発想力と構成力、そして軽妙な筆致が織りなす物語は、SFファンのみならず多くの読者を虜にしています。
この「18きっぷ」で、人類を<横浜駅>の支配から解放してほしい。
改築工事を繰り返す<横浜駅>が、ついに自己増殖を開始。それから数百年――JR北日本・JR福岡2社が独自技術で防衛戦を続けるものの、日本は本州の99%が横浜駅化した。 脳に埋め込まれたSuikaで人間が管理されるエキナカ社会。その外側で暮らす非Suika住民のヒロトは、駅への反逆で追放された男から『18きっぷ』と、ある使命を託された。 はたして、横浜駅には何があるのか。人類の未来を懸けた、横浜駅構内5日間400キロの旅がはじまる――。
▼カクヨムで読む
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154905871
▼書籍版の詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルサイト)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321609000488/
3、対怪異アンドロイド開発研究室
「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」ホラー部門特別賞を受賞した、饗庭淵さん執筆の「対怪異アンドロイド開発研究室」は、恐怖を感知しないアンドロイドが予測不能な「怪異」に挑む、新感覚ホラー・エンターテインメントです。
2023年に第一作が発売されると、第七回細谷正充賞を受賞、「このホラーがすごい!2024年版」で国内編第11位にランクインするなど、ホラーとSFを横断する作品として高く評価されました。
カクヨム発ホラーの中でもテクノロジーと怪異を融合させた本作は、ホラージャンルの新たな可能性をもたらしてくれます。
恐怖を感知しないアンドロイドが予測不能な「怪異」に挑む、新感覚ホラー!
「おばけは怖くありません。機械ですから」
彼女にはいくつかの優れた機能がある。話題が無限分岐し堆積していく雑談でも自然言語による受け答えができる。ZMPを見極めながら階段や斜面の昇り降りができる。補給なしに六時間以上の連続稼働ができる。ドアノブを掴んで回すことができる。――おばけが見える。
白川研究室は「出る」と言われる場所や噂を調査する対怪異アンドロイド・アリサを開発した。機械の彼女は、呪いも祟りも受け付けない。ゆえに、恐怖心もない――。深夜に山奥の廃村を調査したアリサは、搭載された機能を駆使して、さまざまな異常を検知する。白川教授の研究テーマに興味を惹かれ、初めて研究室を訪問した新島ゆかりが、アリサが持ち帰ったデータを見ると……。
恐怖を感知しない美麗アンドロイドVS.予測不能な「怪異」。第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉特別賞を受賞した新感覚ホラー・エンターテインメント!
▼カクヨムで読む
https://kakuyomu.jp/works/16816927862251037027
▼書籍版の詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルサイト)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322307001261/
4、後宮の検屍女官
第6回角川文庫キャラクター小説大賞では「大賞」と「読者賞」のダブル受賞を果たした「後宮の検屍女官」。
小野はるかさん執筆の本作は、中華後宮という舞台と、検屍術による緻密な謎解きを融合させた斬新な設定で、骨太なミステリーとしても楽しめます。
2021年の第一作発売以降、翌年2022年にはコミカライズ化もされ、シリーズ累計発行部数は56万部を突破しています。後宮にうずまく疑惑と謎を検屍術で解き明かすストーリーは、読者を一気に引き込み、ページをめくる手が止まらなくなる魅力に満ちています。
後宮にうずまく疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!
「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。
謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。
皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。
花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。
多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。
そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ――。
後宮にうずまく数々の疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!
▼カクヨムで読む
https://kakuyomu.jp/works/16816927862419213145
▼書籍版の詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルサイト)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000507/
5、異修羅
作者・珪素さんの圧倒的な描写と構成力で読者を魅了し続ける、カクヨム発異世界バトルファンタジーの金字塔です。
2019年の書籍化を皮切りに、「このライトノベルがすごい!2021」単行本・ノベルズ部門では、史上最高の獲得票数で「新作・総合ランキング1位」を獲得しました。
さらに、2024年・2025年と二期連続でアニメ化され、その名を轟かせました。
「異修羅」の圧倒的スケール感を、ぜひ体感してください。
全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。本物を決める闘争が今、始まる。
魔王が殺された後の世界。
そこには魔王さえも殺しうる修羅達が残った。
一目で相手の殺し方を見出す異世界の剣豪、音すら置き去りにする神速の槍兵、
伝説の武器を三本の腕で同時に扱う鳥竜の冒険者、一言で全てを実現する全能の詞術士、
不可知でありながら即死を司る天使の暗殺者……
ありとあらゆる種族、能力の頂点を極めた修羅達はさらなる強敵を、“本物の勇者”という栄光を求め、新たな闘争の火種を生み出す。
全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。“本物”を決める激闘が今、幕を開ける――。
▼カクヨムで読む
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882641261
▼書籍版の詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルサイト)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321902000139/
どの作品も、WEB小説という枠を超えた名作ばかり。ページをめくるたびに広がる世界と、紡がれる言葉の力を、ぜひ「カクヨム」で体感してください。





