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特集

ドラマ「ノーサイド・ゲーム」でも話題、廣瀬俊朗『ラグビー知的観戦のすすめ』刊行記念トークイベント

 角川新書の最新刊『ラグビー知的観戦のすすめ』の刊行を記念して、15日、角川本社ビルで、元ラグビー日本代表キャプテン・廣瀬俊朗さんのトークイベントが行なわれた。
 廣瀬さんは、日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」浜畑譲役で俳優に初挑戦。高校、大学、社会人、そして日本代表と各カテゴリーでキャプテンを務めてきた経験を活かして熱演し、好評を博した。
 折から15日は「ノーサイド・ゲーム」最終回の放送日ということもあって、来場者のなかには、これまでラグビーを見たことがなく、ドラマで廣瀬さんを知ってイベントに参加した方も。廣瀬さんは思わず「嬉しいですね!」と感激。30分という短い時間だったが、絶妙なトークに笑い声も絶えず、イベントの最後にはフォトセッションも行なった。
 廣瀬さんのトークの主な内容を紹介する。
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『ラグビー知的観戦のすすめ』執筆に至った動機

 4年前のラグビーW杯の南アフリカ戦を見て、「ラグビーって凄い」と思った方は多かったと思いますが、その根底にあるラグビーの価値や、試合後に両チームの選手が握手することも含めた精神的な交流といった部分は、試合を見ているだけでは伝わりにくいという思いがありました。だから、今回の本で、そうしたラグビーの根底にある部分をお伝えしたかった。
 あのときの日本代表にはスタッフも含めて9カ国の人たちが集まり、ジャパンの勝利を目指していたのですが、こういうチームのあり方が、これから日本が進むべき方向を照らしているのではないか、という思いもあります。さまざまな体格の異なる才能を持った人間が15人集まってプレーするラグビーには、社会の縮図みたいなところがありますからね。
 同時に、ラグビーにはさまざまな価値があって、そうした本質をちゃんと知っていただきたいのですが、そんな価値も、読む人に合わせてさまざまな角度から伝えられればいいな、という思いがあります。今回、ラグビーの「核(コア)」を「多面体」と表現したのは、そのためです。
 タイトルに「知的」という言葉を使った背景には、ラグビーの、もう少し深いところを伝えたいという僕の思いを込めました。それが、僕らしさが出る部分でもあると思ったからです。
 ですから、ルールの背景についても、ノックオンやスローフォワードがダメなことはわかっているけれども、なぜダメなのかという辺りまで掘り下げました。それから、ラグビーには「コンテスト」という文化があって、ボールの争奪を楽しむことに大きな意味を置いている。そういうところも、知ってもらいたいという思いがありました。
 ラグビーは、この競技を好きな人間の結束力は強いのですが、それが時として、ラグビーの外側にいる人間に、ハードルが高く見えてしまうことがある。外に対して開かれていないように見られるのです。
 そんな内向きのイメージを壊すことも、この本でやりたかった。
 ポジションの特性をキャラクターで説明したり、今、僕が携っている「スクラムユニゾン(W杯参加チームの国歌やアンセムをみんなで歌うプロジェクト)」の活動の紹介もしましたが、それは、ラグビーと、何か別なものを掛け合わせることによって、多くの人にラグビーを知ってもらいたいからです。たとえば、スクラムユニゾンを通じて、歌が好きな人にラグビーを知ってもらう……というように。
 僕がドラマに出たのも、そうした相乗効果を生む一環になればいいと考えたからです。



「ノーサイド・ゲーム」について

 本当にドラマの影響力って凄いですね。
 実際、今日も、これまでラグビーに全然興味がなかった方がお越しになっているわけですから。
 僕は、約30年間ずっとラグビーをやってきましたが、ドラマは、第1話が終わって2日後くらいから、今まで全然ラグビーに興味のなかった人がドラマの話をしているのも耳にしました。僕自身、街で声をかけられる回数が増えましたが、役名の「浜畑!」って呼ばれるんですよ。これから2、3か月は、コッソリ生きていかないといけないかもしれません(笑)。
 この日曜劇場という枠には、月曜日からの生活が元気良く送れるようにということと、ラグビーの価値をアピールしてW杯を盛り上げようということ、2つの思いが込められています。
 監督の福澤克雄さんも、慶應義塾大学のラグビー部OBですし。
 福澤さんが、素人の僕を、あれだけセリフのある役で、よくここまで使ったと思います。本当に勇気のあることだった。一回台本の読み合わせをして、その瞬間に「行ける!」と言われましたが、周りはみなさんプロの役者さんだし、僕だけ素人ですから「おいおい」という感じでした。
 でも、まあ、何とかなりました。良かったです。



W杯について

 ジャパンは、前回より絶対に強くなっていると思います。2015年のチームが築いた文化の上に、スーパーラグビーで経験を積んで、気持ちの上で海外の強豪と対等に戦えるようになったのが大きいですね。今回はベスト8に行ってほしいし、行く力は十分にあります。
 僕は、NHKで五郎丸歩さんの横で、開幕戦と決勝戦の解説をする予定ですが、決勝戦は、日本対イングランドの試合が見たいですね。日本と対戦するのが、僕たちのときのヘッドコーチだったエディー・ジョーンズさん率いるイングランド――こうなったら面白い。エディーさんは尊敬している監督だし、イングランドの調子もいいから、そうなるといいなと思っています。
 ほかに優勝候補を挙げれば、南アフリカが好調です。ニュージーランドはちょっと調子を落としているみたいですが、本番では力を見せるのではないかと思っています。
 それから、フランスが面白いですね。僕はワインが好きなので、フランスを応援しています(笑)。W杯には、ほかにもイタリア、アルゼンチン、ニュージーランド、南アフリカと、ワインの美味しい国が参加しているし、ジョージアもワインが美味しい。
 W杯は、何かこういう「ラグビー+何か」のきっかけから、好きなチームを見つけて見れば面白いと思います。



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 いよいよ9月20日から始まるラグビーワールドカップ2019日本大会。
『ラグビー知的観戦のすすめ』をガイドに、一歩深くラグビーの文化に触れ、観戦を楽しんでいただければ幸いだ。

(文/永田洋光)

書籍詳細



【発売】2019年9月7日(土)※電子書籍同日配信
【定価】本体 840円 +税
【頁数】240 頁
【ISBN】978-4-04-082319-5
【レーベル】角川新書
【発行】株式会社 KADOKAWA
【書誌ページ】https://www.kadokawa.co.jp/product/321904000022/

著者プロフィール

廣瀬 俊朗(ひろせ としあき)
1981年、大阪府生まれ。ラグビーワールドカップ2019公式アンバサダー。スクラムユニゾン発起人。5歳のときにラグビーを始め、北野高校、慶應義塾大学を経て、2004年に東芝入社。1999年度、U19日本代表、高校日本代表、2007年より日本代表。2012年から2013年まで日本代表のキャプテンを務める。2015年W杯では日本代表史上初の同大会3勝に貢献。通算キャップ28。ポジションはスタンドオフ、ウイング。

目次

はじめに
第1章 ラグビーをやっているのは、こんな人たちだ
第2章 ラグビーはこう見ると、よくわかる!
第3章 「世紀の祭典」ワールドカップと、世界ラグビーの勢力図
第4章 僕がラグビーを大好きな理由
付録 アンセムを歌おう! 歌詞カード


紹介した書籍

カドブンノベル

最新号 2019年12月号

11月10日 配信

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