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特集

脱線上等! 予測不能? 夢眠ねむが、ほかでは読めない作家の素顔にグイグイ迫る! 乾ルカ『明日の僕に風が吹く』刊行記念スペシャルインタビュー

撮影:橋本龍二 インタビュアー:夢眠ねむ 構成:高倉優子 

乾ルカさん

初めて成功体験を与えてくれたのが小説だった

夢眠:初めまして、夢眠ねむです! 初めてのインタビューで少し緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いします。

乾:こちらこそよろしくお願いします。私、かわいい子が大好きなので嬉しいです。ワンピースも素敵ですね。

夢眠:たくさん付いているこのモチーフ、じつは死んだねずみなんです(笑)。乾さん、ねずみは平気ですか?

乾:ちょっと苦手かも(笑)。小5の時、実家の庭に巨大なねずみの死がいが横たわっていたことがあったんです。当時の私は「獣医になる」という夢があったんですが、母から「獣医になりたいのならこのくらい処分できなきゃ」と言われて、泣く泣く割り箸で持ち上げて捨てたことがあって……。それがトラウマとなり、獣医の夢はあきらめました。

夢眠:そんなことが(笑)! そもそも、なぜ獣医になりたかったんですか?

乾:鳥類図鑑や動物図鑑が好きで全部暗記していたんですよ。「そんなに動物が好きなら、獣医さんになれる」と知り合いに言われて。どんな職業かもわかっていなかったけれど、やってみたいな、と。

夢眠:でもねずみ事件で挫折しちゃったんですもんね(笑)。その後の夢は?

乾:中学生の頃は漫画を見ながら友人とアテレコをするという「声優ごっこ」にハマッていて「声優もいいな」と思ったり、「いつも楽しそうだから芸人さんもいいかも」と思ってみたり……。でもどれも賢い人しかなれない職業だと気付いて、すぐ諦めました。

夢眠:作家にはいつなろうと思ったんですか?

乾:20代です。仕事を探していたある日、朝から書店に出かけ、新刊を買って読んでいたら、母から「ハローワークに行ってきたんじゃないの? そんなに本が好きなら小説の一本でも書いてみなさいよ!」と叱られて(笑)。それなら書いてみようかな、と新人賞に応募するようになったんです。

夢眠:それで本当に書けちゃうのがすごいですね。夢にはいろいろな目指し方があるけど、「自分にはやっぱりこれしかない!」という消去法が一番いいと思っていて。乾さんの場合、まさに「消去法の夢」だったんですね。

乾:どなたの言葉かは忘れてしまいましたが「作家というのはなりたい人ではなく、作家にしかなれない人がなるものだ」といったことをインタビューで見たことがありますけれど、それに近いのかもしれませんね。何の取り柄もない私だけど、生まれて初めて成功体験を与えてくれたのが小説だったので。


寄り添ってきた名前は変えられない

夢眠:ところでお名前はペンネームと聞きました。由来はなんですか?

乾:家に犬がいるから、イヌイルカです。習作時代、投稿作ごとにペンネームを変えていたんですよ。1回落ちたものは縁起が悪いので、どんどん変な名前になっていき……。偶然にも乾ルカというペンネームで応募した作品でデビューすることが決まったんです。チャンスがあれば変えたいと思いながら今に至っています(笑)。

夢眠:私も芸能界を引退後、本名に戻すか迷ったんですけど、やっぱり10年寄り添って好きになった名前だから変えられなかったですねぇ。



乾:眠るのがお好きだから“ねむ”さん?

夢眠:「む」というひらがなが好きで、「あむ」、「いむ」……と組み合わせていったら、「ねむ」が一番ハマったんです。あとメイド喫茶でバイトしていた時、仲間にビジュアル系バンドのファンの子たちがいたんですけど、彼女たちのネーミングセンスって、独特で秀逸なんです。で、そのうちのひとりが「夢眠」という苗字を付けてくれました。

乾:かわいいし、ねむさんの雰囲気にぴったり! ところでメイド喫茶でバイトしていたんですか。わあ、一度行ってみたいなぁ。「おかえりなさいませ、ご主人様」とか言われてみたいです。

夢眠:乾さんだったら「おかえりなさいませ、お嬢様」ですね。雇っちゃえばいいんじゃないですか? 作家はメイドを雇っていい職業ですよ。

乾:いやいや、私にできることはせいぜい、うちのマルチーズを執事代わりにするくらいです(笑)。

夢眠:マルチーズの執事くんもいいですね(笑)。ところで、今も北海道にお住まいなんですよね? 私が住んでいたらずっと食べ歩いているんだろうなぁ。なんでもおいしいですもんね。米と水がいいから吉野家の牛丼も他県よりおいしいと聞きましたが、それ本当ですか?

乾:じつは私、吉野家に行ったことがないんです。

夢眠:ええっ、本当ですか。今度、ごちそうします!

乾:ありがとうございます(笑)。


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