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特集

ヤバい! このコンビ、格好良すぎるし最強すぎる! 期待の作家・敷島シキにインタビュー 『祟られ屋・黒染十字』

取材・文:担当編集者 

角川ホラー文庫より『祟られ屋・黒染十字 その呪い、引き受けます』を上梓した期待の作家・敷島シキさん。作品に惚れ込みすぎている担当編集者が、敷島さんに突撃インタビューしてきました!


敷島:今日は宜しくお願いします。


――今日は創作秘話や普段読まれている本の話など、色々深掘りできればと思っております! 宜しくお願いします。早速ですが、敷島さんが小説を書こうと思ったきっかけは何ですか?


敷島:面白い本を沢山読むうちに、自分でも書きたくなって……でも書けるはずがない、10ページも書けずに挫折するだろう、と思っていたのですが、書き始めてみるといつの間にか何百ページも書いていて……文章を書く楽しさにハマりました。


――なるほど。読んでいたのはやっぱりホラー小説ですか?


敷島:ホラーだけじゃなくて、色々です。本屋さんで推されてるのとか、表紙を見てビビッときたやつとか。でも、一番多いのはミステリーかも。結構怖がりなので、ホラー小説を読むと、本当にヤバいんです。夜とか、家の中を移動するのが怖くなります。いえ、座っているだけでも、後ろに何かいるような気になって怖いです。


――それなのにホラーを書こうと思ったのはなかなかチャレンジングですね(笑)


敷島:たまたま編集の方にプロットを見て頂けることになって……「面白いプロットなら大歓迎」とプレッシャーをかけられて、ビビリながらプロットを書きました(笑)

唯一の問題点は、その編集者の方が角川ホラー文庫担当だったという……。


――(笑)


敷島:最初は無理だーって思ったんですけど(笑)怖がりってことは、怖さに対する感性が鋭いのかな? って良い方向に解釈をしてみたら、急に原稿が書けるようになりました。


――なるほど。それじゃ、自分で怖さに震えながら書いたという感じですかね……。


敷島:あ、でも、とにかく怖い最恐ホラーを目指したわけじゃなくて……カッコよくて、ちょっとヒーローっぽくて、アクの強い主人公が活躍する話にしたかったんです。だから怖さはほどほどで、丁度良い塩梅になっていると思ってます……トラウマ級の怖さではないです。


――確かに、怖いシーンはしっかり怖いんですが、キャラクターの面白さや会話のテンポの良さで程よく怖さが中和されているような……。特に黒染が出て来てからは、きっと黒染が解決してくれるはず、という安心感もありますしね。


敷島:そうなんです! でも、人死にますけどね……。


――それは仕方ないですね(笑)。でも祟りが人を呪い殺すだけじゃなくて、バディが祟りの謎を追ってゆくミステリーとしての要素が面白くて、原稿を読みながらついつい引き込まれました。誰が読んでも楽しめる作品になっているなぁと思います!


敷島:ありがとうございます。もちろんホラーなので、じわじわ来る怖さや、得体の知れないものに対する恐怖とか、自分の身にも起こり得るような不安といった表現は大事にしました。けれど、何より主人公の二人を好きになって欲しいという思いが強かったような気がします。


――確かに、この作品は何といってもキャラの印象が強いですね。祟りを祓う道具をプチプラ素材でDIYとか、古今東西の呪術をあれこれ乱用(?)するとか。


敷島:キャラはかなり作り込みました。もう自然と目の前に浮かんで、勝手に喋るくらいにイメージしてます。特に黒染と白崎の会話は、延々と書き続けられそうな気がします。実際、最初の原稿では会話シーンが長すぎて……だいぶ削りました。


――削るのにだいぶ苦労されていた印象があります(笑)白崎の職業がカウンセラーなのも凄くいいですね。白崎の職業は黒染の「祟られ屋」と対照的ですけれど、何だか通じるものがありますし。


敷島:二人が全然違う方向を向いた仕事をしていて、でも協力し合えるような職業と設定にしたかったんです。お互いが補完し合えるような。


書影

敷島シキ『祟られ屋・黒染十字 その呪い、引き受けます』


――他に執筆中の思い出などはありますか?


敷島:祟られて過激なダイエットをするキャラクターが出てくるのですが、私はダイエットをしたことがなかったので、これを機会に取材がてら一度やってみようと思いまして……結果10㎏ほど体重が減りました。


――10㎏!? それは祟られているのでは(笑)


敷島:いやいや(笑) 結果が数字として表れて、達成感があるからですかね、ダイエットにハマる人がいるのも分かる気がしました。ローカロリーの食べ物とかも初めて知りましたし、痩せると、足のサイズまで小さくなるのには驚きました。結果的に、いい取材になりました。


――作中で黒染と白崎が手掛かりを探してあちこちに移動する「東京ミステリー・ツアー」という章がありますが、あれも相当取材されたんですよね。


敷島:もちろんです。とても楽しかったです! 想定していた黒染と白崎のルートをなぞるように取材しました。蛇塚から東京タワー、蛇窪神社、それと二人が途中で立ち寄った喫茶店にも実際に寄りました。横浜の話とか、アメリカンコーヒーを奢ってもらったのも、取材中に実際にあったことなんですよ。

それと、私の好きな作家さんがたまにお見えになるという秘密情報も手に入れました(笑)


――予想外の成果も得たんですね(笑)それじゃ、作中に出てくる「へびカフェ」も本当にあるんですか……?


敷島:それは原宿にあるお店をモデルにさせて頂きました。作中では書き切れなかったんですが、本当は蛇と触れ合うことが出来るんです。思い切って高めの指名料を払って、白蛇の綺麗な子を指名しちゃいました!


――触れ合う……どんな風にですか?


敷島:膝の上に乗せるんですけど、這い上がって来るんですよ。腕に絡みついて。あと、首に巻いたりして、記念写真撮ったり。


――えー、敷島さんはもともと蛇好きだったんですか?


敷島:超苦手です。


――(笑)じゃあ、取材のためにガマンを?


敷島:はい。でも、取材したおかげで、少し慣れました。蛇によっては、少し可愛く見えるかも……?


――なるほど。そういえば作中でも白崎がそんなことを言っていましたね。


敷島:はい。自分の感じたことを一番拾ってくれているのは白崎かもしれないです。担当さんは、黒染と白崎だとどちらが好きですか?


――うーん……迷いますが、黒染ですかね。どんな祟りも祓う最強の「祟られ屋」なのに、ちょっと子供っぽいところや謎に正義感が強いところもあって憎めないですよね。美形なのに変人というところも個人的にはポイントが高いです!


敷島:そういえば、参考資料として、心の病の本とか、症例を読み続けて、同時に参考にしようとホラー小説とホラー映画を見続けてたんですけど……何ヶ月か続けると、だんだん精神状態がおかしくなってきますね。気持ちがすごく不安定になるというか。いないものがいるような気になったりとか……。


――心配なのですが!(笑)


敷島:でも、書き終わってからは少し離れていたので、大丈夫です。改めてお伺いしたいのですが『祟られ屋・黒染十字』を読んでの感想とか……。


――まず何といっても黒染と白崎のバディが最高ですよね! お互いに自分に無い部分を補完しあっていて、ホームズとワトソンのような安心感があり……。二人のやり取りもくすっと笑えて、最初に原稿を頂いた時から楽しく読んじゃいました。古今東西の神話や怪異についての知識がちりばめられているのも楽しいですね。そして何より、それが祟りや謎と上手くつながっていて、ミステリとしてもめちゃくちゃ面白い! 二人が協力して祟りの元凶に迫っていく過程が二転三転して、ラストが気になって仕方なかったです。正直、一気読みでした。


敷島:あ、ありがとうございます!


――黒染と白崎の過去にはまだまだ謎がありそうなので、これからどうなるか楽しみですね。最後にも登場していた謎の男ダンテとかも絡んでくるのかな、とか。あとは、本格的に「祟られ屋」稼業をスタートした彼らが、次はどんな謎に挑むのか気になりますね。


敷島:そうですね。過去の話はこれから徐々に明らかにしてゆければと思います。早く次の本が書きたくて仕方がないです! 今日はどうもありがとうございました!



敷島シキ『祟られ屋・黒染十字 その呪い、引き受けます』書誌情報
https://www.kadokawa.co.jp/product/322006000122/

敷島シキ ツイッターアカウント @ShikiShikishima


敷島 シキ

東京生まれ、谷根千エリア近辺に在住。散歩や美術館巡りが好き。

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