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特集

『宮廷医の娘』冬馬 倫インタビュー  イラスト/しのとうこ

「面白ければなんでもあり」を掲げる日本最大級の公募新人賞「電撃小説大賞」への応募がきっかけで、この度、『宮廷医の娘』でメディアワークス文庫よりデビューとなった冬馬倫さん。宮廷医の家系に生まれついた少女が、凄腕の闇医者との出会いから真の医療を追い求めて奮闘する本作。その魅力と見どころをインタビューでお届けします!


――刊行おめでとうございます。まずは、どういった物語なのかをお聞かせいただけますでしょうか?


冬馬:ありがとうございます。この物語は、宮廷医の家系に生まれた香蘭という見習い医の少女が、白蓮という凄腕だけどお金に汚い闇医者の弟子になったことで、正反対の信条を持つ白蓮の考え方を理解しながら「命」とはなにかを見つめていくお話です。どんな病も治してしまうと評判になったこの師弟コンビが、やがて後宮の陰謀に巻き込まれていきます。


――中華ファンタジーと医療ドラマの融合ですね。これを書こうと思われたきっかけは?


冬馬:きっかけは、お医者さまへの好奇心からだと思います。たとえ千人の命を救っても、たったひとりの人間を救えなければ、「人殺し」と罵られかねない過酷な職業ですよね。でもそこには、患者さんの数だけドラマがあり、物語がある。想像するだけで執筆意欲が刺激される職業だと感じていました。

それから、常々、時代は違ってもどこか普遍性を持つ、生きたキャラクターを描きたいとも思っていて。こんなお医者さんがいたらいいな、と自分なりの美学や願望を煮詰めていくうちに、口が悪くて金にも汚いけど、熱いものを心に秘めている闇医者・白蓮の人物造形が出来上がりました。見習い医師の香蘭は、まだ発展途上な自分を重ねて、等身大感を大切にして作りました。「命」という重厚なテーマが、白蓮、香蘭だけでなく、彼らに救われた人々のいくつもの人間ドラマを際立たせてくれたように思います。


――執筆にあたり苦労されたことはありますか?


冬馬:中華ファンタジーも医療ドラマも、読むのも観るのも大好きなので、執筆中は楽しんで書いていました。苦労したことを強いてあげるとすれば、中華ファンタジーの世界に、どうやって現代的医療を溶け込ませるか、でしょうか。器具の呼び方ひとつとっても難しいんですよね。そういった細かな点をひとつひとつ、白蓮の能力や設定を作り込むなかで決めていく作業に時間がかかった気もします。


――無事、発売を迎えられてどんなお気持ちですか?


冬馬:最高! です。語彙が少なくなってすみません(笑)。人間、感動すると語彙が少なくなるんだなと実感しました。なにより、大好きなイラストレーターの、しのとうこさんの装画だったことがうれしくて。自分でも大好きなキャラの白蓮と香蘭をこんなに活き活きと再現いただけたことに胸熱で、はじめて本を見たときはしばらく動けませんでしたね。


――ずばり、この作品の見どころは?


冬馬:まずは、しのとうこさんの装画です(笑)。

それから、小説としては、「中華」「医療」という珍しい取り合わせでしょうか。中華ファンタジー的世界を背景に、過酷な状況のもとでも生き抜こうとする人間の生命力を。そして、命の大切さを常に問いかける「医療」をテーマにしたことで、個々の人間ドラマを深く描くことができました。

というと、なんだか堅苦しく思われるかもしれませんが、この物語はなによりキャラクターが主役です。お金に汚いけど医者としての腕はピカイチの白蓮、生真面目で融通が利かないけど正義感に篤い香蘭。この二人の独特の距離感と関係性、そして二人の今後を楽しんでもらえればと。そして、これからも二人のストーリーを、本作を応援していただけるともっと嬉しいです。



冬馬倫宮廷医の娘』詳細はこちら(KADOKAWAオフィシャルページ)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321910000161/


冬馬 倫

「電撃小説大賞」に別名義で応募した原稿が編集の目に留まり、本作でデビュー。

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