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特集

観光名所ではない“京都”の魅力を、和菓子を通して描く。春アニメ『であいもん』ヒロイン役・結木梢インタビュー

文/熊倉久枝

春アニメ『であいもん』ヒロイン役を演じる声優・結木梢さんインタビュー

 京都の風景や繊細な和菓子を柔らかい色彩とタッチで描き、和菓子店に集う人々のドラマを優しく紡ぐ、浅野りん先生のハートフルストーリーコミック『であいもん』。『ヤング・エース』(KADOKAWA)にて連載中の本作がアニメ化され、この4月から好評放送中です。バンドマンになる夢を諦めて実家の和菓子店に戻ってきたなごむと、そこに居候している跡継ぎ候補の小学生・一果いつかが疑似親子として絆を育んでいく本作で、ヒロイン・一果役を演じている結木梢さんにお話を伺いました。



実際の子どもたちから学んだリアル


――本作は、10年ぶりに実家の和菓子店に戻ってきた大らかな青年・和と、複雑な事情を抱える少女・一果を中心とした物語です。結木さんは一果の魅力をどんなところに感じていますか?

「一果ちゃんは背景にいろいろ抱えているので、まわりの10歳の子よりは大人びた考え方を持っていますし、自分やまわりのこともよく見ている女の子だと思います。将来のことも含め、10歳とは思えないくらい多くのことを考えて生きている女の子ですが、その中でもたまに見せてくれる10歳らしさ、子どもらしさがあるんですよね。そのギャップには思わず『かわいい!』となるので、そこが一番の魅力だと思います」




――一果を演じるにあたって、何か役作りなどはされましたか?

「まずオーディションの段階で、『お芝居のリアルさを追求するので、自然な子どもらしさで演じてください』というオーダーがあったんです。私はもう大人なので『実際の子どもってどんな感じだろう?』と考えて、近所の公園や小学校をさりげなく見に行ったりして、子どもたちを観察してみました」


――実際の子どもたちをご覧になって、発見したことはありましたか?

「大人になってしまうと、子どもたちのことを“子ども”と一括りにして見てしまうところがあると思うんですが、実際には私が思っているよりも大人びた子もいたり、小さいけど声が割と低い子もいたり、いろいろな子がいるんですよね。現実に生きている子どもたちの姿を観察して、見たものをそのまま活かすというわけではありませんが、声を作りすぎないとか、子どもでも色々考えていたりするとか、そういうところを学んだ気がします」




わからないことだらけだったアフレコ現場


――アフレコで印象に残っているエピソードを教えてください。

「私は、これが初めてオーディションに受かったアニメ作品で、毎週現場に入らせていただくのが初めてだったんです。最初はガチガチに緊張していたのですが、和役の島﨑さんが声を掛けてくださって、少し緊張がほぐれた状態でアフレコに入ることができました。それから、わからないことだらけの私に、ミキサー(音響・録音)の方がマイクの詳しい説明や使い方のコツなどを丁寧に教えてくださって、とても勉強になった現場でした」


――ご自分と一果の共通点はどこだと思いますか?

「これが、ほとんど真逆で。自分が小学5年生の頃を思い返してみると、いろいろ考えて背負っている一果ちゃんに比べて、私は本能のままに生きていたと言いますか(笑)。学校に行ってワイワイすごして、放課後は公園で遊んで、家に帰ったら好きなことをして、寝る!という毎日でした(笑)」




――とっても健康的な小学生の生活だと思います(笑)。本作は、舞台である京都の美しい四季が描かれるのも、見どころのひとつですね。その辺りについて、事前に調べたことなどはありますか?

「調べてわかることよりも、その土地の雰囲気や人の感じを知りたいなと思って、出演が決まってから京都まで行ってみたことがあります。京都旅行をしたことはありましたが、今までの旅では観光名所や歴史あるお寺などを回ることがメインだったんです。でも今回は人や街の雰囲気を知りたいと思っていたので、あえて普通の街並みを歩いてみたりしました」


――確かに京都旅行というと、つい観光名所を回る旅になりがちです。

「そうですよね。そうして街を歩いてみて感じたのが、京都の方々の優しさです。本当に優しくて、道に迷っていたら声を掛けてくださるし、お店でもとても丁寧に接してくださるし。“歴史ある日本の古都”というイメージでしたが、こんなに温かくて情に厚い街だったんだ!と、新たな発見ができました。優しくて温かい登場人物ばかりの『であいもん』そのままの街だと思いましたね」


――逆に言うと、本作には京都のそういった魅力がそのまま描かれているということですね。

「はい! 本当に優しい気持ちになれる素敵な作品ですし、私たちや制作陣の皆さんの愛情がいたるところに散りばめられた仕上がりになっていますので、ぜひ観ていただければと思います」



プロフィール



結木 梢  ゆうき・こずえ
5月26日生まれ、神奈川県出身。これまでの主な出演作に、アニメ『レゴフレンズ』リズ役、『魔法科高校の優等生』平河小春役、ゲーム『ぷよぷよ!!クエスト』ディーナ役、フィンレイ役、『モンスターストライク』デイモス役など。

原作情報

原作コミックス『であいもん』角川コミックス・エース
著:浅野りん 発行:株式会社KADOKAWA
1~13巻 好評発売中!
『ヤングエース』にて好評連載中

作品情報

TVアニメ『であいもん』
2022年4月6日(水)より放送中

夢を追って上京するも、父の入院を知らされ実家の和菓子屋・緑松を継ぐことを決めた納野和いりのなごむ。しかし店には跡継ぎ候補で看板娘の少女・雪平一果ゆきひらいつかが、納野家に居候をしながら働いていた。
和は一果の親代わりを任されるも、一度は跡継ぎを断ったことを理由に冷たい態度をとる彼女と働くうちに、ある一面を知ることに…。

京都を舞台に<人と人を和菓子が繋ぐ>心温まる絆の物語。

【スタッフ】
原作:浅野りん(「ヤングエース」連載/角川コミックス・エース刊)
監督:追崎史敏 シリーズ構成:吉田玲子 キャラクターデザイン・総作画監督:渋谷 秀 プロップデザイン・和菓子作画:佐藤史暁 2D・衣装デザイン:蓬田佑季 美術監督:空閑由美子(スタジオじゃっく) 色彩設計:中村千穂 CGディレクター:山本祐希江(いなほ) 撮影監督:松本乃吾(いなほ) 編集:齋藤朱里(三嶋編集室) 音楽:高田 漣 音楽制作:フライングドッグ OPテーマ:坂本真綾「菫」 EDテーマ:であいもん(ayaho+曽我淳一)「ここにある約束」 音響監督:森下広人 アニメーション制作:エンカレッジフィルムズ 製作:緑松

【キャスト】
納野 和:島﨑信長 雪平一果:結木 梢
納野平伍:小山力也 納野富紀:大原さやか 巽 政:岩崎ひろし お鶴さん:ゆきのさつき 瀬戸咲季:永塚拓馬 堀河美弦:鈴木みのり 松風佳乃子:髙橋ミナミ 私市緋色:早見沙織
雪平 巴:松岡禎丞 雪平真理:坂本真綾
納野一光:及川いぞう 納野倭世:吉田美保

【放送情報】
AT-X 毎週水曜23時30分~ ※リピート放送有
TOKYO MX 毎週水曜25時35分~
KBS京都 毎週水曜25時35分~
サンテレビ 毎週木曜24時~
BS11 毎週金曜23時~

【配信情報】
dアニメストア 毎週水曜24時30分~ その他の配信サイトでも配信中
※詳細は公式サイトをご確認ください。
※配信日時は変更になる場合がございます。予めご了承ください。

【公式サイト】https://deaimon.jp/
【Twitter】@Deaimon_animehttps://twitter.com/deaimon_anime

©RIN ASANO/緑松


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