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特集

病気になるのは自己責任? 医師が見たコロナ禍の医療と社会 『病気は社会が引き起こす』著者、木村知さんインタビュー

 木村さんの著書『病気は社会が引き起こす』は新型コロナウイルス感染症が日本で確認される以前、2019年12月の刊行でしたが、コロナ禍の混乱を予見するような記述があふれていました。社会的要因が人に及ぼす影響を述べ、「健康は自己責任だ」という風潮に警鐘を鳴らしています。
 昨年、新型コロナが流行してすぐ、カドブンでインタビューを2回行いましたが、あれから1年以上たちました。今、医療現場はどうなっているのでしょうか。お話をうかがいました(このインタビューは2021年8月25日に行いました)。

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、私たちにできることは?『病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ』木村知インタビュー
https://kadobun.jp/feature/interview/6bhmrz8gelc0.html

▼新型コロナウイルスで広がる不安。医師、木村知さんインタビュー。「検査結果は絶対ではありません。体調が悪ければまず休むことを徹底してほしい」
https://kadobun.jp/feature/interview/ctjo98oyd5sg.html

『病気は社会が引き起こす』著者、木村知さんインタビュー

コロナ禍で1年半以上たった医療の現場


――日本で最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されて、1年半以上が経過しました。現在の医療現場の様子を教えてください。

木村:この1年半の間にじつは私もいろいろありまして、先にその話をさせていただいてもよろしいですか。メインで勤務していた診療所がコロナ禍による業績悪化を理由に大規模なリストラを行って、私自身も退職勧奨のリスクを感じたため、転職を決意しまして、現在は在宅医療を中心に行っています。
 同時に内科外来、発熱外来も行っておりますが、特に7月に入ってからはこれまでの10倍、8月はさらにその3倍の新型コロナ陽性者が発生しています。これは肌感覚としても昨今、報じられている感染拡大状況と矛盾ありませんし、潜在的にはさらに多くの感染者が存在しているのではないかとさえ思っています。今後、変異株の蔓延を考えれば、どうなっていくのか私にもまったく予測ができません。


――前回のインタビューは、まだ新型コロナの感染拡大が始まったばかりのころでした。木村さんの知り合いの医師のお話として、感染患者の受け入れ先を探すのに11箇所も電話をした、というエピソードを紹介いただきました。その後、医療現場では少しは対応がスムーズになっているのでしょうか。

木村:これまで私たちが行ってきたのは次の通りです。発熱者等を診察して検査が必要と思われる患者さんに対してPCR検査を行い、翌日以降、診療所に陽性の結果報告が来た場合にご自宅に電話し「保健所からの指示を待ってください」と伝えるところまで、あとは保健所に委ねるというスキームです。
 しかし今やその保健所も機能不全に陥る寸前で、重症者一歩手前でも入院できない事態となっています。
 先日、私が診断した患者さんについて保健所から連絡が入りました。この方は私の診断後、自宅療養となっていた30代の男性で、保健所によれば発症後11日経っても高熱が下がらず、酸素飽和度も低下しているとのことでした。幸い自宅が近かったので来院いただきCTを撮ったところ、両肺は真っ白です。96%以上が正常とされる酸素飽和度も91%で、中等症IIに該当する状態でした。保健所によると入院できるまで、2〜3日はかかるとのことでしたので、ステロイド内服薬などを処方して、入院するまで待ってもらうしかありませんでした。
 今後このようなケースはどんどん増えていくでしょうし、実際、自宅で不幸の転帰となってしまう方も相次いで報告されています。入院すべき人ができない。首都圏ではすでに医療崩壊が起きています。
 さらに、新型コロナ感染者だけでなく通常医療の受け皿も減っていく状態が目前です。在宅医療を行っている私が普段対象としている高齢者等は、優先度が低いとみなされ、適切かつ迅速な医療の機会が奪われてしまわないかと非常に危惧しています。


――唯一の光はワクチンですが、ワクチン接種の状況はどうですか。

木村:私の勤務先は在宅医療を精力的に行っていることもあってディープフリーザーを有しており、地域住民の個別接種も積極的に行っています。一日あたり40人ほど接種しているのと思います。今後もワクチン製剤が安定的に供給されるか、現場ではハラハラしている状況です。

健康は自助でどこまで手に入る?


――木村さんはご著書の中で次のように述べています。

「つまり、今の政府が推し進めようとしている、
自助>共助>公助
はまったく逆であって、
公助>共助>自助
が本来あるべき機能を有した国家であるといえる」

 書籍刊行時の首相は安倍晋三氏でしたが、その後、菅義偉氏に替わりました。菅氏は政策理念として「自助、共助、公助、そして絆」を掲げたのでおどろきました。木村さんはこれを聞いたときにどう思いましたか。

木村:著書で訴えたこととまるで逆の社会になっていってしまうのかと戦慄しました。さすがに「自助」という言葉は評判が悪くなりましたから、選挙演説などでそのまま使われることはないでしょうが、今後も「まずは自分でやってみる」「できるだけ人に頼ることなく」「自分の身は自分で守ろう」などとオブラートに包んで自助を叫ぶ政治家が出てくるかもしれません。
 来る総選挙での投票の際には、その政治家が自助と公助のどちらに重きを置いているのか、よくよく吟味してほしいと思います。自助を重視する政党が政権を握り続ければ、私たちの生活と命はますます削られていくことになるでしょう。


――私はコロナ禍で、ますます「自助」が求められてきたと感じました。基本的に自宅療養、という方針もそう感じます。8月2日に政府は「中等症Ⅰ」の患者は基本的に自宅療養に、という方針を打ち出しましたが、自民党内からも批判を受け、5日に「中等症も原則入院」とし、地域も東京都などの感染急増地域のみとしました。病床が逼迫していることへの対応だとは思いつつ、中等症Ⅰというのは「呼吸困難で、肺炎の所見がある場合」とあり、けっこう重症のように思います。木村さんはこの方針をどう感じましたか。

木村:じっさい現場でも呼吸困難の自覚なく、咳と熱が4〜5日続くからと受診された方のCTを撮ってみると、両側肺に明らかな肺炎像があるということも珍しくありません。酸素飽和度を測ってみると96%を切っている。それでも苦しくないと言われると、かえって恐ろしさを感じてしまいます。こういう方は、今の首都圏の状況では自宅療養とされてしまうのでしょうが、いつなんどき急変するかわかりません。
 そのような陽性確定したものの自宅療養とされてしまっている方々への診察もできる限り行っていますが、急変した場合にどうすればいいのか。特効薬もなく、すぐに入院できませんから、現場としても正直なところ無力感を覚えることもあります。
 やはり自宅療養には無理があります。今すぐ病床を増やせないならば、せめて、それに代わる大規模療養施設の設置が急務ではないでしょうか。


――なぜこれほどまで病床が足りないのでしょうか。日本の感染者は欧米に比べ抑えられているので不思議です。

木村:じつは感染症病床は1980年代から削減されてきたのです。1984年に1万5000床あまりあったものが、2015年には1/8の1800床程度になっています。保健所も削減され、1990年からの30年でほぼ半減です。
 拙著にも書いたように医師も少なく、ベッド数あたりの医師も看護師も、欧米先進諸国に比べると極端に少ない。その点から見ても、わが国は新興感染症の流行には耐えられない極めて脆弱な医療インフラしかなかったといえます。


――政府は戦後、一貫して医療費抑制をうたってきました。その一環で小泉進次郎氏が「健康ゴールド免許」構想を述べたこともあります。基本的なことをお聞きします。健康は自助、つまり本人の努力でどこまで実現できるものなのでしょうか。健康に気をつかっていても病気になる人もいれば、不摂生なのに元気で長生きしている人もいます。その点、医師としてどう考えますか。

木村:拙著にも書きましたが、健康や貧困には様々な因子がからみあって影響します。ですから、個人の努力の有無をことさら「報われることの条件」としようとすることに、私は強い違和感と危機感を抱いています。
「努力した人が報われる社会の実現を」というキャッチフレーズを政治家が使うのを見たことがありませんか。一見、もっともな意見に思えますが、この言葉にも私は「自助至上主義」「自己責任論」の匂いを感じとります。もちろん努力した人が報われないのは厳しいとは思います。しかし「努力したくてもできない人」や「努力しているようには見えない人」は、その社会では「努力していない人」とみなされて排除の対象にならないでしょうか。


――この、「病気になるのは本人の健康管理が悪い」という考え方の延長に、新型コロナ感染者への差別問題があると思います。感染した人や医療従事者への差別問題についてどう思いますか。

木村:自助・自己責任については感染症に罹った人にも投げつけられることが多くなったと、コロナ禍以降とくに思います。たしかにノーマスクで大人数の集会をするなど、危険とされている行為を知りながら行って感染してしまった人の場合は弁明の余地もないでしょうが、多くの感染者は「気をつけていたはずなのに」罹っています。しかもここまで蔓延している状況では、いつ誰が罹っても不思議はありません。もはや感染の責任を個人に帰すことはナンセンスです。もちろん差別など論外です。

自宅療養の往診は「聴診器一本の世界」


――この1年半の間の政府の新型コロナ対策について、医師としてどう評価しますか。

木村:「日本の感染者数も死亡者数も欧米などと比較して少ない、だから日本はよくやってきたほうなのだ」との言説を耳にすることがあります。たしかにその見方もあるでしょうが、東アジアに目を移すと日本の死亡者数はけっして低くありません。
 百歩譲って、今までうまくいっていたとの評価だとしても、ではその1年半という時間稼ぎができていたときに、日本政府はいったい何をしていたのでしょうか。検査体制、大規模療養施設の整備などを怠り、オリンピックの準備に明け暮れていたのではないですか。
 結果、感染対策もおろそかになって、緊急事態宣言もまったく効果なし、現在の感染爆発を引き起こしました。政府はまずその不作為を認めて国民に謝罪すべきだと思います。


――オリンピックの開幕に合わせたように感染者が急増しました。オリンピックが本当に「パラレルワールド」だったかは今後の調査を待たなくてはいけないと思いますが、コロナ禍でのオリンピック開催をどう感じましたか。

木村:拙著にも書いたように、私はコロナ禍以前から東京オリンピック開催には反対でした。今回の招致は東日本大震災とそれによって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故による被害を覆い隠すために行われたものだと認識しているからです。安倍前首相のアンダーコントロール発言が象徴しています。じっさい事故被害者、自主避難者は開催を前に無きものとして扱われました。
 さらに猛暑がありました。2013年、五輪招致委員会が提出した立候補ファイルには、開催時期である7月下旬から8月上旬の気候を「温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」としています。ウソをついて招致したことで、少なくないアスリートが熱中症の被害者となってしまいました。一例ですが、マラソンは札幌に舞台が移され、男子は朝7時に、女子は朝6時にスタートしたにもかかわらず、男子は106人中30人、女子は88人中15人が棄権しました。
 そして新型コロナです。バブルなどは機能せず、多くの五輪関係者の感染が発覚しました。ラムダ株の本邦第一例も五輪関係者でしたね。先日その事実を隠蔽していたことも明らかになりました。東京2020は、最初から最後までウソで塗り固められた大会でした。歴史に恥を刻んだ大会だったと思います。


――現在、東京都の感染者のうち、入院できる人は10%を切っています。仮に新型コロナにかかっても自宅療養しなくてはなりません。とはいえ、患者に自宅療養させて医師に往診させるというのは効率的とは思えないのですが。訪問診療されている木村さんから見て、コロナ患者の自宅療養についてどう思いますか。

木村:おっしゃる通りと思います。個人個人の居宅は地域に散在しています。さらに新型コロナ感染者であれば、その一軒一軒で防護服の着脱も必要ですから、地域にもよりますが、これらを車で巡回する場合、1軒あたり10分しか滞在しないとしても移動時間を考えれば1時間あたり1〜2軒が限界ではないでしょうか。
 もう一点、訪問診療というのは、入院加療はもちろん、外来診療の代替にさえなり得ないということも重要です。医療機関には診断や治療に用いる機器が存在しますし、処置やケアを行うスタッフも複数いますから、必要なときに必要な医療をリアルタイムに提供することが可能です。一方、訪問診療の場合は、そうはいきません。いわば「聴診器一本の世界」なのです。マンパワーも限られますから、適切なタイミングでリアルタイムに必要かつ十分な医療が提供できる可能性はかなり低いと思ったほうがいいでしょう。
 とはいえ、自宅療養を強いられている患者さんをそのままにしておけません。外来にて可能な限りの治療を行っています。


――聴診器一本の世界ですか……。医療の逼迫に対して、政府や自治体は「不要不急の手術は延期を」と言っています。素朴な疑問なのですが、不要不急の手術というのはあるのでしょうか。

木村:不急の手術というのはあるかもしれませんが、不要な手術というのはないのではないでしょうか。たとえば鼠径そけいヘルニアの予定手術などは、たしかに一刻一秒を争うものではないので延期は可能でしょう。しかし手術を行わないと治りませんし、そのままにしておくことで嵌頓かんとん(脱出した腸管が筋肉の隙間に入り込んで血流障害を起こしてしまうこと)する危険もありますから、これを回避するために手術は絶対に必要です。

新型コロナ特有の怖さ


――前回のインタビューで木村さんは、無症状者への悉皆しつかい検査(すべての人への検査)については懐疑的とおっしゃっていました。一方で、新型コロナは無症状でも感染していることがあるため、無症状の感染者が拡大させていることから、検査の拡充を訴える専門家もいます。欧米に比べ日本の検査数の少なさを指摘する声もありますが、検査については今、どうお考えですか。

木村:基本的な考え方は変わっていません。前回のインタビュー時はまだ新型コロナ検査体制も脆弱ななか、症状があって検査が必要と考えられる人、重症者に対する検査でさえもなかなかできなかったのです。その状況では、ごく軽症や無症状の方々を優先して検査するという選択肢はありませんでした。
 たしかに無症状感染者も存在しますが、じっさい現場で検査してみると有症状者に比べて陽性率は圧倒的に低いです(家庭内など身近に感染者が存在する場合を除く)。検査の優先順位はやはり有症状者が先と考えます。
 ただその有症状者の範囲というのが医師によってかなりバラつきがあるのも事実です。検査体制が整って以降、私は、発熱者はもちろん、発熱のないカゼ症状の方にも積極的に検査を勧めてきましたが、現場ではいまだに熱が出ている方にも検査を勧めない医師もいます。カゼ症状の患者さんのなかにも、検査をお勧めすると「そこまで大袈裟にされると困る」と拒否する方も少なくありません。こういう方々にも検査を受けていただく、そういう意識が広まること、検査に到達しやすくすることが重要だと思っています。


――検査を受けるか受けないかの判断にばらつきがあるのですね。

木村:私も、国民全体が毎週のように繰り返し無料で検査できるようにすべきだとの意見も知っています。ただ現状ではまだまだ有症状者の検査すら全然足りていないのです。しかも感染爆発によって、有症状者の検査結果がかえってくるのが遅くなっています。無症状者よりもまずは有症状者の検査が優先です。そして濃厚接触者の基準を改め、無症状であっても陽性者と空間を共有した人には積極的に検査することが重要と考えます。
 そしてこれは大切なことなので前回のインタビューの繰り返しにもなるのですが、検査は感染者を拾い上げるためのものであって、行動の自由を担保するために行うものではありません。陰性は非感染を意味するものではないからです。陰性が確認された人で経済を回せ、と述べていた人が医師にもいましたが、私はこの「陰性証明」という考え方には反対で、お墨付きを与えてしまう分、非常に危険だと思っています。
 もう一つ付け加えますと、学校は夏休みが開けて2学期が始まりますが、重要なのが小児の感染です。私は軽いカゼ症状の小児についても全例PCR検査を行うくらいの態勢で臨む必要があると思います。今後の日本の感染動向のカギを握るのは小児を診る医師であると言っても過言ではないと私は考えます。


――PCR検査で陰性であっても、具合が悪ければ休もう、ということですよね。新型コロナウイルスの感染拡大で、木村さんが述べていた「具合が悪ければ休む」「人にうつされるより人にうつす心配をする」という意識がかなり根付いたと思いますがいかがですか。

木村:正直なところ、これらが定着したと考えるのはまだ早いかもしれません。マスクをするのも相手のためというよりは、周りがみんな着けているので着けていないと白い目で見られるかも、という一種の同調圧力によるものではないでしょうか。
「具合が悪ければ休む」というのも、今後もし新型コロナの位置づけが季節性インフルエンザと同等の扱いとなったとき、症状が軽ければ登校、出勤してしまう人を増やすのではないかと危惧しています。また、「陰性証明」という考え方が広がれば、「ちょっとカゼっぽいけど新型コロナの検査は陰性だから出勤できるよね」という人が出てきてしまうのではないでしょうか。拙著を執筆した当時と同じ懸念を、私は変わらず抱きつづけています。
「休める会社」を作り、感染症の蔓延を防ぐためには、休業補償など休んでも生活に困らない制度をあらゆる人に対して行き届かせることが重要です。この制度を整えない限り、いくら検査体制を拡充しても、検査を受けようと思う人を増やすことはできないでしょう。


――余談になりますが、木村さんが問題としていた「風邪でも、絶対に休めないあなたへ。」という風邪薬のキャッチコピーが、昨年3月に変更されたそうです(https://www.businessinsider.jp/post-210937)。変更後は、「今すぐ治したいつらい風邪に」だそうです。とはいえ、「風邪は薬で治せる」とうたっていますから、風邪ぐらいなら薬を飲んで仕事や学校に出て来い、という誤った理解を社会に広めているのでは、と思います。

 さて、緊急事態宣言も効力が薄れ、毎日の感染者数に驚きつつも、私自身、コロナ慣れしている部分もあります。高齢者はだいたいワクチンが行き渡ったようですし。実際どうなのでしょうか。

木村:驚かれるかもしれませんが、医師の中でも危機意識にずいぶん温度差があります。「そこまで騒ぐ必要あるのか?」「インフルエンザよりちょっとタチが悪いくらいじゃないの?」「基礎疾患のある人が気をつければいい話でしょ」という楽観論を真面目な顔で言っている医師もいます。
 しかし私は賛同できません。たしかにごく軽症で済む人もいる一方で驚くほど急に容体が変化する例もあり、予測困難ということがその理由です。今後の変異株の出現にともなってワクチンの効果がどうなるのかもわかりません。基礎疾患がない方でも急変しうるため、重症化する可能性のある人を事前に正確に峻別する手段がない今、楽観論はまだまだ危険だと思います。


――最後にうかがいます。このコロナ禍という非日常で日常生活を送る私たちは、どんなところに目を配ってみるといいでしょうか。新しい気づきとなるようなことがあればお願いします。

木村:誰もが長引く自粛生活で、イライラが鬱積うっせきしている状況です。人は気持ちの余裕がなくなると不寛容になりがちです。他者への思いやりを失い、ややもすると攻撃的になってしまったり、自己中心的な行動に出てしまいたくなるかもしれません。そのような気持ちが自分も含め誰にでも芽生える可能性があるということを、一人ひとりが謙虚に受け止めることが大切ではないかと感じます。
 今や誰がいつ感染してもまったく不思議はない事態です。「明日は我が身」と一人ひとりが自分事として考えるようになれば、自己責任論や差別感情などが出てくることはないでしょうし、何より感染拡大の歯止めとなるのではないでしょうか。

書誌情報



病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ
著者 木村 知
定価: 924円(本体840円+税)

詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321902000140/
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