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特集

accototo『そんなに みないで くださいな』刊行記念インタビュー

撮影:後藤 利江  取材・文:加治佐 志津 

塗って切って貼り付けて……コラージュで作り上げるaccototoの世界

―― 扉ページをめくって最初に登場するのがカメですが、ご自宅のリビングで、カメを飼われているんですね。

としお:カメは僕が子どものときも飼っていたので、絵本でもよく描くんですよ。今うちにいるカメは、6年くらい前から飼っています。最初は体長5センチくらいだったので「ちびちゃん」と名付けたんですが、今はもう20センチくらいあって全然ちびじゃなくなっちゃいました(笑)。

―― 表紙が動物ではなくマトリョーシカというのも、ちょっと意外でした。

としお:動物よりもマトリョーシカの方が、「そんなに みないで くださいな」というタイトルと合わせたときに「何だろう?」と興味を引くんじゃないかなと思ったんですよね。

マトリョーシカは表紙用に1つと、中面用に2見開きぶん描いたんですが、ちょっとずつ顔が違うんです。目線や口元の表情を1つずつ変えているので、じっくり見てもらえたらうれしいですね。



―― accototoさんの絵はすべて手作業で、ひとつひとつ作られているんですよね。いつも絵はとしおさん、彩色はあきこさんが担当とのことですが、今回もそのような分担で作られたのですか。

としお:そうですね。僕らの絵本はコラージュで作っているので、たとえばカメに使う色をあっこ(あきこさんのこと)が紙に塗って、それを僕がもらって切り貼りする、というような流れで進めています。陰影は紙をカットしてから、色鉛筆でつけています。今回の絵本では、絵に存在感を持たせるために、あえて影を濃くしてみました。

あきこ:色については、あまり小さい子向けということを意識せず、自分の好きな色合いで作りました。絵に合わせて切って置いてみた時点で、他の色とのバランスを考えて色を作り直すこともあります。今回は、ウサギの色がはじめはもうちょっと薄くてやさしすぎたので、濃いめに作り直しました。

―― カメのページの隅の方にカタツムリがいたり、ウサギのページにはバッタがいたりと、サブキャラ的なものが小さく描かれているのも、うれしいポイントですね。

としお:メインキャラと関連するようなものを小さく描き込みました。2回目、3回目と繰り返し読む中で、「あ、こんなところに!」と気づいてもらえたらなぁと。




としお:マトリョーシカのページについては、サブキャラとして他の生き物を描くのもちょっと違うなと思って、いろいろ迷ったんです。それで最終的に、マトリョーシカが置かれている台のクロスの柄に変化をつけました。マトリョーシカの形と関連するような模様を、消しゴムはんこを使って描いています。

あきこ:ラストはインパクト重視で、おばけが「ばあ!」と登場します。

としお:でも脅かすつもりはなくて、かわいらしいおばけにしたので、安心して楽しんでもらえたらなと思います。

自然豊かな土地での子どもたちとの暮らし

―― お二人とも関西のご出身ですが、今の長野のご自宅兼アトリエにはいつからお住まいなんですか。

としお:今の家は、今年で9年目になります。自然の豊かなところで子どもを育てられたらと思って探していたとき、雑木林だったこの土地を見つけて、「ここしかない!」と。家の設計は、建築家の友人夫婦に協力してもらいました。前はマンション住まいだったので、子どもの足音とか声とか気にしていたんですが、今はのびのびと走ったり大声で歌ったりしています。

あきこ:ちょっと騒ぎすぎなくらい(苦笑)。

――実際に暮らしてみてどうですか。

あきこ:長野って、春夏秋冬がすごくはっきりしているんですよ。日本の四季っていうのは、長野の四季のことを言うんじゃないかってくらい。

私が一番好きなのは冬です。この辺りは雪が降ってもひざくらいまでだし、雪質もわりとさらさらなので、ほどよいんですよね。

としお:雪が積もると、かまくらを作ってその中でごはんを食べたりとかね。でもここ2年はあまり降らなかったので、一番下の子はまだかまくらを経験してないんですよ。この冬はどうなるでしょうね。

―― 庭にはツリーハウスやかわいい小屋まであるんですね。

としお:ツリーハウスは僕の子どもの頃からの夢だったんです。いつか作りたいとずっと思っていて、模型だけ先に作ってあって、それをもとに作りました。だから子どものためというより、自分のためですね。小屋は次女からのリクエストで作りました。

あきこ:子どもたちは鍵付きのツリーハウスよりも、よりオープンに遊べる小屋の方が気に入っているようです。


中央奥に写っているのがツリーハウス。右奥は次女のリクエストで最近作ったという小屋。


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