ふくだとしおさん、あきこさん夫妻による絵本ユニット・accototo(アッコトト)の新作『そんなに みないで くださいな』が出版されました。愛らしいマトリョーシカの表紙をめくると、カメやウサギなどの動物たちが次々と登場。「そんなに みないで くださいな」「そんなにみてると…」。さて、どうなるのでしょう!? 親子のやりとりが楽しくなる、かわいらしい絵本です。長野県のご自宅兼アトリエを訪問して、絵本の制作エピソードやお子さんたちとの暮らしについてお話を伺いました。
遊びの要素を盛り込んで、親子で楽しめる絵本に
―― 今回の新作は「そんなに みないで くださいな」というタイトルが何とも印象的な絵本ですが、文と絵と、どちらが先に思い浮かんだのでしょうか。
としお:この絵本については絵が先にあって、文はあとからつけました。カメが頭や手足を急にひっこめたり、ウサギがぴょーんと跳んだり……といった、何かが急に変化する様子をいくつも集めたら、おもしろい絵本ができるんじゃないかなと思ったのが、この絵本のアイデアの原点です。
としお:まず最初に、いろんな動物とその変化をいくつも描き出しました。そのあとで遊びの要素を強めるためにも、ピーマンやマトリョーシカなど、動物以外のものを盛り込んでいったんです。
―― あえなく採用されなかったものもあったのでしょうか。
としお:いろいろありましたよ。とぐろを巻くヘビとか、丸くなるアルマジロとか。
あきこ:ダンゴムシとか、化けるキツネなんかもありました。でも、限られたページの中で似ているものを出すのはもったいないし、生き物の形状の変化だけを説明するような絵本にもしたくなかったので、ボツにしたんです。
としお:展開はすごくシンプルで、リズミカルにぽんぽんと進んでいく感じなんですが、動物だけでなくいろんなものをバリエーション豊かに登場させたので、その分おもしろみのある絵本に仕上がったんじゃないかなと思います。
―― accototoさんの絵本というと、もう少し年齢が上の子向けのお話の絵本が多かったと思うのですが、今回は1、2、3歳くらいの子が対象になっていますね。
としお:そうですね。いつもはもう少しメッセージ性のある絵本を作ることが多いんですが、今回はもっと単純に、親子一緒に遊び感覚で楽しめる、ということを一番に意識して作りました。
あきこ:自分たちでゼロから生み出した絵本で、こういう小さい子向けの絵本というのは初めてですね。うちには子どもが3人いるんですが、この絵本は一番下の子が赤ちゃんの頃に考え始めたんです。その子は今2歳で、この絵本がちょうどいい時期。制作途中からダミーを見せてたんですが、声をあげて笑って喜んでましたよ。
―― 「そんなに みないで くださいな」というフレーズはどんな風に生まれたのでしょうか。
あきこ:最初は「なに見てんの?」みたいなものを仮で入れてたんです。でもなんかしっくりこなかったので、もっといいのないかな、と考えていて。
としお:そんなとき、長女にラフを見せたら、彼女の口から「そんなに みないで くださいな」というフレーズが出てきたんです。それおもしろいねってことで、採用することにしました。
あきこ:長女は今、小学6年生なんですけど、いつもわりと辛口で、ラフを見てはいろいろとダメ出ししてきたりするんです。でもこの絵本については「これ楽しい!」と好評で、最後の方の展開も一緒に考えたりして、結構絵本作りに参加していました。だから、自分が提案した「そんなに みないで くださいな」というフレーズが実際に使われることになって、タイトルにまでなったのは、かなりうれしかったみたいです。