インタビュー

誕生会が大ピンチ!? よんで、あそんで、ことばが身につく 風木一人・田中ひろみ『だじゃれものがたり タンチョウヅルのたんじょうび』刊行記念インタビュー
撮影:後藤 利江 取材・文:加治佐 志津
『とりがいるよ』『たまごがあるよ』のシリーズで人気を集める絵本作家・風木一人さんの新作絵本が出版されました。タイトルは『だじゃれものがたり タンチョウヅルのたんじょうび』。だじゃれでストーリーが展開していく、愉快な言葉遊びの絵本です。ユーモアあふれるイラストで物語を盛り立てたのは、イラストレーターの田中ひろみさん。刊行を記念して、風木さんと田中さんのお二人に、絵本の制作エピソードやだじゃれの魅力についてお話を伺いました。
だじゃれは言葉遊びの中でも横綱クラス
――風木さんはこれまで多くの絵本を生み出してこられましたが、だじゃれの絵本は今回が初めてですよね。だじゃれを題材にしようと思ったきっかけは?
風木:言葉遊びの絵本については、いつか作りたいという気持ちがあったんですよ。僕は絵本の文章作家、つまり言葉や文章の専門家なので、言葉の面白さそのものをメインにした絵本には魅力を感じていたんです。これまで僕が作ったお話の絵本でも、もちろん言葉の魅力、面白さというのは常に意識して入れてきたんですが、それ自体をメインのテーマにした絵本を作るのは今回が初めてです。
風木:言葉遊びの絵本にも、しりとりや早口言葉、回文、同音異義語など、さまざまなものがありますが、今回はその中でも横綱クラスの言葉遊び、だじゃれをテーマに選びました。だじゃれにしようと思った直接の理由は、田中さんの絵だと思います。
――風木さんと田中さんは以前からお知り合いだったのですか。
田中:知り合ったのは、もう15年ぐらい前ですよね。何で知り合ったんでしたっけ?
風木:はっきりとは覚えていないんですが、たぶん共通の知り合いの個展の会場でお会いしたんだと思います。僕と田中さんには、イラスト関係の共通の知り合いがたくさんいるので、紹介してもらったんじゃないかな。その頃から田中さんは本の仕事をたくさんされていましたが、多くは大人向けの本だったので、田中さんは一般書の作家さんなんだと思っていたんです。でもあるとき、子ども向けの絵本もやりたいとおっしゃっているのを耳にして、それなら田中さんと絵本を作りたいなと思うようになりました。
田中:当時、イラストのファイルをお渡ししたんですよね。
風木:そう、田中さんのこれまでのお仕事などを載せたファイルなんですが、その中にだじゃれのイラストもあったんですよ。首からカメラを提げたカメとか、魚を釣るツルとか。絵だけで面白い、だじゃれのイラストです。
風木:絵描きさんと一緒に絵本を作るというのは、その方の画風に合ったお話なりテキストなりを書くってことなんですね。それで、田中さんのイラストで絵本を作るとしたらどんなものかと考えたら、わりとすぐに言葉遊びの絵本が思い浮かびました。田中さんのイラストの一番の持ち味は、明るくて楽しいところ。それにぴったり合うのは、言葉遊びの中でもやっぱりだじゃれだなと。
――だじゃれのイラストを描かれるくらいですから、田中さんももともとだじゃれがお好きだったのでしょうか。
田中:そうですね。だじゃれは昔から好きで、思いついたら“だじゃれ帳”に書き込んでいるんです。だじゃれの絵本を描いたこともあります。社名や商品名の由来なんかにも興味があって、本も出しているんですけど、言葉の響きに惹かれるんでしょうね。でも他の方が文章を書かれた絵本の絵を担当する、というのは今回が初めて。風木さんとはずっと一緒にお仕事をしてみたいと思っていたので、うれしかったですね。