2017年12月23日に惜しまれつつ逝去された葉室麟さんの文庫新刊『蒼天見ゆ』は、新旧の価値観が交代する時代に翻弄された親子二代の生き方を描いた長篇です。
この作品を通して葉室さんが伝えたかったこととは何か。「本の旅人」で連載された作品『孤篷のひと』への思いも併せて、京都在住の作家・澤田瞳子さんと語り合っていただいた対談です。

〈単行本版『蒼天見ゆ』刊行時に「本の旅人」2015年6月号に掲載された対談を再録しました〉
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〈京都文士〉に期待

――葉室さんはこのたび京都に仕事場を持たれたそうですね。なぜ京都だったのでしょうか。

葉室:深い理由はないんです。歴史時代小説を書いているので、もともと京都は憧れの地でした。取材では何回も来ているのですが、自分の中に京都を染み込ませてみたいという感じもありました。考えてみたら、今年が作家デビュー十周年なんです。十年でリフレッシュして、京都で何かを吸収して新たにやっていきたいという気持ちがあったのかなと思っています。

澤田:ようこそいらっしゃいました(笑)。最近は葉室先生だけでなく、中山可穂さんも京都にお引越しされました。かつて鎌倉文士という言葉がありましたが、あの頃の東京—鎌倉の距離感覚は、いま新幹線のおかげでちょうど東京—京都ぐらいになっているんじゃないでしょうか。私は生まれも育ちも京都なので、これから〈京都文士〉が盛り上がればいいなと考えています。

書籍

『蒼天見ゆ』

葉室 麟

定価 734円(本体680円+税)

発売日:2017年12月21日

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    書籍

    『秋月記』

    葉室 麟

    定価 734円(本体680円+税)

    発売日:2011年12月22日

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      書籍

      「本の旅人2015年6月号」

      角川書店編集部

      定価 100円(本体93円+税)

      発売日:2015年05月27日

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