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角川文庫キャラ文通信

【キャラホラ通信1月号】『わが家は祇園の拝み屋さん7』刊行記念 望月麻衣インタビュー

角川文庫キャラ文通信

京都を舞台とした魅力的な物語の数々で読者の心をつかんできた望月麻衣さん。大人気シリーズ「わが家は祇園の拝み屋さん」新刊の読みどころから、お気に入りの和菓子情報まで、メールインタビューでお聞きしました!
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── : 京都に張られた結界にほころびが生じ、小春は澪人の兄・和人に告白され、と6巻は続きがとても気になる終わり方だったので、待望の新刊です。ずばり7巻の読みどころはどこですか?

望月:今回は鞍馬寺や貴船神社、下鴨神社の蛍火の茶会と京都の有名な社寺やお祭りを舞台にしているところと、恋に悩みながら、自分のできることを精一杯がんばろうとする小春や澪人の様子や、結界対策に奮闘するチームの活躍です。
 また、これまで、前世の因果を引きずりながら現世を生きてきた小春と澪人ですが、7巻で二人は大きな決断を出します。どうぞよろしくお願いいたします。

── : いつにも増して、たくさんの神社仏閣やお祭りが出てきますが、すべて実際にいらっしゃったのでしょうか。

望月:はい、すべて実際に行ってきました。今回だけではなく、基本的に行ったところしか書いていないです。2013年から4年間、下鴨神社の側に住んでいたので、下鴨神社のお祭りには、よく行ったのですが、7巻で紹介した下鴨神社で6月に開かれる『蛍火の茶会』は、神楽の演奏を聴いて、境内の川に放った蛍を眺めるものでして風流があって本当に素敵でした。また、翌月に開かれる境内の池に足をつけて穢れを流す『みたらし祭』も大好きなお祭りです。

── : 宗次朗の作るおいしそうな和菓子も本作の楽しみのひとつです。望月さんの好きな和菓子は? ご自身で作られることもありますか?

望月:捻りがないのですが、好きなのはお饅頭です。特に好きなのは、とらやの『虎屋饅頭』、出町ふたばの『豆餅』。自分で作ったことがあるのは、『いちご大福』です。意外と簡単に美味しく作ることができて感激でした。作中に登場する和菓子はすべて「こんな和菓子があったら食べたい」という願望の許に書いています。

── : お気に入りのキャラクターは誰ですか?

望月:自分の理想の男性像を詰め込んだのは宗次朗だったりするのですが、お気に入りのキャラクターは、ほぼ全員です。一生懸命で健気な小春も、見かけによらず不器用な澪人もそんな子どもたちを見守る吉乃さんも、愛衣や朔也、杏奈に由里子、若宮くんにコウメも大好きです。(コウメの可愛さは別格だと思っていますが)
 最近の功労賞は、和人です。どんなにがんばっても澪人は頑なに本音を出そうとしてくれず著者も手を焼いていたのですが、和人のお陰でやっと引っぱり出せました。和人、ありがとう。

── : 確かにコウメちゃんのもふもふっぷりは卑怯なくらいですね。 それでは、ご自身に近いと思われるキャラクターはいますか?

望月:自分に近いキャラクターというのは、いないかもしれません。キャラクター一人一人に私の成分(?)が少しずつ鏤められているとは思うんですが、まったく違っています。
 私は自分が育った北海道を舞台に書きにくいと感じていまして、それは馴染みすぎて客観的に見られないためなんですが、それと同じように自分と似たキャラクターは書けないのかもしれません。

── : 「拝み屋さん」シリーズで今後書きたいことを教えてください。

望月:チームの活躍を書きたいのと、澪人の色々な面をもっとひっぱり出したいです。

── : E★エブリスタ主催第2回電子書籍大賞を受賞されて今年で5年となりますが、デビュー当時と今とでお仕事の進め方や読書傾向など、変化はありましたか?

望月:受賞前、家事に支障がないよう、朝の家事を終えて夕食の準備の支度に入るまでの時間が『執筆タイム』だったのですが、いつの間にか、そのくせがついてしまっていまして、日中に執筆、あとは普通に主婦という生活スタイルはあまり変わりはないです。
 作品に関しては、趣味で書いていた時は、第一稿をほぼそのまま掲載だったのですが、今はそこから編集さんにアドバイスをいただいて何度も何度もブラッシュアップし、なるべく良いものへとテコ入れしていくので、やはり趣味と仕事は同じではないなと痛感しております。
読書は趣味の本よりも、資料を読むことの方が多くなりました。

── : 最後に読者の方へメッセージをお願いします。

望月:本作を楽しみに待ってくれる方がいることを本当に幸せに思っております。ありがとうございます。
 7巻では私自身、ずっと書きたかったシーンに辿り着けました。緊張で指が震えたほどです。読者様一人一人が、どんなふうに感じるのか怖くもあるのですが私なりに精いっぱいに書きましたので、楽しんでいただけたなら幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


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