映画「散り椿」の公開を記念して、明日10月16日(火)から 11月11日(日)までの期間、原作小説の表紙を飾った、速水御舟《名樹散椿》【重要文化財】が山種美術館(東京・広尾)にて特別公開されます!
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速水御舟《名樹散椿》重要文化財 1929(昭和4)年 紙本金地・彩色 山種美術館[10/16-11/11展示]
樹齢400年という五色の八重散椿。この木から花の散る様子を描いた速水御舟の代表作《名樹散椿》は、「撒きつぶし」という技法を用いた金地に、立体的に描かれた枝振りや紅白の花が鮮やかに映える屏風。昭和期の作品として初めて重要文化財に指定された作品としても知られる。
葉室麟著の原作小説『散り椿』の表紙に絵が用いられていることから、映画『散り椿』の公開に合わせ、10月16日(火)から11月11日(日)の期間のみ特別に展示される。
さらに、山種美術館内の「Cafe椿」では、《名樹散椿》にちなんだオリジナル和菓子「散椿」も会期中特別に提供中。
是非、この貴重な機会に山種美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。
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《名樹散椿》について
京都・昆陽山地蔵院(俗称・椿寺)の五色の八重散椿で、速水御舟が写生した当時すでに樹齢は約400年。金地を切りとるような構成は俵屋宗達からの影響を感じさせるが、椿を凝視し、大正期の質感描写の追求の成果が花や幹の描写に活かされる。金地は金砂子を何度も振りまく撒きつぶしにより、光沢を抑えたものとなっている。昭和52年、昭和以降に制作された作品として初めて重要文化財に指定された。
東京に生まれる。旧姓蒔田、本名栄一。松本楓湖に師事。巽画会、紅児会に参加。大正3年、今村紫紅らと赤曜会を結成。同年より再興された院展で活躍。初期の南画風から細密描写、象徴的作風、写実と装飾を融合した画風と次々に新境地を拓き、昭和5年の渡欧後は人物画や水墨画など新たな分野にも挑戦した。
[企画展]日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たち―大観・春草・古径・御舟―
会期:2018年9月15日(土)~11月11日(日)
※《名樹散椿》の展示は10月16日(火)から
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
入館料:一般 1,000(800)円・大高生 800(700)円・中学生以下無料
※()内は20名以上の団体料金、および前売り料金。
その他詳細は以下ページをご覧ください。
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2018/nihonbijutsuin120.html
映画『散り椿』
2018年9月28日(金)全国ロードショー
キャスト:
岡田准一 西島秀俊 黒木華 池松壮亮 麻生久美子
緒形直人 新井浩文 柳楽優弥 芳根京子 駿河太郎 渡辺大
石橋蓮司 / 富司純子 奥田瑛二
監督・撮影:木村大作
脚本:小泉堯史
音楽:加古隆
製作:「散り椿」製作委員会
製作プロダクション:東宝映画 ドラゴンフライ
配給:東宝
©2018「散り椿」製作委員会
URL:http://chiritsubaki.jp
ストーリー
享保15年――
藩の不正を訴え出たために、時の権力に負け藩を離れた男、瓜生新兵衛(岡田准一)。
追放後、連れ添い続けた妻の篠(麻生久美子)が病に倒れ、死を迎えようとした折、最期の願いを新兵衛に託す。
『藩に戻りて、榊原采女様(西島秀俊)を助けてほしい』と。
新兵衛にとって采女は、かつては良き友であり良きライバルであり、また篠を巡る恋敵でもあった。
そして新兵衛の藩追放に関わる、大きな因縁を持つ二人であった。
妻の最期の願いを叶えるため、新兵衛は過去の藩の不正事件の真相と、その裏に隠された妻・篠の本当の気持ちを突き止めようと奔走する。
篠の妹、坂下里美(黒木華)とその弟・坂下藤吾(池松壮亮)は、戻ってきた新兵衛に戸惑いながらも、亡くなった篠を一筋に想いやる姿や、侍としての不正を正そうとする凛とした生き方にいつしか惹かれていく。
そして、ある確証を得た新兵衛は、かつての親友の采女と対峙する。
そこで過去の事件の真相や妻が遺した願いの苦しく切なくも愛に溢れた本当の想いを知ることになっていく……。
しかし、その裏では大きな力を持ったものが新兵衛を襲おうとしていた……。
【原作本】
『散り椿』葉室麟著 角川文庫
定価:本体680円+税
https://www.kadokawa.co.jp/pr/b2/hamuro_ohgino/
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【関連本】<扇野藩シリーズ>
『さわらびの譜』葉室麟著 角川文庫
定価:本体680円+税
『はだれ雪』(上・下)葉室麟著 角川文庫
定価:本体各640円+税
『青嵐の坂』葉室麟著 単行本
定価:本体1600円+税
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