芥川賞候補作にもなった名作が角川文庫で登場
KADOKAWAは、河林満著『渇水』を角川文庫より4月24日(月)に発売します。
本作は、表題作「渇水」を含めた3編を収録した作品集です。表題作「渇水」は、1990年に第70回文学界新人賞を受賞、さらに第103回芥川賞候補にもなった名作。
料金を滞納する家庭の水道を止める「停水執行」を行う市の水道部職員と、停水対象となった家庭の幼い姉妹との交流を描く物語。
厳しい日常を懸命に生きる人々の日常を描き出す、時代を経ても古びない、今の時代にこそ多くの人に読んでほしい傑作です。
さらに本作は、主演:生田斗真さん、企画プロデュース:白石和彌さん、監督:髙橋正弥さんにより、刊行から30年の時を経て初の映画化が決定。
先の見えない現代に問う、"心の解放"を描いた珠玉のヒューマンドラマが完成しました。
門脇麦さん、磯村勇斗さん、尾野真千子さん他、豪華キャストの出演も発表され、話題を呼んでいます。
生の悲しみを描いた原作小説を、絆が紡ぐ一筋の希望を描いた感動作へと昇華させた映画「渇水」は、2023年6月2日(金)公開予定です。ぜひ原作小説とあわせてお楽しみください。
映画「渇水」
主演:生田斗真
門脇麦 磯村勇斗/尾野真千子 他
原作:河林 満「渇水」
監督:髙橋正弥
企画プロデュース:白石和彌
2023年6月2日(金)公開予定
©「渇水」製作委員会
★映画「渇水」公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/kassui/
書誌情報
映画化も決定!市井に生きる人々の姿を繊細に描き出す短編集。
市役所の水道部に勤める岩切は、水道料金の支払いが滞る家庭の給水を止める仕事をしている。3年間支払いが滞っている小出秀作の家で、彼は秀作の娘・恵子と久美子姉妹に出会う。小出の妻は不在、秀作も長いあいだ家に戻っていなかった。姉妹との交流を重ねていく岩切だったが、停水執行の期限は刻々と迫っていた――。芥川賞候補にもなった表題作「渇水」を含めた3編を収録。厳しい日常を懸命に生きる人々を濃密に描き出す、絶望の底に希望の光がきらめく作品集。
作品名:『渇水』
著者名: 河林 満
発売日:2023年4月24日
定 価:748円(本体680円+税)
頁 数:176頁
ISBN:9784041119921
★作品情報:https://www.kadokawa.co.jp/product/322107000437/
著者プロフィール
河林 満(かわばやし・みつる)
1950年、福島県いわき市生まれ。東京都立立川高等学校(定時制)卒業の後、立川市役所勤務。18歳から小説の習作を始め、立川市の同人誌『群居』『裸馬』に拠り、また、岳真也主宰の雑誌『えん』に参加して創作活動を展開。86年、「海からの光」で第9回吉野せい賞奨励賞受賞、88年、「ある執行」で第7回自治労文芸賞受賞、90年、「渇水」で第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補、93年、「穀雨」で第109回芥川賞候補となる。2008年、永眠。