第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した「偽りの春」を表題作とした単行本がいよいよ刊行。
珠玉のミステリ連作短編集の魅力と、気鋭のコンビ作家の実像に迫りました。
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張り巡らされた「騙し」


――『偽りの春 神倉かみくら駅前交番 狩野かのう雷太らいたの推理』が刊行となります。全編にわたって「騙し」が張り巡らされているため、詳しい内容を紹介しづらいんですが、まずは、書きはじめたきっかけを教えてください。
萩野: 最初はぜんぜん別の依頼をいただいていたんです。でも、それがうまくいかなくて。次に警察ものはどうかという話となって一作書いてみたんですけど、それもうまくいかなくてボツにして……。最後に、犯人側から描いてみるのはどうか、と考えて形式が決まりました。
――たしかに各話、犯人側の視点で展開しますね。題名から、交番のおまわりさんが語り手なのかな、と思っていました。
萩野:いずれは乗り越えなくてはならないんですけど、探偵側から書くのは苦手で、こういった形式になりました。それと、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」が好きなんですが、盗賊視点で話が進み、最終的には鬼平が捕まえるという話なんです。それもひとつの下敷きになったのかもしれません。
――「神倉駅前交番」が舞台となっていますが、この神倉にモデルはありますか?
萩野:鎌倉がモデルです。でも、しっかり鎌倉にしちゃうと、現実にあわせなきゃいけない。

書籍

『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』

降田 天

定価 1620円(本体1500円+税)

発売日:2019年04月26日

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    書籍

    「本の旅人2019年5月号」

    角川書店編集部

    定価 100円(本体93円+税)

    発売日:2019年04月27日

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