消費税率の引き上げで景気は最悪の状態になる
――まもなく消費税率が10%に引き上げられます。食料品に軽減税率が適用されても、家計の負担が増えるのは明らかです。増税後はどんな経済状況になって、私たちはどう防衛すればいいのでしょう。
卓郎:民主党政権末期のような大デフレ、超円高が襲って、給料がどんどん下がって、労働市場が一気に悪化します。私は大学で学生の就職指導をしているので、実感としてわかるのですが、今年は去年よりも明らかに企業の雇用意欲が低下しています。大卒求人倍率も落ちました(リクルートワークス研究所によると2020年春卒業予定の大学生の求人倍率は前年より0.05ポイント下落して1.83倍)。リーマン・ショック後の大卒求人倍率は最悪で100社訪問しても内定が取れない学生が数人いました。そこで私のゼミでは就活対策として、面接でどんな状況になっても答えられるようにトーク力を鍛えています。やっていることは吉本のNSCとほぼ同じですけど(笑)。
井上:消費税率10%時代の大学生はコミュニケーション能力を磨けということか。それくらい悪くなる可能性があるんですね。
卓郎:もう最悪です。
井上:カッパは訴えてこないけれど(笑)、某大臣と某省は訴えるかもしれないから。