舞台を中心に爆発的な人気を博し、最近ではテレビドラマ出演のほか、映画の主演、声優と幅広く活動する、俳優・染谷俊之。その20代最後を記念した写真集『染谷俊之写真集9/0』の国内発売に続き、中国版の発売が決定。9月3日、発売に先駆けて中国は上海のバンダイナムコ上海文化センター夢想劇場にて「染谷俊之2017ファンミーティング in Shanghai」が開催された。

前日から上海入りした染谷は現地で日本の舞台に注目するサイト「舞台職人」やアニメ情報を発信する「aniNews」など地元メディア各社の取材に笑顔で応じ、タイトル『染谷俊之写真集9/0』に込められた、9は29の9、と30の0。そして、今年でデビュー9年目で、来年10年目を迎えるので新たにリスタートを切る、というふたつの意味を説明。お気に入りのショットを紹介し、取材は和やかに終了した。


イベント当日は上海だけでなく、北京や広州といった中国各地からファンが集結。満席の客席に向け、この日のために覚えたという中国語で挨拶する染谷に観客は大感激。MCの通訳を交えながら写真集についての思いを明かし、事前にネットでファンから募集したという質問コーナーへ。上海の印象について「昨夜、夜景を観ましたが、日本とはまたちがってほんとうにきれいでした」と語り、上海以外に行きたい都市を聞かれ「アクション映画が好きで、ジャッキー・チェンの作品をたくさん観ているので香港に行ってみたいです。いつか、香港でもファンミーティングができたらいいなと思います」と抱負を語った。
さらに中国のファンが自身を知ってくれた作品を客席に質問。ミュージカル『テニスの王子様』や舞台『弱虫ペダル』、舞台『刀剣乱舞』といったタイトルを聞いて、改めて、今、日本の文化がアジアで広がっていることに驚き、俳優として上海の劇場に立つことを目指すと約束した。

続いて、抽選で選ばれた観客を交えてのゲームコーナーへ。3パターンの異なる彼氏を演じる「シチュエーションプレイコーナー」ではオタク男子、まじめなサラリーマン、ホスト系彼氏を好演。与えられた台詞にアドリブを加え、単なる会話だけでなくオチまで付けて小さな物語を演出する姿は、さすが!の一言。さらにサラリーマンの彼氏を演じる際には「あるといいかもしれないと思って」と、自ら持参した伊達眼鏡を用意。衣裳のポケットから取り出して、実際にかけると客席が騒然となる一幕も。

中国ならではのピンポン玉とラケットを使い、リフティングの数を競うゲーム「ピンポン玉リフティング」ではいずれも卓球経験者の観客相手に大勝利。観客が先生となる「中国語のコーナー」では10個の単語を覚えて、その場で発音する難易度の高い場面でも染谷はきれいな発音を披露し、観客を感嘆させた。さらにはアドリブを連発。“親しみやすい俳優”という意味で中国では「2.5次元俳優」の愛称を指すという「小演員」の単語では、説明を聞くとすかさず笑顔で「我是小演員(私は2.5次元俳優です)」と流暢に自己紹介。MCから「染谷さんは完璧です。次から通訳は必要ありません!」とお墨付きも。

最後に「今日は本当にありがとうございました。いい思い出になりました。また、来たいと思います。いえ、来ます! 再見!!」と再会を約束し、初の海外ファンミは大成功のうちに幕を閉じた。

中国版写真集はこれまでに演じてきた役衣裳のグラビア16Pを加えて、11月発売予定。国内版は8月26日発売、電子特別版は40カット超もの別ショットを加え発売中。中国版発売に向けて染谷は「この写真集をきっかけに僕を知っていただけたらうれしいですし、ささやかですが架け橋になれたら……と。僕ら個人個人が交流することで、文化が広がっていくといいな、と思います」とコメントも寄せた。
取材・文/おーちようこ