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特集

三島由紀夫の魂の演説! 伝説の討論会を13人の証言者と紐解く衝撃のドキュメンタリー映画解禁!!「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」

1970年、11月25日。作家・三島由紀夫、自決のニュースが衝撃を巻き起こした。
その1年前、いったい何があったのか?



1969年5月13日、東京大学駒場キャンパス900番教室で行われた作家三島由紀夫と、東大全共闘との伝説の討論会。

学生と対話する三島由紀夫の様子を切り取り、三島由紀夫の生きざまを映したドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』が、3月20日(金)ギャガ配給にて全国公開されます。

本作は、伝説となった「三島由紀夫vs東大全共闘」の記録を高精細映像にリストアし、当時の関係者や現代の文学者・社会学者などの識者ほか、三島由紀夫についての「生きた」証言を集め、1969年5月13日と約半世紀後の現代を結ぶ作品です。

当時、過激さを増していた東大全共闘ら、1000人を超える学生が詰めかけた討論会に、警視庁の警護の申し出を断り、単身で赴いた三島。そして行われた討論会は二時間半にも及びました。

三島由紀夫という天才が、死をも覚悟して臨んだ討論会。学生たちと真摯に対峙するその姿は、三島のきらめきをまざまざと見せつける奇跡のような時間になりました。時に怒号が飛び、時に笑いが起きながら、会場を圧倒的な熱が包み込みます。

その当時の貴重なスクープ映像の全貌が、昭和・平成という二つの時代の終わりを迎え、令和となった今、明らかになります。



映画情報

■映画に登場する13人の証言者たち■
芥正彦(東大全共闘)木村修(東大全共闘)橋爪大三郎(東大全共闘)
篠原裕(楯の会1期生)宮澤章友(楯の会1期生)原昭弘(楯の会1期生)
椎根和(平凡パンチ編集者)清水寛(新潮社カメラマン)小川邦雄(TBSテレビ記者)
*肩書は当時
平野啓一郎 内田樹 小熊英二 瀬戸内寂聴 

3月20日(金)全国ロードショー
公式HP:https://gaga.ne.jp/mishimatodai/
監督:豊島圭介
配給:ギャガ
©2020映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会


豊島圭介監督からのメッセージ

「三島がいかに生きたか」にフォーカスを当ててみたかった

 このドキュメンタリーは、1969年の東大での討論のフィルムがTBSに保存されていたことから映画化が企画されました。三島没後50年になる今年はそれを公開するのに最適だろうという思惑もあります。

 とかく市ヶ谷の自決に焦点を当てられて語られがちな三島由紀夫ですが、この討論でみせたような、溌剌として、それでいて一切偉ぶらず、生き生きと青年たちと語り合う姿もまた三島由紀夫なのである、ということを見せようというのが初期衝動です。「三島はなぜ死んだか」ではなく「三島がいかに生きたか」にフォーカスを当ててみたらどうなるだろうかという視点です。

 実際、このドキュメンタリーを作る過程で様々な三島の顔を知ることになりました。この討論会に関係する人たちとの関係性も様々で、東大全共闘に見せる顔、楯の会のメンバーに見せる顔、平凡パンチ編集者に見せる顔、文壇に向ける顔などなど、どれ一つとっても同じ顔はなく、知れば知るほど三島由紀夫という人物がわからなくなるという経験もしました。それが三島の奥深さであり、魅力なのだろうというのがいまの結論です。

 このドキュメンタリーのもう一つの主役は、1968年、1969年という時代です。「政治の季節」と言われた時代。現在、香港で起きているような「生きるための運動」がかつて日本にもあったということ。その時代を生きた青年たちがいたということ。この事実を現代に伝えることと、そして50年後の現代の日本にはどうしてこのようなエネルギーや生き方が成立しないのか、を考えることもテーマです。

 この討論を当事者や識者にインタビューすることでより深く理解するということはもちろん目指しましたが、それ以上に、この討論が50年後を生きる私たちにとってどんな意味を持つのかを探ることを最終的な目的として設定していました。右翼・左翼と呼ばれる思想を異にする二者が同じ壇上に立ち言葉をぶつけあう姿に、何か答えがあるだろうと信じて映画を作りました。とりあえずの結論を映画の最後に提示しました。このあたりはご意見いただきたいところです。

 作品を作る中で発見したのは、このドキュメンタリーは「50年という時間」がもう一つの主役であるということでした。50年前の人物と現在の人物が並列して編集されると、これは一体同じ人間なのか?――はたして人間の自己同一性って何なんだろう。記憶って何なんだろう。半世紀生き続けるってどういうことなんだろう。若さとか老いって何なんだろう――そう考えざるを得なくなります。

 そして、インタビューを受けてくださった当事者のみなさんに関して一様に言えるのは、あの日あの900番教室で三島由紀夫と出会ってしまった人たちは、三島由紀夫によって人生を完全に決定づけられてしまったのだということでした。呪いにかかったともいえるほどに――あそこはそれほどまでに強烈な場だったのだと思います。そして、あの日から半世紀の間、その呪縛とともにもがきながら生きてきたのだろうということがインタビューからわかります。これも50年という年月にまつわる発見でした。



この討論は、当時すぐに書籍化され話題を呼びました。現在は角川文庫で読むことができます。映像が素晴らしいのは、書籍ではうかがい知れない登場人物たちの目つきや、視線のやり取りや、笑いや、些細な行動を記録している点です。書籍でこの討論を知っていると思っている人にとっても、この映画が新しい発見になることは間違いありません。そのくらい映像の持つ力は大きいんだと実感しました。同時に、映像は当時フィルム交換の時間が必要なため、討論のすべてを記録することがかないませんでした。全共闘のある青年が三島に天皇制について突き詰める重要な場面があり、映画にも使いたかったのですが、そこはフィルムに収められておらず諦めざるを得ませんでした。書籍には、彼らの議論が余すところなく載せられています。泣く泣く映画から落とした箇所も多数あります。ちょっと過激すぎる部分だったりもします。三島もなかなか挑発的な発言を意図的にぶっこんでるんだと思います。

 この映画に関われて幸せでした。自分自身三島由紀夫のイメージがガラリと変わりました。そして、今後どうやって生きていくべきか考える契機にもなりました。ぜひ、ご覧いただいて率直な感想をお聞かせ願いたいと思っています。

プロフィール

豊島圭介
1971年静岡県浜松市生まれ。東京大学在学中のぴあフィルムフェスティバル94入選を機に映画監督を目指す。卒業後、ロサンゼルスに留学。AFI監督コースを卒業。帰国後、篠原哲雄監督などの脚本家を経て、2003年に『怪談新耳袋』(BS-TBS)で監督デビュー。以降映画からテレビドラマ、ホラーから恋愛作品まであらゆるジャンルを縦横無尽に手掛ける。
映画に『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(10)、『花宵道中』(14)、『ヒーローマニア―生活―』(16)『森山中教習所』(16)など。テレビドラマは「ホリック~xxxHOLiC~」(13)、「黒い十人の女」(16)、「徳山大五郎を誰が殺したか?」(16)、「I”s(アイズ)」(18)、「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」(19)「特捜9」(19)などがある。

書籍紹介

伝説の討論会を完全収録!



『討論 三島由紀夫vs東大全共闘 美と共同体と東大闘争』
三島由紀夫・東大全共闘
学生・社会運動の嵐が吹き荒れていた1969年の5月13日、超満員となった東大教養学部900番教室で、三島由紀夫と全共闘の討論会が開催された! 自我と肉体、暴力の是非、時間の連続と非連続、政治と文学、観念と現実における美……。互いの存在理由を巡って、激しく、真摯に議論を闘わせる両者。討論後に緊急出版されるやたちまちベストセラーとなり、いまだ“伝説の討論”として語り継がれる貴重なドキュメント。
https://www.kadokawa.co.jp/product/199999121208/

■角川文庫で読める三島由紀夫作品■


不道徳教育講座
「大いにウソをつくべし」など、世の良識家たちの度胆を抜く不道徳のススメ。西鶴の『本朝二十不孝』にならい、著者一流のウィットと逆説的レトリックで自説を展開。
https://www.kadokawa.co.jp/product/199999121207/


純白の夜
昭和23年。村松恒彦は、勤務先の岸田銀行の創立者の娘である13歳年下の妻・郁子と何不自由なく暮らしている。最近、恒彦は学習院時代の同級生、楠と取引が生じ、郁子もまじえての付き合いが始まった。楠は一目見たときから、郁子の美しさに心を奪われるが……。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200810000277/


夏子の冒険
裕福な家で奔放に育った夏子は、自分に群がる男たちに興味が持てず、神に仕えた方がいい、と函館の修道院入りを決める。ところが函館へ向かう途中、瞳に情熱的な輝きを宿す一人の青年と巡り会う。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200810000278/


夜会服
社長令嬢・絢子は外交官夫人の自慢の息子・俊男と見合い結婚する。非の打ち所のない好青年に見えた夫だが、絢子には気がかりなことが。新婚旅行から戻った新婦を、案の定嫁姑問題が待ち受ける。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200906000447/


複雑な彼
森田冴子は国際線ステュワード・宮城譲二の精悍な背中に魅せられた。だが、譲二はスパイだったとか保釈中の身だとかいう物騒な噂がある「複雑な」彼だった。やがて2人は恋に落ちるが……。爽やかな青春恋愛小説。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200906000448/


お嬢さん
大手企業重役の娘・藤沢かすみは20歳、健全で幸福な家庭のお嬢さま。休日になると藤沢家を訪れる父の部下たちは花婿候補だ。かすみが興味を抱いた沢井はプレイボーイで……。かすみの「婚活」の行方は!?
https://www.kadokawa.co.jp/product/200911000531/


にっぽん製
ファッションデザイナーとしての成功を夢見る春原美子は、洋行の帰途、柔道選手の栗原正から熱烈なアプローチを受ける。だが、美子にはパトロンがいた。古い日本と新しい日本のせめぎあいを描く。
https://www.kadokawa.co.jp/product/201003000152/


幸福号出帆
虚無的で人間嫌いだが、容姿に恵まれた敏夫は、妹の三津子を溺愛している。「幸福号」と名づけた船を手に入れた敏夫は、密輸で追われる身となった妹と共に、純粋な愛に生きようと逃避行の旅に出る。幻の純愛長編。
https://www.kadokawa.co.jp/product/201008000005/


愛の疾走
半農半漁の村で、漁を営む青年・修一と、湖岸の工場に勤める美代。この二人に恋をさせ、自分の小説のモデルにしようとたくらむ素人作家、大島。策略と駆け引きの果ての恋の行方は。劇中劇も巧みな恋愛長編。
https://www.kadokawa.co.jp/product/201008000006/


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